【イベレポ】いち輪の詩プロジェクト/花に想いを寄せてことばを紡ぐ
いち輪の花に、詩をよせて
こんにちは。詩のソムリエです。
さいきん、お花を誰かに贈りましたか?お花をいただいたり贈ったりすると、ほわりと優しい空気ごとやりとりしているような感覚になります。
バレンタインデー前の1月末に、花と詩を通じて「あたたかい気持ち」をまん延させるアート・プロジェクトに講師として参加させていただきました!
その様子をレポートします。
アートプロジェクトのはじまりは「うっかり」
アート・プロジェクトのはじまりは、美と音に彩られたささやかな日常を手伸しむコミュニティー「美音彩」代表のミロさんこと青柳美どりさんの「うっかり」でした。
それは、手袋をはめようとして、持っていた花束を誰かの自転車のカゴに置いてきちゃったというもの。「忘れてきちゃった!」となったミロさんに、子どもたちの反応はというと…
顔も知らない、自転車の持ち主さんに想いをはせてにっこりしたそう。
このエピソードを知った周りの人たちからも「もし、私の自転車に花束があったらすごい幸せな気持ちになる!」「そういうあったかい気持ちとか幸せをまん延させられたらいいよね」という反応でした。(詳細はこちら)
あたたかい気持ちをわけあうワークショップ
そんな素敵な「うっかり」から生まれた、「一輪の花に寄せて、誰かに詩を書いて贈る」というプロジェクト。1月31日に、詩をつくるワークショップをオンラインとオフラインのハイブリッド形式で行いました。
想いを伝えることがテーマの詩を何篇か味わったあと、「誰に詩を書きたいか」シェア。
「お母さん」「親友」など身近な人のほかにも、「喫茶店のマスター」「朝、掃除をしてくれている人」「ショップ店員さん」など、ともすれば名前も知らない人たちの姿も浮かび上がりました。
エピソードに耳をすませると、わたしたちは日頃、たくさんの想いを心に抱きながらも、それを改めて言葉にすることがいかに少ないか…と驚きます。
それは裏返せば、こんなに美しい、やさしい感情をみんな心のうちに秘めながら生活しているということでもあります。この地球に、言葉にならなかった感謝の気持ちがあふれている。話を聴いていると、潤いのある感情がどんどん共有され、オンラインでもあたたかい気持ちがじんわ〜りまん延していくのを感じました。
参加した子ども〜大人のみなさんからは、「詩をつむぐ」という時間の豊かさや楽しさについてのご感想を多くいただきました。
いざ、花を渡しに
ワークショップで終わりではありません。想いを、詩にして花と送り届けるところまでがアート・プロジェクト!わたし自身も、認知症の祖母に詩を書いて、花を渡しに行きました。
久々に行くホーム。私を警戒しうつむいていた祖母でしたが、やっぱり花をもらうと乙女心が蘇るのか(?)、だんだん変化。ずっと花をながめ、うれしそうに微笑んでくれました。コロナ禍のためすこし離れての短い面会でしたが、それが伝わりました。
詩がおばあちゃんについて書いたものだと受け取ってくれたかはわかりませんが、花と詩を渡すことで愛を伝えられたのが素直にうれしかったです。そして、「私をわかってくれなかった」「警戒された」といった悲しさ寂しさは一切感じなかったのです。この小さなプレゼントは、まだ寒い冬、渡す人の心にもぽっと小さな灯りを照らしてくれたアート・プロジェクトでした。
みなさんの詩を贈り届ける様子は、こちらのオンラインギャラリーから見られます。じんわり、あたたかい気持ちになりますよ。ぜひ覗いてみてください!
▼近所のおじいちゃんへ
▼母になった親友へ
▼大すきなママへ
最後に
素敵なアート・プロジェクトに参画でき、幸せでした。この場を借りて主催者の美音彩のみなさま、協賛・参加してくださったみなさまにお礼を申し上げます。ありがとうございました。
花は、下記の店舗からのご提供でした。
この記事を読んでくださったみなさまも、(渡すかどうかはさておき…)誰かを思い浮かべて、言葉にしてみてはいかがでしょうか?
そのお気持ちだけでもほんとうに飛び上がりたいほどうれしいです!サポートいただけましたら、食材費や詩を旅するプロジェクトに使わせていただきたいと思います。どんな詩を読みたいかお知らせいただければ詩をセレクトします☺️