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反出生主義を騙るな。

※閲覧注意※
今回の内容は強い不快感を感じる可能性があります。子供が好きな方、子供がいらっしゃる方、特に妊婦さんは読まないことをおすすめします。「不快感を感じてもそれでも」という方だけ読んで下さい。

みなさまこんにちは。ポ・キールでございます。

おかげさまでポ・キールクッキングが50回を迎え、そのツイートをまとめたとっても平和でくだらない記事を作成する予定でした。

しかし、不快なツイートが界隈を賑わすことになりました。※スクショの方です。

この人たちは「反出生主義」を名乗っているようです。

実のところ、私は反出生主義という思想は嫌いではありませんし、理解できるところもたくさんあります。

そして、反出生主義の友達も何人もいます。そいつらのことも好きです。

そのためこの記事は反出生主義に対して反論したり、批判したりするつもりはありません。むしろ「反出生主義者」の名誉を守るつもりで書きます。

しかし、そのためにはツイッターに溢れる「エセ反出生主義者」をなんとかしなければいけません。その人たちの欺瞞や穴をどんどん掘っていきましょう。

なので今回の内容は「考察」にしておきましょうか。私自身は反出生主義ではないのでおかしな点などはあると思いますので、その場合は指摘をお願いいたします。

ではスタート


1.反出生主義って?

いつも通りwikipediaを見ましょう。

反出生主義(はんしゅっしょうしゅぎ、はんしゅっせいしゅぎ、英: Antinatalism、アンティネイタリズム)またはアンチナタリズム、無生殖主義とは、生まれることおよび子を持つことを否定的に価値づけ、子を持つことを道徳的に悪いと判断する倫理的見解である。アルトゥル・ショーペンハウアー、エミール・シオラン、デイヴィッド・ベネターらが反出生主義の擁護者として知られる。一方、人間を生み出すことに対して肯定的な意見を持つ立場は出生主義(英語版)と呼ばれる。反出生主義という用語は出生主義に対抗するものである。

概要
ひとくちに「反出生主義」と言っても複数の種類があり、1.「誕生否定」すなわち「人間が生まれてきたことを否定する思想」と、2.「出産否定」すなわち「人間を新たに生み出すことを否定する思想」の二種類に大別できる。1の「誕生否定」は更に、1-1.「自分が生まれてきたことを否定する思想」と、1-2.「人間が生まれてきたこと一般を否定する思想」の二種類に細分化できる。2の「出産否定」は、「生殖否定」「反生殖主義」「無生殖主義」 (英: anti-procreationism) とも呼ばれる。

反出生主義(特に誕生否定)は、古今東西の哲学・宗教・文学において綿々と説かれてきた。ただし、それらをまとめて「反出生主義」と呼ぶようになったのは21世紀の哲学においてである。なお、日本語の「反出生主義」という訳語の初出は、2011年のウィキペディア日本語版である。

反出生主義は様々な観点から説かれるが、なかでも21世紀の哲学者デイヴィッド・ベネターは、倫理学上の「善」(better) と「悪」(worse) や「快苦の非対称性」の観点から、出産否定は倫理的な思想であるという結論を導き出し、全人類は出産をやめて段階的に絶滅するべきだと主張した。このベネターの主張は「誕生害悪論」とも呼ばれる。

