#IR事業を巡る問題について

 衆院議員秋元司被告は、証人等買収罪の疑いで東京地検特捜部に再々逮捕された。

 被告は、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡り、内閣府のIR担当副大臣だった2017~2018年当時、事業への参入を目指す中国企業「500ドットコム」の元顧問らから約760万円相当の賄賂を受け取ったとして、収賄罪で起訴された。

 今度は、保釈中に裁判の証人を買収しようとした疑いが浮上した。

 贈賄側に裁判で嘘の証言をするように持ち掛け、見返りに現金3000万円を渡そうとしたというものだ。

 買収しようとした資金は賄賂額を大きく上回る。資金の出どころの解明が急がれる。

 証人等買収罪は、共謀罪に反対論が巻き起こった改正組織犯罪処罰法と同時に設けられた。

 IR構想は、ギャンブル依存症への根本的対策は示されず、秋元議員の事件で公平な事業者選定ができるのかにも疑問符が付く。

 新型コロナの影響で、海外のカジノ事業者が日本進出を断念したり、新たな投資どころではない状況に追い込まれている。IR事業に対して、ますますイメージが悪化している。

 秋元司被告は自民党を離党したが議員を続けている。重大な疑惑を背負う者に議員資格を与えたままで良いのか。

 日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告が国外逃亡するなど、保釈中の被告らの逃亡、再犯が相次いでいる。保釈の在り方を巡る議論も深めてほしい。

よろしければサポートお願いします。頂いたサポートは、人の役に立つことに使いたいと思います。