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車なし独り身オタクが沼津に3年住んでみて思ったこと

 私が静岡県沼津市に引っ越してきたのは2018年3月。早いものでまもなく3年が経とうとしています。ということで3年間住んでみた感想、というか色々と感じたことを書いてみようと思います。このエントリは沼津への移住を勧めるものではなく、あくまで住んで感じたことをつらつらと書くものです。メリットデメリット両方書きますので、これから沼津に限らずどこかに移住しよう、という方には参考になると思います。

身の上話

 まず、なぜ私が沼津に移住することを選んだのかという話をします。よくよく考えたら今まできちんと語ったことはなかったなぁと思ったので。お前みたいなオタクには興味ねえよ、という人はここはすっ飛ばして次に行ってください…というところだったのですが、このエントリを誤解なく読むためにはここは必要かもしれません。

 結論から申し上げますと「地元で生きるビジョンが見えなかったから」という話になります。地元というのは埼玉県川越市のことです。別に地元ディスりをするつもりは微塵もなく、むしろ利便性が高くて暮らしやすい場所ということは私も常々川越を評価している部分です。
 では何かというと、私は地元で生まれはしたものの育っていません。具体的に言うと地元に住んでいたのは小学校1年生の夏までと高校入学から大学卒業までです。しかも高校は市外、大学は神奈川県だったので地元の学校に通うこともほとんどありませんでした。もう分かりますね。地元のことを学ぶ機会もありませんでしたし、ロクに知らないし友人もいません。いや自分からそういうことすればよかったんですけどね、社会性のない人間なので。ですから「地元に住んで働く理由がないしその生き方も見えてこない」と考えていました。
 でも川越は東京のベッドタウンでもありますから、東京に通勤するのが普通では?と言われればそれは全くその通りです。普通そうします。ですが大学まで片道2時間半かけて通学していた私は考えました。「東京に職場を置くとしてドアドアで片道1時間、ムダすぎる!」と。朝の身支度に1時間くらいは見積もりたいので、6時台に起きて18時台に帰ってくるくらいを想定してみましょう。朝も夜も座れるとは限らない混雑した列車に乗るわけで、残業などしようものならもっと遅くなります。私には無理ですね…。

 書いても仕方ないので詳細までは書きませんが、色々あって実家を離れるべきだという考えもあり、地元で暮らしていくということはそもそも私の選択肢に入っていませんでした。ではどこに住むのか。都会で職場の近くという手もありますが、いかんせん都会は物価というか家賃が高くて住むにはお金がかかります。そしてもうひとつ、私は都会、というか人が多い場所が苦手なんですよね。たまに行くくらいは良いのですが、常にそこに身を置くことを考えるとちょっとなぁ…という感じでした。
 すると消去法で地方に移住するしかなくなるわけです。地方移住する希望くらいは結構早期に固まっていたのですが、場所については強い希望はありませんでした。ひとつ挙げるなら「海の近くがいいなあ」という生まれだけは海無し県民の血がもたらす考えだけでしたね。しかしながら哀しいかな、東京一極集中が進んでいるこの国において、私は東京に近いという利便性を捨てきれませんでした。オタクじゃなくても分かると思いますが、まあ結局は何でも東京なんですよ。それこそイベントの類なんて複数あれば地方にも行きますが、単発ならまずは東京です。趣味次第では東京から遠いというのはそれだけでお金がかかるんですよね…。
 そして住む街自体もある程度の利便性が必要でした。私は川越でも駅の近くに住んでいたため、実家に車がありませんでした。そして自分自身免許があるとはいえ機会がないので運転を敬遠しており、車がなくても暮らしていける街という必要があったわけです。なので地方都市と言えるくらいの街を選ばないといけないわけですが、最初に考えていた移住先は神奈川県小田原市。東京までのアクセスが良く、海があって一定の都市規模を兼ね備えていますからね。

 で、結局着地点がその小田原から沼津へと少し遠くなったのは、私をご存知の方なら分かると思いますがラブライブ!サンシャイン!!』のせいです。上述の通り小田原じゃないといけないというほどでもなかったというのもあり、大学の延長でマメに(2017年から月1,2回くらい)遊びに来ていたので、勝手知ったる沼津でも良いのではとなったわけです。小田原より少し遠いとはいえ大差ないですし(距離ガバ人間)、都市としての利便性についても劣ることはありません。就活の結果職場も沼津で決まったため、大学卒業と同時に沼津に来た次第です。
 ここまでお読みになると分かると思いますが、私は割と消極的な理由で沼津に移住しています。『ラブライブ!サンシャイン!!』についてもあくまで沼津を知るキッカケという面が大きく、「移住はしないとだから沼津が一番まともな選択肢かな」くらいの感じです。別におおっぴらに語ることでもないので今まで明言はしていませんでしたが、移住やらなんやらについて私があまり語らないのはこういう事情からです。とはいえ何も考えずに惰性で暮らしているわけではなく、住んでいて感じることは当然色々あるので、それを以下に書いていきます。