出典:Wikipedia「反出生主義

難しいですね。大事なポイントを挙げると

「人間が生まれてきたこと(もうすでに起きた事)」を否定する「誕生否定」と、「人間を生みだす事(これから起こる事)」を否定する「出産否定」がある。

そして誕生否定は「自分」「人間全般」の誕生を否定する2種類に分けられる。ということです。

「私なんて生まれてこなきゃよかった。」
「人間なんて生まれてこない方が良い。」
「もう人を生むべきじゃないんだよ。」

この3つでしょうか?一番上は誰しも一度くらい考えたことがありますよね(ない?)。しかし、それ以外は中々に尖った考え方です。

ここで疑問に浮かぶのが「何故それを否定するのか?」という事だと思うんです。

これは語る人によってそれぞれなんですけど大体以下の理由に分けることができるかなと考えています。

①生きることは苦しいことだから
②生まれる選択権が子どもにないから
③環境へ悪影響を及ぼすから
④死にたくないから

ではこれらを私の解る範囲で解説します。


2.反出生主義の理由

①生きることは苦しいことだから

これはとても分かりやすいですよね。ブッダ思想はまさにこれですし、ブッダも「子どもを持つな」と話したと聞いたことがあります。

ブッダ思想は簡単に言うと「求めるから得られない苦しみが生まれる」「出会うから別れがある」「輪廻から外れて解脱しよう」みたいな。

こう考えて行くと最終的に「生まれてこなければ苦しみがない」となるのも理解できますし、であるなら「自分の子どもにその苦しみを味わわせたくない」になるのも理解できます。

それ以外にも「苦しみ」は解消されても「ゼロ」になるだけであれば「マイナス」、喜びは叶わないと「マイナス」、叶ったら「プラス」になる。よって理論上最良の人生で「ゼロ」、それ以外のほぼ全ての人生は「マイナス」という考え方もあります。なるほど。


②生まれる選択権が子どもにないから

これはそのまんまですよね。

「生まれてきたくなかった」と子供が思ってしまった場合は子どもにとって「マイナス」、「生まれてきてよかった」と思った場合は権利があって当たり前なので「ゼロ」。トータルすると期待値マイナス。

生まなければ子どもは存在せず、権利も発生しないので期待値ゼロ。よって生まない。なるほど。


③環境へ悪影響を及ぼすから

ここでいう環境とは自然環境というだけでなく、自分を取り巻くすべてのものという意味で使っています。

生きているだけでご飯を食べなければいけないですし、現代では様々なエネルギーを消費します。さらに人の住みやすい環境を作るには、他の生物の住みにくい環境にする場合がほとんどです。人間は地球のがん細胞みたいに言う人もいますよね。

さらに同じ人間同士においても、誰かを傷つけ、争いますし、人が増えることで食糧危機という問題にも面しています。だから人は減った方が良いですね。なるほど。


④死にたくないから

①と同じっちゃあ同じですが、苦痛は人それぞれであっても「死」だけは確実に訪れます。「死にたくない人」にとっては「生まれないこと」が一番です。だから生まない。なるほど。


3.反出生主義者ってどんな人?

①~④に共通して言えることは「減点法で物事を捉えている」、「潔癖な思考」、「干渉の否定」あたりでしょうか?

さらに言うなら人間における「動物性の否定」といったところでしょうか。いわゆる「遺伝子の乗り物」ではなく「理性によって物事を決めることが人間らしさである」という考えをしている気がします。

これらを踏まえると、「真面目で合理性を重んじる人」、「完璧主義者」、「個人主義」といった人が多いと思われますし、実際のところ私の友達もそんなイメージです。

そして反出生主義者がどのような活動をするのかと言うと、何もしません。自分が子どもを作らないだけです。

「私はこういう考えだから子どもを作らないと決めている。」という話を聞かされた事はありますが、「お前も子どもを作るな」と言われたことはありませんし、子どもが生まれた時も祝ってくれました。そして私もその友達に「子どもを作れ」とも言いません。

人によっては「こうこういう理由だから子どもを生まない方が良い」と説得する人もいますが、説得以上のこと(他人に強制、攻撃)はしません。

これは反出生主義が「理性」や「干渉の否定」に基づくものだからではないかと私は考えています。

なので反出生主義は「個人哲学」や「信条」の域を超えず、運動を起こすようなものではないものなのでしょう。私のイメージですが。


4.ツイッターの反出生主義

今までの話を聞くとツイッターに溢れている「自称反出生主義者」に疑問を持ちませんか?

「自称反出生主義者」の使っていた言葉をまとめたツイート、画像があります。見て下さい。※許可は頂いています。

どうでしょうか?酷いですよね。

「生きる苦しみを抱いてきたからその苦しみの連鎖を断ち切る」という考えの人が「他人を苦しませるような言葉を吐く」なんてことはありませんよね?

「子どもに生まれるかの選択権を奪う事が許せない」という考えの人が「他人の権利を奪う」なんてことありませんよね?

