そのままで暮らせる社会を
東田直樹さんの本を読んでいると、自閉症の人は自分でもコントロールできない特性を持っているんだということがわかります。
記憶に時間がないのでいつのことかわからない
道を歩くことは楽しいから走る
不安な中で知っているものを探す
答えが欲しいのではなく言葉を聞きたいから何度も聞く
パターンがインプットされていないから行動できない
なぜしなければいけないのかわからない
自分がするより人がしている風景を見ていたいからただ見ている
などなど。
私の周りの自閉さんもそういう行動をする時はそういう理由なのかなと知ることができます。
自閉症の特性をなんとかしようとすることは苦しいことです。
周りから見て不可解な行動にも本人なりの理由があります。
表に出にくくても感情はあるので、自分を上手くコントロールできないことに悲しんだり苛立ったりもしています。
なんとかしようとしても、自閉症の人はずっと自閉症です。
自閉症という特性なのです。
その特性は、社会の中では不思議な行動に見えるかもしれませんが、理由を知ると、とても素直でシンプルなことも多いです。
例えば、自分がしたいからするのです。
いかに私が自然と常識や周りに合わせてしまっていることが多いことがわかります。
自分に素直に行動できることはシンプルで、羨ましくもあります。
自閉症の人を社会に近づけようとするのではなく、その人がその人のままで暮らせるような社会にしたいです。
本の中で東田さんは書いています。
《なぜ、みんなみたいなやれないのかということを考えるより、どうすればその子が毎日楽しく保育園や幼稚園に通えるのか、それを考えてほしいです》