沼津生活で感じたこと

 さて、まずは沼津で3年間暮らして感じたメリット・デメリットについて書いていきます。表題にも書きましたが、私が「車なし」「独り身」「オタク」であることに留意して読んでください。個人の属性によって感じることは間違いなく変わってきますので。

穏やかな気候

 温暖な気候だと言われる静岡県の中でも、沼津周辺はかなり過ごしやすい場所だと思います。海辺なので熱がこもらず夏も暑すぎませんし、冬は比較的暖かく雪が降ることはまずありません。北側にそびえる山々が強すぎる。埼玉は夏暑くて冬寒かったからほんと楽なんですよ…。この穏やかな気候を買われて明治時代には御用邸ができるなど、過ごしやすい気候については昔からお墨付きです。
 ただし、風がえげつないときが多いです。特に冬。気温の上では温かいように見えますが、風が体感温度をグッと押し下げてくれます。というか日によっては歩くのが大変で普通に危ないと感じるレベルの風も吹きます。ただ常に強風が吹き荒れているというわけではないので、その点は安心してください。

鉄道の圧倒的な利便性

 沼津に住むうえでの最大のメリットはこれだと思います。私のような公共交通機関を使う人間にとって、沼津駅は地方の割には利便性がかなり高いです。沼津は東京からそう遠くないと書きましたが、驚くべきは「東京駅まで在来線で約2時間半・2,300円ほど・乗換なしで行ける」という事実。関東にお住まいの皆様からすればどこが良いんだと思うかもしれませんが、地方の皆様なら分かりますよね。新幹線ではなく在来線で、往復1回5,000円以内、直通で行けるというのは地方では驚異的です。
 直通で行き来できる列車は朝晩のみで本数が限られますが、行きは沼津始発なので必ず座れ、快適に過ごしたいならグリーン車というオプションまで使えます。しかも東京駅から沼津駅への在来線の終電車は、22時22分発で翌0時39分着と地方にしては超遅い時間です(ただしあくまで沼津駅に行けるだけで、市内の大岡・片浜・原駅への終電はもっと早いです)。東京で遅くまで遊んでも安心。あとさっきから東京駅東京駅と書いていますが、東京直通の列車は当然横浜を通りますし、なんなら埼玉を通り越して栃木や群馬まで行きますからね。時間こそかかりますが。
 そして沼津の鉄道がすごいのはこれだけではありません。お金をかければ隣の三島駅から新幹線が使え、節約したければ小田原駅から小田急線を利用できます。新幹線を使うと東京駅まで約1時間で4,000円ほど、小田急線を使うと新宿駅まで約2時間半で1,500円ほど(ただし金券屋で小田急線の株主優待券を用意した場合)で行くことができます。つまり「速くて快適・直通で楽・安さ優先」の3つの選択肢があるわけです。絶対的なアクセス手段があるだけではなく、希望に合わせて手段を選べるというのはとても素晴らしいことですよ。

 さて、東京の話ばかりしてきましたが県内やさらに西へはどうでしょうか。東海道線は毎時3本くらい走ってくれているので、地方にしてはなかなか実用的だと思います。静岡駅まではおおよそ1時間で1,000円弱なので、気軽にとまでは言えませんが行きやすい範囲ではないでしょうか。
 ただし、県西部の浜松駅にもなると東京駅と距離がそう変わらず、時間も値段も同じくらい。静岡県広すぎなんですよね…。浜松より先は新幹線を使わないと少々大変ですが、三島駅には一部のひかり号も停車します。また、1日1本ですが名古屋まで快適に乗り換え1回で行ける、ホームライナー浜松3号の存在なども評価できるポイントです。
 やはり日本の大動脈である東海道だけあって、移動の利便性は東西ともに高いです。全国で第10位の人口を誇る静岡県、なかなか侮れない存在ですね。
 しかしすみません、元も子もない話をします。ぶっちゃけ住んでて西は行きません。当然個人差はありますが、都会に行くなら東京一択になってしまうんですよね。用事がない限り名古屋や大阪より東京に行くほうが安くて早いですし、何なら東京は毎月でも行くのに対して県都静岡すら私は年数回しか行きません。基本的に東京行けばすべての用事が済みますから…。

なんだかんだで県東部の中心都市

 地方の人口というのは多くの場所で減少している世の中ですが、沼津もその例外ではありません。以前は20万人超えだった人口も19万人台になり(県内では浜松・静岡・富士に次ぐ4番手)、かつては駅前に複数あった百貨店がすべて撤退するなど、都市としての力が弱まっていることは否めません。しかしながら静岡県東部の中心都市であることに変わりはなく、私は沼津駅からそう遠くないところに住んでいますが、車がなくても日々の生活に困ることはないです(沼津駅から遠いとまた変わってくると思います)
 しかしひとつ注意点があり、この話は歩ける人の場合だということ(自転車でも可)「都会出身の人はよく歩く」などと私も割と言われがちなのですが、普段買い物に行っているスーパーは徒歩で片道20分くらいです。それより近い駅前のスーパーもあるのですがやや値段が高く、コストを重視すると遠い方へ行かざるをえません。沼津の街は概ね平地なので歩きづらいということはないですが、行くときはさすがに多少時間と体力がいります。なるべく行く頻度を減らすためにまとめ買いしていますが、スーパーへの買い出しにいちいちバスを使うわけにはいかないですからね。

