子どもの同じ質問の中に、その子〝らしさ〟が宿ること #062
うちの娘は年中くらいのときから、
「お母さん、何色が好き?」としょっちゅう聞いてきました。
「うーん、ターコイズブルーかなぁ」と私が答えると、
「ターコイズブルーってどんな色?」とさらに質問されます。
「真っ青な海の色かなぁ」というと、
「ふうん」と納得したような、しないような返事が返ってきました。
そして、また翌日に
「お母さん、今日は何色が好き?」と質問されます。
「え?好きな色って、そんなに毎日変わるもんなん?」と聞き返すと、
「今日の気分で、好きな色を教えてほしいの!」と娘が聞いてきます。
「そうだなぁ、今日はだいだい色かなぁ」というと、
「どんなだいだい色?」と、またさらに質問されます。
(だいだい色はだいだい色やんなー……)と心の中で思いつつ、
「夕焼けの空みたいな、だいだい色かなぁ」というと、
「あぁ、夕焼けの空のだいだい色ね。わかる!」と返ってきました。
一時が万事こんな感じ。当時は、ほぼ毎日「何色が好き?」と質問されました。
何度も同じ質問をされると、正直「答えるのが面倒くさいな~」というのが若干の本音。
バタバタ家事をこなしているときにも聞いてくるので、「後にしてよー」と思うことも。でも、一応考えて「今日は〇〇色が好きかな~。理由は……」と答えていました。
でも、そのうち「どうしてこの子は同じ質問をするんだろう?」と疑問に思うようになりました。
友人にこの話をしたら、「うちの子は『どの電車が好き?』っていつも聞いてくるよ。きっと娘さんの“気になっていること”のド真ん中にあることを質問してるんじゃないかな?」と言われて、「あー、なるほど!」と、遅ればせながらようやく合点がいきました。
それから書店に行ったときに、娘をデザイン系の色のコーナーに連れていくと大喜び。配色の本を見つけて、自分なりに比較し、「これがほしい!!」と何冊か選んでいました。
本を手にしてからは、「どの色が好き?」「どの配色が好き?」と本をもとに質問されるようになりました。
「〇〇ページの、このレモン色が好きかな。この配色だと、爽やかでフレッシュな印象があるでしょ。暑いから今はそういうのが欲しい気分かな」と、私もより具体的に答えられるように。
すると、娘は「お母さんは、このレモン色と配色が好きなんだね!」と、ニコニコ満足そうにしていました。
なるほど、色の解像度を上げてほしかったんだなぁと。
その後、娘の希望のままに洋裁教室に通い始めると、自分で生地や糸を本当に生き生きと楽しそうに選んでいます。
特に、糸見本に出逢ったときの喜びようは異常なくらいでした。
様々な色の糸がびっしり並んだ糸見本に惚れ惚れしながら、ずっと眺めて離さない。洋裁教室の見本帖をそのまま持って帰りそうな勢い。コラコラ。
でも、娘にとって、それくらい“色”はド真ん中にある重要なことなんだなと、改めて思い知ったのでした。
日常の中で、子どもからの繰り返される同じ質問。
でも、その同じ質問には、その子の“気になること=らしさ”がたっぷり詰まっているんだなーと思います。
少し掘り下げてあげることで、その子の“らしさ”が深まったり花ひらいたりするのかもしれません。
親として、それを見逃さずにキャッチしていけたらと思ったりしています。
蛇足ですが、アンミカさんの「白って200色あんねん」という発言を見つけて、娘にそれを伝えてみました。
すると、娘は「うん、確かに200色くらいあるかも…いや、もっとあるかもよ!色の掛け合わせや素材で変わるから。いろんな白で服を作ってみたい」とキラキラした目で返事が返ってきました。
まさか、そのいろんな白色を全部集めて作るわけじゃないよね?と、母は少し怯えたのでした……。
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娘のおかげ?で、私自身 色の興味関心も、多少深まってるなと感じる日々です。
世界を拡げてくれて、ありがとうね!
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