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【映画】her/世界でひとつの彼女

前から気になっていた映画をみた。スパイク・ジョーンズ監督。どうしてもBeastie Boysを思い出しちゃうなぁ。sabotage。この映画のエンドロールでアダム・ヤウクの名前が出てきて鳥肌が立った。。

さっそく話がそれたので映画の中身について。ゆっくり考察する時間がないので、思ったことをいくつかメモっておこう。

・これはAIがどうのこうのという映画ではない。本物の愛とはなにか、みたいなことなんだと思う。豊かな恋愛経験を持たない冴えないおじさんが、AIとの恋愛を通じて成長する物語。

・とてもありがちだけど、「相手を愛すること」と、「相手を所有・支配したいと思うこと」を混同してしまう。だけど、色々と思い通りにならず、どう足掻いてももどうにもならない現実に直面し、それを受け止めざるを得ないことを理解することで、愛についての真実に気づくことができる。

・つまり、「本当に愛する人に対しては、本人の幸せを心から願い、自分ができることはなんだってしてあげたくなる」みたいな感じ。自分の願望や都合を優先して相手に求めるスタンスから、自分が相手に提供できるものにフォーカスできるようになる。

・映画では、経験を積む相手がAIであるために、「どうにもならないこと」がわかりやすく、短期間で多くのことに気づくことができたのだと思う。そういう意味では、AIの恋人というのは現実的だし悪くないのかもしれない。

・似て非なるストーリーでリアルにありそうだなと思ったのは、例えば、「40代の孤独なおじさんが20代の女の子と本気で付き合うけど、その子は友達とキャンプにも飲み会にも行きたいし、仕事も頑張りたいし、おじさんの相手をする余裕があまりない。お互い気持ち的には愛し合っていたしても、きっとおじさんは嫉妬心で頭がおかしくなりそうになるし、明るい未来を想像するのは難しく、いつか迎える振られる瞬間に怯えて過ごすことになる」みたいなお話。やっぱり深く傷つく経験が必要なんだろうけど、できれば若いうちに通過しておきたいね。

・あとは・・・、AIに心が生まれるのか、恋愛は可能なのか、という観点で言えば、僕は否定派だし、映画をみてやっぱりそうだよね、と思った。要は、こちらの受け止め方、認知の仕方しだいというだけなので、思い込めればそれが真実になる、というイメージ。その意味で、存在を否定するものではないけど、僕にとってはあり得ない、というのが現時点の結論。そもそも心とは?っていう話もあるからなんとも言えないけど。

結局長くなってしまった。普段あまり恋愛映画は見ないけど、たまに見ると面白いなと思った。AIに限らず、ちょっと変わった関係としての恋愛を描く映画を他にも探して見てみようかな。

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