 それでは趣味の買い物はどうでしょうか。オタクにとって沼津の非常に良い点がアニメイトとゲーマーズの両方があるということ。後者は『ラブライブ!サンシャイン!!』のおかげなのですが、地方都市でアニメショップが2つあるというのはビックリします(むしろ都市規模からすれば完全におかしいです)し、どちらも沼津駅の近くなので車なし民にとっては非常に助かる立地です。ただし書店に関してはいくつかあるとはいえ規模が小さめですし、CDショップに至っては私は存在を知らないです。静岡まで行けばTOWER RECORDSとかあるんですけどね。
 あと沼津に限らず、家電量販店は静岡県全体で弱いと思います。浜松駅にはビックカメラがありますが、大規模な家電量販店は思い当たらないですね。中規模くらいの店舗はロードサイドを中心に点在していますが生活家電が多く、パソコンやカメラ等の趣味の商品にこだわる人にとっては、品揃えが物足りないと思います。
(2021年3月6日追記:沼津駅北の少々歩いたところにTSUTAYAがありまして、そこならCDの販売はしているかもしれません。最近TSUTAYA行ってなくて分かりませんが…)

 しかしながら、その場には無いものも多いとはいえ、今の時代だからこそ沼津に限らず地方暮らしが楽になっていると言えるでしょう。ネット通販を使えばなんでも買えますし、「アニメ不毛の地」とか言われた静岡ですがサブスクリプションや配信サービスなども増えてきているわけで、都会でなければ手に入らない・楽しめないものは減ってきました。一方で実店舗のメリットとして「色々なものと出会える」というのがあるというのも感じていて、そこをどう取るかは各々の趣味趣向次第でしょう。

周辺地域も含めてとても魅力的

 北に日本一の高さを誇る富士山、南に日本一の深さを誇る駿河湾、東に圧倒的観光地の伊豆、そして西にも静岡を始めとした魅力的な都市を有しており、地域としての魅力は非常に多いエリアだと常々感じています。3年経ったというのにまともに訪ねていない街もありますが(富士宮や御殿場、伊東は行こう行こうと思っています…)、それでも沼津周辺をかなり楽しめているはず。沼津近隣の市町を簡単にご紹介しましょう。

<三島市>
 沼津と並ぶ県東部の主要都市。東海道新幹線の止まる三島駅があることから交通的に重要な場所です。三島の魅力はなんと言っても市内を流れるせせらぎ。源兵衛川を始めとした癒やしスポットが市内に多く、東部で夏に行きたくなる街としての立ち位置を私の中で確立しています。あと初詣は毎年伊豆国一宮・三嶋大社です。

<清水町>
 鉄道は通っていないながらも、ショッピングモール・サントムーン柿田川を有する重要な町。そして近隣市町の水の供給源である柿田川を有する県東部の生命線。柿田川の水は全量が富士山からの雪解け水が湧き出たもので、沼津の水道水も柿田川から採水しているためとてもおいしいです。
 実は清水町はグルメ激戦区でもあり、三島市南部とともにハイレベルなラーメン屋の数が非常に多いエリアでもあります。なお一般的に清水というと静岡市清水区を指しますが、清水町は全くの別物です(沼津市と三島市の間にあります)。

<長泉町>
 人口減少が進む静岡県の中で人口が増えている特別な町。家庭を持って暮らすならここにしろ、という話はよく聞きます。住宅街のイメージが強いのでなかなか遊びに行くことはないのですが…いろいろな意味で別格という感じです。

<裾野市>
 今話題のトヨタが未来都市を作ろうとしている市。富士山の裾、というだけあって富士山が立派に見えます。沼津からだと愛鷹山に被られるので。富士サファリパークやイエティなど、アウトドア系の遊ぶところがいくつかあります。車ないと遠いけど。

<御殿場市>
 首都圏から近く観光地として名の通っている市。なによりも御殿場プレミアム・アウトレットの存在が目玉ですね。私はまだ行ったことがないのですが、首都圏からわざわざ来る価値のある施設が近いというのは県東部の強みだと思います。

<小山町>
 静岡県の北東の端にある町。富士山の登り口である須走や富士スピードウェイなどが有名ですね。あとはふるさと納税の件でも名前が結構出てきましたが…。

<富士市>
 製紙産業を軸として栄える、沼津より人口の多い工業都市。市内を走る岳南電車からの工場夜景などは割と知られてきたでしょうか。沼津に比べて道路がびっくりするくらい広いので、自動車社会であることをひしひしと感じます。ロードサイド店舗が周辺市町のなかでも一層充実しているイメージ。

<富士宮市>
 富士宮といえば焼きそば、そう言えるくらいになりましたね。富士山本宮浅間大社や富士山世界遺産センターを有する富士山観光の拠点のひとつで、それ以外にも朝霧高原など魅力的な場所が多くあります。道の駅朝霧高原のソフトクリームめっちゃうまいんで食べてみてください。