「死ぬのが嫌だから生まれたくなかった」なんて人が「他人の死を喜ぶ」なんてことありませんよね?

そして、「環境への悪影響」と言うなら「人に迷惑をかける」なんてことはしませんし、電気をバリバリ使うツイッターなんてツールなんで使うんですか?

もし①や③の理由から反出生主義を名乗り、他人に干渉して「生むな」と強制し、「他人の死をあざ笑う」ぐらいなら「さっさと死ねばいい」んですよ。もし「人間を減らすための活動を行うべき」と思うなら「率先して自殺すりゃいい」んですよ。

もちろん推奨なんてしてません。「他人の権利を奪うよりも自分のできることをする」方が、「他人を変えるよりも自分を変える」方が合理的で、そうしないのならせめて干渉するなって話です。

さらに「死刑になりたかった」などと理由をつけて無差別殺人や放火をして他人を道連れにした挙句「自分は自殺したくないから誰か自分を殺してくれ」というのならそんなもん反出生主義でもなんでもありませんよね?

人に干渉しまくってる時点で「エセ」でしかありません。

多分そいつらは自分の苦しみを「生まれたこと」に全部押し付けたり、愛する人を作って結婚して子どもを生んで育てるという労力を放棄する怠慢さを「反出生主義」という字面の良い言葉に押し込めようとしているだけです。

5.どうすればいい?

もしあなたの周りに子どもがいなくて、理由を聞いたら「反出生主義だから」という人がいたとしたら、なるべく理解してあげてください。

もしそれを押し付けてくるような人であるなら縁を切ってください。それは反出生主義を名乗る別の何かです。

ツイッターに溢れる「わざわざ」反出生主義を掲げて攻撃してくるような輩を見かけたら、対話を試みようとせずブロックが良いと思います。

「反出生主義は賢い人であれば行きつく考えだ」みたいな事を最近よく耳にします。

「合理性」「理性」「負の功利主義」といった観点から考え抜くとたどり着くゴールのひとつではあると思います。

しかし、「賢い人が反出生主義に行き着きがち」なだけで「反出生主義を名乗る人が賢い」という事ではありません。

そんな因果関係の逆転をして、それを理解せずに自分を賢いと思っている程度の知能しかない人だという事の証左としか考えられませんね。

そして他人のせいにして、他人を攻撃して、人の死をあざ笑って、「それ見た事か」と寄ってたかる「人間性を失ったバケモノ」です。

そんなバケモノはみんなで注意喚起して、みんなブロックして、隔離した方が平和になります。

蛇足ですが、みなさんはこうした「他人のためを謳って反出生主義を押し付ける行為」に既視感はありませんか?原義としての反出生主義を剽窃し、上書きし、他人に押し付けようとする…

そうです。まるでフェミニストのようですね。

実際のところフェミニストを自称するアカウントのbioを見ると反出生主義を掲げる人が少なくない気がします。

「エセ反出生主義者」と「ツイフェミ」に共通点を感じた方はぜひこちらもご一読下さい。


6.最後に

なんだかずいぶん汚い言葉ばかりを吐いてしまった気がします。本当にごめんなさい。

でも私の嫌いな事は「思考停止」、「命の軽視」、「他者への過干渉」です。その3つをコンプリートする稀有な例だったので今回だけ許してください。

精神に関わる医療関係者の端くれの私の意見として、あのような輩と関わって得する事はひとつもありません。専門的な知識と経験、科学的思考と倫理観が合わさった人が長い時間をかけて根気強く関わる事で行動変容が叶う「ことがあります」

あなたの気持ちが傷ついてしまうだけです。場合によってはあなたが毒されてしまう可能性すらあります。

どうかこの記事を読んで関わりを持たないようになってくれることを望みます。そして無害な反出生主義者に石を投げるような事をしないよう願います。

関係のない話になりますが私は子どもが好きでしたが、親からの愛情を実感できない状態で育ったので、子どもを愛せるか心配でした。

しかし娘が生まれた瞬間にその心配は吹き飛びました。

これは本能に刻まれたものかもしれませんし、遺伝子のいいなりになっているだけかもしれません。しかし心の底からの幸福を感じました。

娘はこの先不幸になるかもしれません。反出生主義者になるかもしれません。しかし私はそれを受け入れる責任がありますし、不幸にならないように努力する意志があります。

反出生主義を否定しているわけではありません。しかし、私は命を賛美したい人間なだけで、苦痛よりも幸福に目を向けたい人間なんです。

この記事を読んでくれた人にひとつでも多くの幸せが訪れることを願っています。そして無責任な他者の言葉に染まらずに自分の頭で考えられる人であることを願います。もちろん他者は私を含めてです。

