#香港立法会選挙について

 香港立法府は9月の立法会選挙を1年延期した。新型コロナ対策が理由だが、直前には香港国家安全維持法への反対を理由に一部民主派の立候補も禁じている。

 香港の立法会選挙は全有権者が民意を示す貴重な機会で、香港の「高度な自治」「一国二制度」を裏打ちする政治制度である。

 しかし、議員定数70の半数は業界団体などが選ぶ職能枠で直接選挙枠は35に過ぎない。経済界が基盤の親中派に有利な仕組みだ。それでも過半数を狙う民主派は予備選挙を実施し、国安法施行直後にもかかわらず60万人が投票した。

 林鄭月娥行政長官は、政策への反対が目的なら国家政権転覆罪になるとし、民主派の候補者12人の立候補資格を取り消した。

 中国が香港立法府の頭越しに決めた国安法は、香港人以外も対象で、外での行為も罪に問える。香港を去った民主活動家ばかりか、全世界の人々の言論の自由を侵害する恐れがあり、看過できない。

 香港と犯罪人引き渡し条約を結ぶ各国は政治的理由で身柄引き渡しを要求されかねない。自由主義諸国が条約の効力停止に動いたのは当然だ。日本でも超党派の国会議員連盟が発足し、今後、日本が香港と結ぶ刑事共助協定の在り方などを検討する。

 香港に自由はいつやって来るのだろうか。

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