<函南町>
 東海道線に函南駅がありますが中心部はもっと下の方。カンナムではないです。熱海市との境の山の方にも観光地がいくつかあり、平地部分だけでは収まらないですね。静岡県東部の定番・丹那牛乳の産地はこの町です。

<伊豆の国市>
 韮山・伊豆長岡・大仁からなる合併市。世界遺産に登録された韮山反射炉が最も有名でしょうか。後述しますが個人的な推しポイントは伊豆長岡温泉です。あとはいちごの産地としても名が通っていますね。

<伊豆市>
 伊豆の小京都と呼ばれる修善寺温泉を筆頭に、金山で栄えた土肥や天城越えの入口である湯ヶ島など、色々な観光名所が市内各地にあります。だって広いんだもん。ここも公共交通機関で行くのは大変な場所が多いです。

<熱海市>
 首都圏からのアクセスも味方して圧倒的人気を誇る海辺の温泉街。沼津から片道420円で熱海に行けるので結構嬉しいですね。若い人向けに脱皮しつつある部分と古き良き部分が混在しており、温泉以外にも町並みや食など様々な魅力を持つ観光都市です。

<他にも…>
 三保の松原などを有する国際港湾都市・清水区や約70万人の人口を誇る県都静岡、山梨県や神奈川県西部(箱根町や湯河原町、小田原市など)が近く、いずれも観光をはじめとした様々な魅力に恵まれている場所なので、私のようにお出かけが趣味な人には退屈しないエリアなのではないでしょうか。特に富士山の存在が大きいと感じています。特別なものの周りには面白いものが集まると思うんですよね。

私のような趣味の人には最高です

 ここまで読んできた方、こいつ何して遊んでるの?と思われたことでしょう。これは趣味の問題でしかありませんが、基本的に私にとっての娯楽はお出かけと食と温泉です。これでもまだ四半世紀しか生きてないんだぜ。
 でもよくよく考えてみてください。都会にマメに出てもやることってそんなにたくさんあるでしょうか。いやある人は別にいいんです、多分そういう人は都会向きです。でも私の場合、「都会に出てもやることってそんなに思いつかないなー」という感じなんですよね。東京出るときも食事して用事済ませたら暇、みたいなのがしょっちゅうです。むしろ一般的な若い人たちが休日に何やってるか分からないんだよな…。
 あ、カラオケとボウリングとゲームセンターと映画館とショッピングモールは沼津にもありますインターネットカフェは駅前からなくなりましたスポーツ観戦はJ3のアスルクラロ沼津がありますが、ホームスタジアムがちょっと遠いんですよね。美術館など文化施設はどの地方も共通ですが弱い気がします。水族館は3つあるけど。他にはどんなものが世の中あるんでしょうかね?
(2022年11月9日追記:インターネットカフェは一度駅前から姿を消しましたが、南口の同じ場所に復活を果たしました。)

 お出かけについては上述しましたので、次は食。いや食なら沼津に限らず全国どこでも何かしらおいしいものはあります。なので相対的な話はしませんが、沼津周辺の食のレベルは結構高いと思います。私は休日は昼夜必ず外食にして様々な店を発掘しましたが、3年住んでも未だに面白い店を見つけますね。遊びに来る友人達も、海鮮はもちろんそれ以外にも様々なものをおいしいと言ってくれていて、案内のしがいもあるというものです。沼津周辺の食が気になる人は私のTwitterを見ると少しは参考になると思います。
 ただし食は注意が必要なところもあり、それはチェーン店が少ないということ。小規模な個人店が多いため、外食はややお金がかかるのと、夜遅くまでやっているようなお店が少ないです。ロードサイド含めればチェーン店もある程度ありますが、沼津駅から歩いて10分以内というとサイゼリヤ、すき家、マクドナルド、ロッテリア…くらいじゃないですかね…。コーヒー系はドトール・タリーズ・サンマルクと駅前でも充実していますが、それ以外はやはり歩く気合は必要ということになります。逆にロードサイド含めても市内どころか近隣にもない店もありますので、気になった方は調べてみてください。
(2022年11月9日追記:ロッテリアは沼津駅北のショッピングモール・イシバシプラザの閉館により閉店しました。)

 一方の温泉、これはかなり良いですよ。スーパー銭湯なら万葉の湯・駿河の湯坂口屋・ジョイランド原のざぶ~ん・三島の極楽湯が代表的で、いずれも沼津駅から送迎バスが出ています。また、日帰り温泉が楽しめる宿も市内にいくつかあります。
 周辺に目を向けると、公共交通機関で行きやすい温泉地だけでも、熱海・箱根・湯河原・竹倉(三島)・畑毛(函南)・伊豆長岡・大仁・修善寺と充実の顔ぶれ。なかでも伊豆長岡温泉の日帰り入浴は最強だと思っています。お手頃な値段で日帰り入浴が楽しめる宿が多く、ちょっと高いように見えても、伊豆箱根鉄道が販売している伊豆長岡湯ったりきっぷで狂ったようにお得になるので、この辺りに遊びに来る人にもぜひ伊豆長岡温泉を楽しんでいただきたいですね。最近は遠くに行けない日々が続いているので、伊豆長岡などの温泉での日帰り入浴がすっかり趣味になってしまいました。

