見出し画像

ジジイとババアはそりゃ威張りたくなるよな

こんなに辛い人生をもう半世紀以上生きてんだから

・・・


この記事を書いている人

pokopan_black
寿司が好き。魚べいによく出没しているが、稀にもりもり寿しに現れる。
それ以上高級な寿司屋には出現しない、庶民的な舌の持ち主。

人生はゲームだ

誰が言ったかはよく知らないが、こんな言葉を聞いたことがある。
私はゲームが大好きでかれこれ20年以上プレイしているが、ゲームの進化には目を見張るものがある。
最初は真っ黒な背景に白い点と線だけで描かれた宇宙人をひたすら倒すゲームから始まったが、今では現実と見紛うほど美しいグラフィックの舞台を自由に飛び回る「オープンワールド」というスタイルが流行っている。このスタイルではプレイヤーは好きな事を好きな時に取り組むことができ、ゲームの選択肢に縛られないその自由度の高さが評価されている。
今までのゲームとは製作者が用意したストーリーをなぞることしかできず、よく一本道と言われてきた。道は複数あるにもかかわらず毎回決まった出入口しか通れない街や、見えているにも拘わらずたどり着けない場所があることにプレイヤーはフラストレーションを抱えてきた。そんなゲームの常識を覆したのがオープンワールドゲームの誕生であった。プレイヤーは操作するキャラクターの容姿を自分好みに細かく設定し、得意なこと、苦手なことをあらかじめ決められたパラメータを割り振って決めていく。そうして生まれた自分の分身で自由に世界を探検し、挫折と失敗を繰り返しながらも確実に成長を続け、最後には偉業を成し遂げるのだ。
これが面白くないわけがない。だって、これこそ自分が本当に人生で成し遂げたいことだったのだから。

一方、人生はどうであろうか。
神様に割り振らたパラメータで生まれ、運動神経のよい者もいれば悪い者もいる。そのパラメータ自体がランダムになっており、何でもできる人間がいる反面生まれながらにハンディキャップを背負う者もいる。生まれながらにして不平等があるのだ。当然それは自分が望んだ姿形ではない。
また、ストーリーは非常に難解で、序盤は親に敷かれた一本道のレールの上を走っていくしかないが、その先はまだ工事中だ。そこから先は自分でレールを敷いて行かねばならない。その先にゴールがあるかどうかは誰も教えてくれない。さらに、能力が足りなければ自分が敷きたい方向にレールを敷くこともできない。挫折と失敗を繰り返した先に何も報われない結果が待っていることもある。しかもセーブ機能がなく、やり直しが全く効かない癖に残機が1しかない。ゲームオーバーになったらリトライボタンが存在しない。
これをクソゲーと言わずして何と言うのか。
人生にはあまりにも辛いことが多すぎる。こんなゲームをこれから先何十年も続けていくことを想像するだけで辛い。そりゃこんなクソゲーをほぼクリア目前のジジイとババアからしたら、まだチュートリアルを過ぎたばかりクソガキに舐められたら黙っていられないと思う。お前この先も生きていけんのかと。我々のステージまで上がってこれんのかと。
お節介についても同様だ。毒を使う魔物が棲むダンジョンに潜ろうとしている新人が、解毒ポーションを持っていないのを見かけたら一声かけたくなるだろう。上から目線に聴こえるかもしれないが、彼らはその道の先に何があるのかを身をもって体験していて、自分が辛い思いをしたからこそ一言いいたくなるのだ。

でも、人生にもいいところはある。
なぜなら、人生はオープンワールドだ。こんなに自由度の高いゲームは他にない。カメラは超一流で、どんな技術でも再現できない高画質でものを捉えることができる。コントローラーは好きなものに触れることができ、匂いを感じ取ることもできる。その体験の臨場感は絶大だ。見えない壁は存在せず、ひたすら真っ直ぐに進めばまだ見たこともないマップに辿り着くことができるだろう。どのパラメータを上げるかは自分で選択することができる。その先に報われない結末が待っているかもしれないが、確実に成長はしているし、その努力は無駄ではない。また、これらの機能を使用できない者もいるだろう。だが、進むルートが変わるだけだ。その中で新たな遊びを見つけ、生きていくのだ。
ただし、もちろんこれは詭弁だ。
人生が辛いことには変わりなく、努力は無駄ではないなんてのは一般論的な慰めに過ぎないし、私はカメラが使えるしコントローラーは壊れていない。ハンディキャップを背負う者たちの気持ちに、真に寄り添えなどしない。それでもわざわざこんな事を言うのは、人生がこの先も続いていくからだ。本当は慰めでも偽りでもなんでもいい。人生において最も重要なことは、ゲームオーバーにならないことだ。そのためにポジティブな言葉を口にし、自分を上手く騙しながらこの先もコントローラーを握り続けていくのだ。その道の先にゴールがあり、最後にエンディングが流れるかも分からないまま。
そんなことを依頼しても無いのにわざわざご高説を垂れてくるジジイとババアを見て思ったのであった。

・・・

あとがき

ブログの元とするためにネタ帳を作っており、気になったことや思いついたフレーズを書き留めてあるのですが、今回の記事についてはタイトルと1行目だけがメモしてありました。
内容を膨らませるイメージが全くなかったのでもうX(Twitter)にでも投稿するかと思っていたのですが、最近仕事で辛いことが続いており気持ちが沈んでいたのでこのような内容を思いつきました。
話の持って行き方が自分の中でも定まっておらず、良く言ったり悪く言ったり波のように主張がブレブレなのがちょっと気持ち悪い記事になってしまいました。最後のまとめ方も無理矢理になってしまったのが心残りですが、いま書きたいことは全部かけたのでとりあえずこれで公開しました。

仕事の件については元々ヘコみやすくて切り替えが下手なタイプなのでまだまだ引きずると思いますが、辛い辛いと言っていてもよりしんどくなるだけなので自分で書いたこの記事を読み返して明日も自分を奮い立たせていこうと思います。

最後に、この記事について1点だけ訂正します。
人生で最も重要なことはゲームオーバーにならないことだと書きましたが、

転売ヤーと正論言って気持ちよくなってるクソ上司、お前らは早くゲームオーバーになれ。

それでは、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?