ポ・キールよりラヴを込めて

またいつか。


※追記

このnoteにあたって様々なご意見と難癖をいただいたので訂正と言い訳と解説を追記させていただきます。

①それってチャイルドフリーで反出生じゃなくない?

・チャイルドフリーは反出生主義です。ベネターが区別しているだけで、ベネターの反出生主義だけが反出生主義ではありません。

・また、ベネターが反出生とチャイルドフリーを区別したのは「動機」によってであり、「子の選択権のため」が反出生、「親の都合」がチャイルドフリーなので本文の説明もベネター反出生に該当します。


②反出生は説得以上はしないって事はなくない?

・突き詰めると「人の権利を奪わない」「人を苦しませない」が反出生のキモだと思うので、説得以上は論理破綻だと私は思います。その「説得」の言葉の範囲が人によって違うので齟齬が起きているとは思いますが。

・しかし運動を起こして、法整備や規制と言う話になると違うかなと思っているというのが言いたい事でした。この辺は言葉足らずでしたね。


③自殺ほう助してるやん。

・これは意図と違う読まれ方をしたので修正しました。論理的に考えると「苦痛を与えたくないから生まない」→「生むなと強制する、死をあざ笑う」これは破綻しているので、「人は害悪だから苦痛も死もオッケー!」→「ならば自殺が合理的ですね」という結論になる。それはおかしいので「(強い)干渉はやめようね」という話です。わざわざ最初から推奨しませんとも書いています。いわゆる「文脈でわかるやろ」という考えでしたが甘かったですね。精進します。

・さらに言うなら「こういうのは反出生じゃないよね」という文なので「反出生は自殺しろ」なんて書いてません。これは修正前からそうです。よく読んで下さい。


④ツイッター反出生も反出生だよね?エセじゃなくない?

・これはその通りですね。広義だと「子どもを生むことをよしとしない」くらいの意味合いでしかないので、ツイッターに溢れる自称反出生も反出生主義者であります。

・しかし、主流の反出生の論理に基づいていくと破綻はしていると思います。なので「論理破綻反出生主義者」または「ご都合反出生主義者」、「亜流反出生主義者」あたりの方がふさわしいかもしれません。

・早い者勝ちで「エセ」とレッテルを貼って押し込めるような卑怯なやり方だったかもしれませんね。反省します。

・この辺は以下のnoteで反論?補足?していただいています。ぜひこちらもお読みください。


⑤noteでツイ反出生を攻撃したらやってること一緒じゃない?

・いえ、これは私のnoteなので読まなきゃいいのでそれは成り立ちません。他人の考えを知りたいから読むためのツールで、リプライや引用リツイートとは性質が全く異なります。反論はnote記事ですればいいんじゃないですか?と思います。

・こんなもん正義じゃない!とも言われましたが、正義なんて言ってません。さらに、反出生を盾にした攻撃は反出生に反しない?という話なので攻撃してはいけないとすら言ってません。自由です。

平和なnoteが昨日(5/25)公開されたのでそちらも宣伝しておきます。


⑥最後の最後に

・私の思う「本当の反出生主義者」と思われる方は優しく対話を試みて下さったのですが、本文で書いたところの「エセ反出生主義者」の文章読解力の低さには改めて嫌気が指しました。ブロックしましたけど。そのため最後はネタに逃げてお茶を濁したいと思います。

ガチで反出生主義を掲げるんやったら説得みたいなチマチマしたことや、強制みたいなことしてないで、さっさと人間じゃ満足できなくなるレベルのセクサロイドを開発しろ!やるなら本気でやれ!

またいつか。

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