新登場の切り札、ららぽーと沼津

 2019年10月、沼津市内にとんでもねえものができました。それは…。

 上述した通り若い趣味がない人間なので、まああまり行かないだろうなと思っていたんですよ。ですがこいつが沼津での生活レベルを格段に上げてくれました。この3年の生活の中でも最も大きな変化です。まさかショッピングモールで1日潰す人間になるとは思ってもみませんでしたね。
 しかしながらショッピングモールに大量に入っているアパレルの店など基本的に私は使いません。では何をメインに使っているのか。北海道うまいもの館・KALDI COFFEE FARM・飲食店・映画館です。北海道や海外の食品が手に入る前者2つは非常に有用で、北海道限定飲料であるガラナや韓国食品をよく買っています。韓国食品はインスタント麺とかが充実していて、1人暮らしには結構役立つんですよ。飲食店についても今まで沼津にはなかったお店が数多く入り、食事の幅がかなり広がりました。なかでも面白いのは浜松餃子の有名店である石松や、ガッツリの定番である伝説のすた丼屋でしょうか。お手頃な価格のお店が多いのが魅力的です。

 そして、最も革新的だと個人的に思っているのがシネマサンシャインららぽーと沼津。もともとシネマサンシャイン沼津が沼津駅北口のBiVi沼津にあるのですが、ららぽーと沼津に新設されたことで沼津は2館体制になりました。県東部には他にもジョイランドシネマみしま・シネプラザサントムーン・イオンシネマ富士宮といった映画館があり、人口に比べて映画館が充実しています。県都静岡のある中部、そして県下最大の人口を誇る浜松を中心とした西部より優秀と言っていいと思います。
 とりわけ最新のシネマサンシャインららぽーと沼津は設備が非常に良く、同じく2019年に東京・池袋にオープンしたシネマサンシャインのフラッグシップ館、グランドシネマサンシャインに準じた作りとなっています。そのため、2021年2月現在でシネマサンシャインの特別な上映規格「BESTIA」で観られるのはグランドシネマサンシャインとシネマサンシャインららぽーと沼津の2館のみという状況で、他にも県内唯一の「4DX SCREEN」や「IMAX」の設備も備えています。映画は時々観ているので、そんなすごい映画館が近くにやってきたので大興奮ですよ。BiVi沼津の方が近いのでありがたいですが、いい環境で見たければバス賃を払ってららぽーと沼津に行くという、これまた選択肢が増えたというわけです。

 なお、ららぽーと沼津には富士急シティバスで行くことができますが、毎時5~6本とこれまたかなり充実した本数が走っていて、沼津駅から片道20分で290円。前述した清水町のサントムーン柿田川は沼津からのアクセスが良くない(三島駅からは休日に無料シャトルバスも出ています)のに比べ、こちらは車のない人でもかなり行きやすいですし、車で行く人も駐車場が無料なのでありがたいですね。当然混雑もしますが。

沼津で生活する課題

 ここまではなんだかんだでメリットを多めに説明してきましたが、課題も当然ありますので紹介させていただきます。ココに目をつぶって沼津で暮らすことはできませんからね。重要なことからごく個人的なことまで触れていきます。

仕事探しという大きな壁

 これは沼津に限らず全国の地方都市共通ですが、働き口を探すのが大変というのが移住の最初にして最大の課題になります。都会ではないので働き口の総数も少ないですし、そのうえ単身で移住しようとなれば生活基盤が確保できる仕事でなければなりません。私自身良い就職先が見つからなければ移住は諦めることになっていたでしょう。生活できなきゃ仕方ないんだから。
 全国規模の企業の工場なども沼津にはいくつかありますが、そういった職場であれば安心して生活できる一方で沼津にいられるとは限りません。採用形態によるので一概には言えませんが、やはり使用者側の都合で他所に行くということもあり得るので。どのように移住を実現したいかにもよりますが、収入の面でも労働形態の面でも、仕事選びは最も慎重にならなければいけないポイントですね。かく言う私も沼津が終の住処になる保証はありませんし。

なんだかんだ都会が遠い

 あれだけ便利とか言っておきながらなんだよって感じですが、やっぱり雑に都会、特に東京に行けるって楽なんですよね。私が東京に行く際には色々まとめて回収するべく予定をみっちり立てますが、キャンペーンの関係で何度も行かなければいけないときは結構辛いです。いくら交通費が高くないとはいえ重なるとさすがに痛いですから。
 さらに、在来線を使うと日帰りが微妙に面倒なのもあり、私の場合は実家に転がり込めばいいのですが、それができないと宿泊費もかかります。静岡ですら片道1,000円近くするわけでホイホイ行く場所でもないと思います。都会に用事が多い人はおとなしく都会の近くにいたほうがコストは低い、というのは間違いないです。もちろん移住という希望を叶えるのも良いですが、様々な現実も天秤にかけるべきですから。

