愚者の旅 Episode 11
僕は昔の街にいた
魔物と人の住む街に
みんな笑顔だったあの街に
みんなの笑顔を見るために
けれどこれはどうしてだろう
みんなたくさん傷ついて
みんないっぱい泣いていた
森を巡って争って
森は朽ち果て死んでいた
みんな、みんな、泣いている
子供も、大人も
魔物たちも泣いている
誰が始めた争いなのか
なぜ始まった争いなのか
もう誰もわからない
喉の奥の、更に奥深くから
ぐわりと苦しさが込み上げる
目の奥が熱くてたまらない
「お前のせいだ」
「お前があんなことを言ったから」
誰だ、誰が言っている？
僕は何かを間違えたのか？
何時
何故
何処で
ーーあの時、魔物を殺せばよかった？
考えて、考えて
全てを比べて、秤にかけて
それでも正しさが見つからない
もし足を止めてしまったら
もう立ち上がれそうになくて
灰色の街の中
僕はただ、進むしかなかった
11正義
公正/公平/善行/客観的判断/均衡/誠意/先入観を捨てる
正義ってなんだろう？
正しさってなんだろう？
それは意外と、不公平で不平等なものかもしれない
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