【詩】下北沢ロマネスク
路地裏の排水溝 集まるしなびた枯葉たち
夏の終わりとほんの少しの秋の始まりを折り重ねるように
今日も月を見つけるのが難しいなぁ下北沢
せっかくの満月も駅に着くまでは少し諦めよう
優しく触れたはずなのに
音を立てて 割れた花瓶のように
感情に触れる前の
なのに、なぜか溢れ出す涙のように
今日もやたらと夜は早足で更けて行く
背中に背負った初任給で買ったマーチンDXM
誰も来なかったけれど それも平日のせいにして
ラーメンは食わず帰るか、下北沢
明日は仕事もないけれど
「きれい。」と夜空を見上げるカップル。
その目線の先を追うぼくは、今日もぼっち暮らし。
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