空港が遠い

 これも沼津の結構辛いところで、空港まで行くのがなかなか大変です。最寄りで言えば富士山静岡空港があり、現在は休止中ですが、国際線で中国や韓国の一部のほか、国内線では新千歳や福岡をはじめとした地方への便の設定があります。
 しかしながらこの空港、車なしの人間が行くにはアクセスが悪い…。静岡駅・藤枝駅・島田駅からバスを利用してやっと行くことができますが、沼津からは直通で行ける手段は残念ながらありません。一度使ってみたいなとは思うんですけどね。
 沼津から行ける最も実用的な空港、となるとやはり羽田空港でしょうか。ただし、横浜まで東海道線、そこから京急線とこれもやや面倒ですし何より遠いですね。私は年1回韓国に行っていますが、その際には羽田空港を使って毎回遠いなーと思っています。国内なら場所次第では鉄道でもいいですが、海外旅行が好きな人にはちょっと辛いですね。あと、羽田空港はバスの設定が無いのに、成田空港へは不思議なことに沼津から直通のバスが出ているんですよね。そちらは遠すぎてさすがに…って感じですが。
 似たような話で、関東より北に行くのも少し遠く感じます。鉄道の場合は東京を中心に路線があるため、一度東京で乗り継ぐことが基本となります。富士山静岡空港から北に向かう国内便はいまのところ新千歳空港と札幌丘珠空港のみなので、東北地方には直接向かうことができません。

通勤を捨てたことによるちょっとしたデメリット

 これは大した話ではないのですが、通勤を廃止することによってちょっとしたデメリットがあったことに気が付きました。それは定期券を持てないということ。電車などで通勤をする場合定期券を所有することになりますが、アレの何が良いって区間内乗り降り自由なことなんですよね。つまり休日に定期券の範囲で遊びに行けるわけで、それだけでも結構価値があるものだよなーとふと思いまして。私の場合公共交通機関は何を使うにせよ実費を払うことになるので、やはりそこで雑には動けないな、というところです。大学通学時の定期は池袋・新宿・渋谷・品川・横浜・大船あたりを含んでいたので、自由に動ける範囲が異常に広かったんですよね。まああの通学は二度とやりたくないですし、通勤も嫌だから廃止したので良いんですけどね。

結論「車がほしい」

 ここまで車がなくても沼津で生活は問題なく可能です、という話を繰り返してきましたが言わせてください。3年住んで強く感じます。車がほしい。
 
車を持つメリットはなにか、それは街の外にも気軽に行けるということです。ロードサイドや自分の生活圏外の店にもすぐ行けますし、周辺地域の項目で書きましたが車があれば色々な場所を楽しめます。特に山梨や西伊豆・南伊豆は車があるだけで非常に行きやすくなりますね。沼津を含め周辺地域が面白いと感じているからこそ、様々なことを体験し尽くすための必須ツールでもあるわけです。
 
なんだかんだ運転には慣れたのでカーシェアやレンタカーを利用しましたが、車で遠い場所に行くのは非常に楽しかったです。しかしながら1人暮らしで生活のこともありますし、なにより金遣いが荒い(これは完全に自分が悪い)ので車を買えるとしてもしばらく先になりそうです。年齢だけはまだ若いので歩くのも余裕ですし。

 時折Twitterでも言っていますが、私が沼津で一番好きな場所は静浦であり、いずれ静浦で海の見える家に住みたいと考えています。街中から離れる以上、そのためには車が必須でしょう。はぁ~タダで車手に入らないかなぁ~。維持費も誰か払ってくれねぇかなぁ~。

 この景色を毎日眺めて暮らしたいなぁ~。3年住んでも富士山と海に興奮する海無し県民の血は抜けませんでした。あと街中を流れる狩野川も大好きです。まあこんな感じなので今でも楽しくそしてのびのびと暮らしています。移住とか関係なく、情勢が落ち着いたら素敵な沼津と静岡県東部へ皆様ぜひお越しください。おしまい。

せっかくなので追記

 思考整理くらいのつもりの軽い気持ちで書いた記事ですが、思いの外多くの方に読まれていて驚きを隠せません。「参考になった」という声や「読みやすい」というお褒めの言葉までいただき光栄です。ということで調子に乗った私がTwitterなどで見かけた反応を少し拾ってみようと思います。
 あ、ここに追記とわざわざ書きましたが、本文の方も時々わずかに修正しています。すみません。推敲しない人なので…。

>車買えよ…

 それなw いやいずれは買おうと思ってます。いずれは。ただそもそも車を持たずに生活しようという前提に立っていたため、今の家には駐車場がないという問題があります。地方でも街中だと駐車場があるとは限りません。そのため車を買うのであれば同時に引っ越しもせねばならず、沼津駅からは離れることになるでしょうね…。
 とはいえ電車で出かけることが多い場合、駅から離れたらそれはそれで面倒なんですよね。なんせ独り身なもので駅まで送り迎えとかしてもらえないので、電車で出かけようとすると駅付近の料金が高い駐車場に止めなければなりません。逆にお出かけそのものを車でするとなると、東京などの都会に行くのが大変になってしまいます。そのあたりのバランスは難しいんですよね…。
 なお、車があると職場選びの幅が広がるというご指摘もあり、それについては本当にその通りだと思います。沼津に限らず地方においては、「車はあるに越したことはない」ということは間違いありません。私の場合は「無くてもなんとかなっている」から買ってないというだけの話です。
(2021年3月2日追記)

>バイクや原付を買えば?

