くそったれ

今日は憂鬱だ。

なんだって課長含むクソ上司たちと面談の日だから。

そんな日に限って朝の目覚めは良いことが多い。

霧が濃い。

晴れない心と調和するかのような朝は僕を勇気つける。

何も考えず、揺られてることも忘れて、死んだかのように出勤する。
同期と顔を合わせることも悶々する。

ダルイ、怠い。


地下の会議室に既に上司は揃っていた。上席は楽しそうに話をするが、僕の耳には音でしかない。これからクソ上司にぶつける言葉を脳内でせっせと反復してるのだから。

タラタラと内容のない話をするのが特技のクソ上司の話は、YouTubeの15秒広告よりも気分を悪くした。


根も葉もない御託を並べられる。

勘違いも甚だしい。


僕は隣に座る上司にバレないように深呼吸をする。

唇が震え上手く深呼吸ができない。アレは怒りか呆れか、緊張か。

"自分は今までの指導の中で君を1番見ていた"と言う人物が、5月から苦手とする人間とされていたことに10月まで気が付かないものか。


君の言葉遣いや礼節に問題があるとは思わない。人を見た上で言葉を選んでおり、それがタメ口なのか敬語なのかは上手に使えていると思うし、実際にトラブルも生じていない。自分は問題視していない。

この言葉をあの場で冷静に言える仲介役の先輩に憧れ尊敬する。見てくれている人はいるものだ。嬉しいと心からそう思った。



定時に仕事が終わるのは心地いいものだ。
自分の理想に向け手足を動かし目標を達成する。

気持ちがいいものだよ。

足早へ帰路に着く。
焼き過ぎたお好み焼きが冷蔵庫の中で僕の帰りを待っている。お腹が空く。今日も生きてる。良かった。

満たされたお腹は脳を眠くさせる。

22:30

明日も仕事か。

会いたい。会いたい気持ちだけが先行する。

簡単に会えない距離がより会いたい気持ちを膨らませる。

電話から聞こえるその声はいつも踊っており、疲れた心と体を温める。

そんな2人の会話はいつも上司の愚痴だ。

たわいもない愚痴。吐口。吐愚痴。
家賃未納女、一瞬ニート、奨学金貪喰い女

よく言えばフリーランス

あぁ、魅力しかない。
彼女の行動力は僕の型真面目な性格を驚かせる。

眠たくなってきた。

そう言って電話を切るがその後そのまま寝付く事はない。理由は様々だ。


急な光が部屋を照らす。
外からは楽しげとも取れる2人の女性の声がマンションの隙間をこだまする。

キャー!!

傘を持たず、さほどの役にも立たない手のひらを頭の上に乗せて走る姿が想像できる。


雷のonomatopéeはゴロゴロかピカピカか。

僕は言葉が苦手だと思う。
扱いにくいし、多いし、詰まる。

その言葉に陰影をつける作業が会話であれば嬉しいな。


言葉を使う種類であるならば、僕の口から出る言葉はせめて、素敵、であって欲しい。

詩集を読もう。

ブンさんの日記には素敵な言葉が載っていた。

「雲が走っているね。と話しかけてきた君のはなんとも嘘くさかった。最初は新手のナンパかと思った。"雲が早く流れる"を"雲が走る"と言った君は、金星のことを灯台と呼び、流れ星のことを嘘泣きと呼んでいた。」


文に惚れる 

言葉に惚れる


魅力。

打つ手が痛い。寝よう。

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