【詩】スイスアルプス
アルプスの風はミルク
頬に残る母の匂い
アルプスの土はビール
父の膝の上のいたずらな苦み
アルプスの空は虫取り網
雲を追いかけて膝すりむいた赤い血
アルプスの命は滴
子宮の中の卵子と精子
アルプスからアルプスへ
摂理は当たり前につらなり
不連続の連続に
今
連立方程式
DNA
円周率
コスモ
鏡の中の瞳
鏡の中の瞳の中の瞳
鏡の中の瞳の中の瞳の中の瞳
メビウスの輪
無知の知
無知の知の知
無知の知の知の知
不思議絵の階段
意味のないものに意味を見出す事が哲学であるならば
意味のあるものの意味を壊す事が詩なのかもしれない
アルプスにぽつりと立つ君に
君に難解な哲学を
君に意味なき詩を
許されぬ愛もまた愛
アルプスの広大さに倫理など
無意味
動き出した愛が止まらぬも
また摂理
不連続の連続
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