カビたダンボール

男が髪を結んでんのは社会的マイナスイメージやから気をつけや

唐突な差別が降り注ぐ。
それは耐えることしかできない状況で、まるで洗車中の車内のように鞭打つ音が鼓動するようで。痛い。

どういう気持ちで電車に乗るん
良くソレで人前出れるよな

抗うことも無駄に思えた。
反響するのはその声だけでなく、微笑みかける顔までがセットで付いてくる。足が止まる。


女か男かわからん奴来たぞー

そのどちらかである必要があるのだろうか。
嘲笑しながら言う必要があるのだろうか。



折れたコピー用紙はもう元に戻ることはなく、折れた線だけが残っていく。その線が重なり合い凹凸がつくことでカタチをツクると思う。環境が性格のカタチをツクるというのは言い過ぎたことだろうか。


上の奴らは直ぐに責任転換して逃げる。

「あくまで俺の意見ではない。」

悪魔だろ。しばくぞ。


今日は月に一回の資源ごみの日。

ごみ捨て場には既に、前夜から雨に打たれて水玉模様を色付けた背丈違いのダンボール達が横たわっていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?