風来坊、ポクマウスの与太飛ばし。

10年間のニューヨーク生活に終止符を打ち2021年12月、ふらりふらりと日本に帰国いた…

風来坊、ポクマウスの与太飛ばし。

10年間のニューヨーク生活に終止符を打ち2021年12月、ふらりふらりと日本に帰国いたしました。NY生活のこと、日常について、詩、エッセイ、コラム、小説、絵、写真などを投稿していきたいと思います。よろポクお願いいたします。

最近の記事

【江戸川ボトルリウム物語〜プロローグ〜】

この物語は千葉県市川市の江戸川のほとりにある とある賃貸アパートの一室から始まるのである。 静岡県東部にある自然に恵まれた田舎で生まれ育ったわたしは 幼少の頃から富士山の流水が流れる近所の川で イモリやメダカやザリガニなどを捕まえては 家に持ち帰り飼育をしていた。 小学校に上がり3年生にもなるとクラスの飼育委員に立候補し 一台の水槽を立ち上げて維持管理をしていた記憶もある。 そんなわたしが本格的に「アクアリウム」にのめり込んでいった 大きなきっかけはとある「潮干狩り」。

    • 【詩】泥まみれクーデター

      僕はまだ 僕をまだ 諦めたりはしないぜ。 僕はまだ 僕をまだ 諦めたりはしないぜ。 次の大空、広がる日まで 次の大空。 情けない日々でもよ 泥まみれの足でも 僕はまだ僕はまだ明日が来るのが待ち遠しい。 僕はまだ僕はまだ明日目覚めるのが楽しみで。 明日終わる何かの上で 植えた花の種 明日終わる何かの上で 植えた花の種 それはまだそれはまだ 明日枯れた花ではない。 それはまだそれはまだ 次の大空、広がる日まで 次の大空。

      • 【絵】キョロ

        「き、き、き、、、きょろ」

        • 【詩】大事なひと、たいせつなひと。

          大事なひとの大事なひとは 大事なひと。 大切なひとの大切なひとの大切なひとも きっと大切なひと。 満員の総武線は津田沼止まり。 汗が滲みた初老のサラリーマンのワキの下 不本意との狭間で 静かに気づくんだ 大事なひとの大事なひとは大事なひと。 大切なひとの大切なひとの大切なひとは きっと大切なひと。

        【江戸川ボトルリウム物語〜プロローグ〜】

          【詩】月への恩返し。

          月は決して、太陽の悪口を言わないよ。 太陽もしかり。 太陽が光輝くとき、月はひっそり静かに微笑んでいる。 そんな月への恩返し。 目立ちたがりの太陽はもうむしろ姿すら消すのです。

          【詩】ミルキーウェイ

          「死んでしまった方が楽かもしれないよ。」 そう微笑みながら僕の左の頬を 左手の甲で撫でるその娘の瞳は灰色に輝き その焦点は 僕の左脳と右脳の間をかい潜り ミルキーウェイの方へと 突き抜けようとしていた。

          【詩】下北沢ロマネスク

          路地裏の排水溝 集まるしなびた枯葉たち 夏の終わりとほんの少しの秋の始まりを折り重ねるように 今日も月を見つけるのが難しいなぁ下北沢 せっかくの満月も駅に着くまでは少し諦めよう 優しく触れたはずなのに 音を立てて 割れた花瓶のように 感情に触れる前の   なのに、なぜか溢れ出す涙のように 今日もやたらと夜は早足で更けて行く 背中に背負った初任給で買ったマーチンDXM 誰も来なかったけれど それも平日のせいにして ラーメンは食わず帰るか、下北沢 明日は仕

          【小説】木漏れ日は揺れるのか。【第一章】

          木漏れ日揺れる、木の葉の影揺る階段教室。 5限、確率学物理論の講義にて。 フラフラとわたしの眼前に現れたその小さなモスキートに対し、蒲公英の綿毛を吹き飛ばすかのようにそっと息を吹きかけると、朝方まで新宿で飲んでいたわたしのボロ雑巾のような残念なその吐息に、モスキートはより一層フラフラと、もはや「ふわふわ」にも似た所作で、階段教室の上の方へと浮いていき、小さな換気口へと吸い込まれて行った。 定かではないが、わたしの隣でいびきをかきながら机に突っ伏したままの木島もまた酒の臭い

