見出し画像

【進撃の巨人から見る心】41.生きる苦悩と死の解放 ~55巻~

アニメタイトル:第55話 百夜

あらすじ

ウオールマリア奪還計画の終焉です。

獣の巨人はエルヴィンをはじめとする調査兵団の特攻の末にリヴァイが仕留めました。
鎧の巨人はジャン、コニー、サシャ、そしてハンジのおとり攻撃の末にミカサが仕留めました。
超大型巨人はアルミンがその熱風に耐えている隙に、エレンが仕留めました。

全て、多くの犠牲の上に得た勝利です。
しかし獣の巨人のジークと鎧の巨人のライナーは知性を持つ巨人(車力の巨人)によって瀕死の状態を救われました。
調査兵団からみたらせっかく捕えた獲物を最後の最後で取り逃がしてしまいました。

生き残ったのは
リヴァイ、ハンジ、エレン、ミカサ、ジャン、コニー、サシャ、フロックの僅か8人です。
その足元には超大型巨人のベルトルトは両手両足を切断し、完全に捕獲しています。
そこに獣の巨人の投石によって脇腹をえぐられて瀕死のエルヴィンと
超大型巨人の熱風に耐え続けて黒焦げ瀕死状態のアルミンとが虫の息で横たわっています。

リヴァイは人を巨人にする注射を託されています。
誰かにその注射をすれば、その者は巨人化する能力を得ることができ、また、知性を持つ巨人を食えばその知性を継承できるのです。
つまり、瀕死の状態のエルヴィンかアルミンのどちらかに注射をすれば、その命は助かり巨人化する能力を持ち、ベルトルトを食えば、エレンと共に人類を守る巨人となれるのです。

エルヴィンとアルミン。その選択権を委ねられているリヴァイは迷います。
当然、エレンやミカサは幼馴染のアルミンを生き返らせたいのです。
しかし、ハンジをはじめとする者は、調査兵団の絶対的カリスマリーダーであるエルヴィンを生き返らせる事が当然だと主張します。

「俺は人類を救える方を生かす」
リヴァイは迷います。

リヴァイにとってはエルヴィンとは兵長と団長という役職を超えた命がけの戦闘を繰り返した友情があるでしょう。
そしてその能力からいってもエルヴィンを生き返らせる事が当然です。

しかし。。。。
リヴァイはアルミンを選んだったのです。



あれこれ考えてみよう。

リヴァイ
「こいつを、許してやってくれないか?こいつは悪魔になるしかなかった。それを望んだのは俺達だ。その上一度は地獄から解放されたこいつを再び地獄に呼び戻そうとした。お前と同じだ。だがもう休ませてやらねぇと。」

リヴァイは「アルミンの生」を選んだのではなく。「リヴァイの死」を選んだような気がします。
リヴァイが救いたかったのは「アルミンを生き返らせる」事より。「リヴァイを死なせてやる」事だった気がします。
生きるとは死ぬ事よりも過酷で、まして死を覚悟で死に向かった者を、再び生き返らせるという事は死以上に残酷な事なのかもしれません。
まして誰かの生死を自分の判断で決めるなど。。。
生きる苦悩と死の解放が交差します。
リヴァイの心の迷いが痛々しいです。

とにもかくにもリヴァイはアルミンを選び、アルミンは巨人となってベルトルトを捕食して超大型の巨人の力を手に入れました。
そしてリヴァイは静かに息を引き取りました。

進撃の巨人の凄さは、その伏線と回収の連続です。
巨人とはなんだ?
何故エレンが巨人になったんだ?
身体を損傷しても巨人の力を持つ者は再生し。
その巨人を食べた者はその巨人の能力を継承する。
注射で巨人化の力を持つとは、巨人の脊髄液をその身体に取り入れれば巨人となる。
人類が戦い続け、殺し殺され続けた巨人も、元々は人間である。
そんな秘密が、ポロリポロリと紐解かれていきます。

ここで、アルミンが黒焦げの瀕死となり、その瀕死状態のアルミンに打った注射はロッドレイスからケニーが盗んだもので。
それをケニーが死の直前にリヴァイが受け取った物で。
アルミンは巨人となり、その巨人の本能でベルトルトを食べる。
その一連の流れに寄って、その伏線が回収される。
こういう謎ときがこの進撃の巨人の醍醐味です。

そしてエレンとジークの初対面がありました。

ジーク
「お前が…エレン・イェーガー?全然親父と似てないな。」
「信じてほしい、俺はお前の理解者だ。」
「俺達はあの父親の被害者。お前は、父親に洗脳されている」
「エレン、いつかお前を救い出してやるからな」

ジークはそんな謎の言葉をエレンに残して去って行きました。
この言葉もまた、意味深な伏線のようです。

さて。ついに人類は巨人たちを退けました。
目的通りに、ウオールマリア奪還に成功しました!!!
生き残った兵団は
リヴァイ、ハンジ、エレン、ミカサ、アルミン、ジャン、コニー、サシャ、フロックの9人です。

そしていよいよエレンの父、グリシャ・イェーガー の残した秘密がある、地下室へ向かうのでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?