 伊豆はツーリングでも人気ですから、これは確かにひとつの手です。ただ私がかなりどんくさい人間というのもあって、正直二輪に乗るのが不安でして…。あとは悪天候や夏の暑さ・冬の寒さの影響が大きいのが個人的にネックで、どうせ買うならいつも快適な車を買いたいなあ、と私は考えています。ただしあくまで個人的な話ですから、沼津辺りに移住しようという方は選択肢にすると良いと思います。
(2021年3月2日追記)

>自転車(以下略)

 かきたまちゃんマル秘情報、自転車に乗れない。それはさておき、途中で触れたように沼津は平地が多く、日常生活においては割と便利に使えると思います。ただし山がちな伊豆などに遊びに行くのには使いづらいため、そこを割り切れるかどうかですね。個人的には歩くのが苦ではなく、これも結局「無くてもなんとかなっている」ので買っていないという感じです。
(2021年3月2日追記)

>鉄道も良いが高速バスはいかが?

 沼津駅および三島駅から東京方面への高速バスが出ています(大阪に向かう夜行バスもありますが西方面は詳しくないです)。これも乗り換えなしで行けるものですし、キャンペーンでかなり安く利用できることもありますので、うまく使うと便利なものだと思います。
 ただ、私には高速バスの弱点である「渋滞に巻き込まれると遅れる」という点が合いませんでした。東京に限らずどこかへ行く際、色々な予定を済ませられるようスケジュールをかなりしっかり組むタイプでして、一度高速バスを利用した際に結構遅れて「次はないかな…」となったことがあります。もちろん鉄道も遅れる場合がありますが、幸いにも大きな遅れに巻き込まれたことは今までありません。この辺りも個人の向き不向きですので、高速バスが合うという人は積極的に使っていくと良いと思います。
 これは余談ですが、鉄道を使うのは景色が好きだからというのもあります。東海道線の沼津~熱海~小田原間は高い場所を走ることが多く、伊豆の平野部や相模湾を見下ろせるのは結構楽しいですよ。
(2021年3月2日追記)

>エンゲル係数上がりそう

 まったくもって本当にその通りです。移住を考える人の中には食へのこだわりが薄い方もいると思いますし、そこもやはり個人差です。ただ私の場合はエンゲル係数ヤバいですね。土日の昼夜は必ず外食と書きましたが、なんせすぐお腹が減る食いしん坊なもので、基本的にその合間にカフェとか行ってスイーツを食べることもよくあります。お高いものはあまり食べないとはいえ外食をケチるのは嫌なタイプでして、一食で1,000円~2,000円くらいかけることには抵抗がありません。おいしいもの多いんだもん、仕方ないですよね。
 
その分日常生活はかなり節約していて、平日は一日あたりの食費が300円くらいになるように頑張っています。つらい…。
(2021年3月2日追記)

>防災面での不安が残る

 こればかりは沼津に限らず、海辺の街が向き合う永遠の課題でもあるでしょう。東日本大震災以降、沼津でも海辺の地域については特に人が減ったという話をよく聞きます。私が住むのは街中なので海のすぐ近くとまではいえませんが、それでもいつ発生するか分からない東南海地震を不安に思う部分はやはりあります。私の場合は独り身なのでまだ良いですが、家庭を持っている方であればなおさらでしょう。そのような方々は海から遠い大岡地区や金岡地区を選択肢とすると良いと思います。もちろんそのような地区は一般的にも人気で住むにはお金がかかるわけですが。
 また地震や津波だけでなく、富士山の噴火についても警戒したほうが良いという話もあります。火山灰による被害などは火山の東に集中するため御殿場市などの富士山のすぐ近くはもちろん、首都圏への被害についても予想がされています。沼津は富士山の南なのでどのような影響を受けるか分かりませんが、これも忘れてはいけないポイントですね。

 さて、ここからは私論なので話半分で読んでいただきたいのですが、「面白い地域に住むとは、リスクに近づくということである」と私は考えています。例えば可能な限り安全な場所を想定してみましょう。山からの土砂崩れ、川の氾濫、海で起こる津波…そういったリスクをすべて排除した場所です。何もないと思いませんか?もちろん人の営み次第でそこに様々なものを作ることは可能です。しかし、人だけでは作れないものが世の中にはたくさんあり、そのようなものに惹かれるからこそ、ハードおよびソフト両面での「防災」が必要なのではないでしょうか。
 
沼津でも防災のために様々な工事を行ったり、あるいは訓練を重ねたりしています。面白さとリスクをどのような天秤にかけるかは個人の考え方と背負っているもの次第ですが、私はごく個人的な選択として面白さをとったわけです。まあそもそも地震や台風をはじめとした災害の多い日本に住む、という時点で完全にリスクを排除することなんてできませんけどね。選んだ場所、あるいは与えられた場所でたくましく生きていくほかないのだと思います。
(2021年3月2日追記)