          【小説】木漏れ日は揺れるのか。【第一章】

          【わたしがニューヨーカーになるまでEP2】〜プロローグ〜ジャズとの接触

          大学生活の理想と現実の乖離が日を追うごとに広がりを見せる中、それでもわたしは人生初めての一人暮らしや学生生活に少しずつ慣れ、大学生らしさを纏いはじめていた。 父がジャズ好きだったため、幼少の頃からジャズに慣れ親しみまた中学生の頃から友人たちとバンドを組んでいたわたしは大学に入学したらジャズ研に入りたいと思っていた。 しかしながらジャズ研への勧誘をしていた先輩があの体たらくだったため、「隣で勧誘をしていた垢抜けた軽音サークルに入った方がまだマシな学生生活を送れるかもしれない

          【わたしがニューヨーカーになるまでEP2】〜プロローグ〜ジャズとの接触

          【ショートショート】田中の決断。

          「話したいことがあるんだ。」 そう田中からラインが入っていたのは今朝、午前4時頃だった。 どうやら田中はぼくだけでなく いわゆる彼が「仲間」として認識している人間たちに 同じようにラインを送っていたようだった。 荒川の河川敷に呼び出されたぼくらの前で 田中は神妙な面持ちをしながら そして一度だけ「ふっ」とキザな笑みを浮かべたあと ぼくらを背にした形で、体育座りをした。 そうして ぼくらに背を向けたまま 真っ赤に染まる夕暮れの空と東京スカイツリーを 1人眺めながら呟

          【ショートショート】田中の決断。

          【ショートショート】一滴のしずく。

          「ほら、また一滴の雫が落ちましたよ。」 「ええ、知ってます。」 組んず解れつの後の会話はこんなものです。 あ、ごめんなさい。 自己紹介を忘れました。 わたくし、足立区出身の銀行員でございます。 一滴の雫を零したわたくしは 静かにスーツの襟元を正し 背筋を伸ばします。 そして溜池山王へと 向かうのだ。 しかしながらの雨。 外は雨なのです。 傘をどうしよう。 でもよく考えてごらん。 もう一滴の雫を落としたのだから。

          【ショートショート】一滴のしずく。

          【わたしがニューヨーカーになるまでEP1】〜プロローグ〜彷徨いへの序章。

          大崎善生氏の小説『パイロットフィッシュ』にこのような一節がある。 『高校から大学に進むとき、僕は大学というもの自体に過程ではなく目的を求めていた。中学は高校へ進む過程であり、高校は大学へ進む過程である。 しかし、大学は何かの過程ではなく、それは過程の連続で教育を受けてきた人間にとっての目的でなくてはならない。』 2003年の春、高校卒業と同時に大学進学のために18歳で静岡の実家を出た私は、千葉県船橋市習志野台にある1Kの部屋で一人暮らしを始めた。 柔道部の顧問で教育指

          【わたしがニューヨーカーになるまでEP1】〜プロローグ〜彷徨いへの序章。

          【ポクマウス日本昔話】 其の2

          むかーし、昔 あるところに おじいさんとおばあさんとお姉ちゃんとお兄ちゃんと 荒川の河川敷で拾ってきた当時、生後1週間のポン太と 近所の畠山さんと噂好きな鈴村さんと あと、ここだけの話 鈴村さんが飼っていた2匹の金魚は 鯉だったのである。 めでたし、めでたし。

          【ポクマウス日本昔話】 其の2

          【ポクマウス日本昔話】 其の1

          むかしむかし、あるところに おじいさんとおばあさんと山本さんが住んでおりました。 おじいさんは山へ芝刈りに おばあさんは川へ洗濯に 山本さんは基本的には家でのんびりしていました。 山本さんが家でのんびりしていると 鬼ヶ島についておりました。 「まじ、ちょーダリーんだけど」と 山本さんは 言いました。 赤鬼さんが金棒をもって 山本さんのところにやってきました。 「おい、山本さん、いつも家でのんびりしてんじゃねーよ」 といいました。 キジさんは近くの石

          【ポクマウス日本昔話】 其の1

          【わたしがニューヨーカーになるまで-EP0-】10年間のNY生活を終え、完全帰国。

          みなさん、初めまして。ライターのポクマウスと申します。 わたくし、ポクマウスは2008年に大学を卒業後、約3年半のサラリーマン生活を経てジャズ留学のため2011年8月29日に単身渡米致しました。元々は1年間の予定だった留学も気づいたら、あっという間に月日が流れ、結果2011年8月29日から2021年12月1日までの10年間をニューヨークで過ごすこととなりました。 ニューヨーク生活丸10年という節目、また人生をネクストチャプターに進めたい。という気持ちがありこの度、2021

          【わたしがニューヨーカーになるまで-EP0-】10年間のNY生活を終え、完全帰国。