>カーシェアで何が不満だったのか知りたい

 提供会社ごとにサービスが異なると思いますが、見比べたことがないので自分の使っているものについてです。私はタイムズカーシェアを利用していますが、沼津駅周辺にも複数のステーションが整備されていて、他のステーションは逆に見かけないので沼津で使うならタイムズ一択かと思います。月会費こそかかりますが使用分から差し引いてくれますし、会員ステージによってはその月会費もかからない場合もあるので、会員であることそのものに大きな負担はありません。
 では何が不満なのかと言うと、6時間以上利用した場合に発生する距離料金です。先述した通り買い物は歩きなので、カーシェアを利用する際には休日にどこか行くためというのが多いです。距離料金が発生しない6時間って結構短いんですよね…。内浦ですら片道30分以上、市内でも最も遠い戸田なら片道1時間以上かかるわけで、時間を気にするとなかなか十分に遊べません。しかし6時間を超えると追記時現在で16円/kmの距離料金が突然かかるわけで、燃費が悪い車種でもない限り普通に給油する方が安いんですよ。
 
カーシェアは長時間向けサービスではないので、そういう場合はレンタカーを使うべきという話なのは私も分かっております。ただレンタカーは店舗の営業時間中に借りて営業時間中に返却なので、またそこも色々と気にしなければなりません。結局、私は雑に移動したい人間なので、時間を気にするのが合わないということです。だから車買えって話なんですよね。
(2021年3月6日追記)

>そんなに東京を気にするなら東京に住めば?

 メリット・デメリット共に対東京のアクセスの話をかなりしたので、そう思われるのも無理はないですかね…。一応東京から離れた理由みたいなのは書いたつもりでしたが、私の書き方が伝わりにくかったかもしれません。ここで改めて私の思考を整理しましょう。
 東京にいるメリットとしてこのエントリに関わるものは「ほとんどの用事は東京なので移動の必要がない」「物や娯楽がどこよりも多い」「交通の中心点でありどこへでも行ける」あたりでしょうか。一方、東京にいるデメリットは「個人的に混雑が苦手」「実家を離れる前提のためコストがかかる」という点が大きいです。
 さてここでメリット・デメリットを比べてどうするか考えるわけですが、メリットは必要な際に発揮されるものであるのに対し、デメリットは常に影響されるものであることが分かるでしょうか。つまり人の多さや生活コストの高さは常にあるわけですが、メリットを享受するタイミングは限られるということです(物や娯楽が多いのは人によっては常に魅力的かもしれませんが)。
 では東京のメリットを捨てて良いのかと言えばそのようなことはなく、むしろイベントや買い物などで東京に行くことは少なくありません。であればその時々の移動はなるべく安く楽にしたいですよね。ですから対東京のアクセスというのが重要になります。要するに「都合よく東京に出られる地方」というのが私の中での理想的な場所だったわけです。そのような地方から「なるべく車を持たずに済む」や「海の近く」などの諸条件を勘案した結果沼津に住むことになりました。
 あとは大学を卒業し就職するタイミングと重なったというのも大きいですね。すでにどこかで働いていたとかであれば、その環境を捨てるという決断はしなかったと思います。結構リスク回避的な思考をする人間なので。なお「小田原は」という意見もいただきましたが、小田原については職がご用意されなかったので選択肢から外されました。
(2021年3月6日追記)

>フラットな記事で参考になった

 この声を最も多く見かけたわけですが、それはすなわち書いた目的が達成されたということなので非常に嬉しいことです。前置きにもある通りこれはあくまで私の思考整理のためのエントリですが、この思考は住む場所を考える誰しもにとって役立つものだと思います。「何かを選ぶ」というのは、メリットやデメリット・自分の置かれた環境・背負っているものなど様々な物事を考慮して行う行為です。充分に考えずに選ぶというのはリスキーなことで、それが日々の些細なことであればまだ良いのですが、どこに住むかといった重要なことを考える場面では大変危険なことです。
 地方移住というのは近年注目されていることですが、理想が先行して現実を見落とすようではいけませんから、そこに住むことで自分は何ができて何ができないのかを徹底的に考えなければなりません。このエントリの表題には「住んでみて思ったこと」と書いてありますが、記載されている内容の9割くらいは住む前から想定していたことです。『ラブライブ!サンシャイン!!』のために相当な回数遊びに来ていたからこそ、沼津で暮らすことでの利便性や不便さに対するイメージができていました。このエントリに書いたことはあくまで「私にとって」の話でしかないので、沼津に限らず移住を検討される方は「移住先になるべく足を運んで、自身の属性を織り込んで生活をシミュレーションする」ことを心がけてください。
 とまああくまで個人の考えという点を強調しましたが、沼津含め静岡県東部は本当にいいところです。静岡県が移住希望先で1位になっているというニュースも流れてきましたし、漠然と移住したいという希望だけ持っている方にはこのエントリも参考になるかもしれません。静岡県東部に興味を持った方、まずは遊びに来るところから始めてみてください。
(2021年3月6日追記)

 また面白い反応を見つけたら追記するかもしれません。なにか聞きたいことがあれば、ここのコメント欄なり私のTwitterにリプライなりでどうぞ。


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