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【進撃の巨人という哲学書】31 運命なんて自分で決めてやる ~43話、44話~

アニメタイトル:第43話 罪
アニメタイトル:第44話 願い

あらすじ

ハンジがクリスタの父であるロット・レイスについて調べました。
ロット・レイスは領主としての評判は悪くはなく、5人の子供を持ち領民から好かれていました。
5年前のローズマリアが破壊された夜、一家は礼拝堂で祈りを捧げていました。
そこに盗賊が襲撃して、礼拝堂がや焼け落ちてしまいました。
ロット・レイスを除く一族全員が盗賊によって惨殺されました。
それはヒストリアの母親が中央憲兵に殺される数日前の出来事です。

なぜ石造りの礼拝堂が全焼したのか。その後、直ぐにロッドレイスは礼拝堂を建て直しています。
ハンジは言います。「最早ここに巨人の存在が無かったと言う方が不思議なくらいだ」
エレンとヒストリアは礼拝堂にいる。
そう確信した調査兵団一行は礼拝堂へ急ぎます。

巨人に成れる人間を巨人が食べることによってその能力は継承される。
もしそれが本当だとしたらエレンはいつどうやて巨人になり、誰を食べて能力を得たのでしょうか?
エレンは見知らぬ場所で鎖に繋がれています。

「レイス家の秘密」「エレンの父の秘密」「巨人の秘密」「アッカーマン家の秘密」様々な秘密が少しづつ暴かれます。
どうやら、レイス家には無敵の巨人の力が継承されているらしいのです。
その能力とは人類の記憶の改ざんができるようです。
当時、無敵の巨人はヒストリアの姉、フリーダ・レイスが所有していたらしいのです。
その力をエレンの父グリシャが奪い、今、その無敵の巨人の力はエレンに継承されているらしいのです。
しかしその無敵の巨人の力はレイス家の者でなければ発揮する事が出来ないらしいのです。
だから、ロッドレイスは娘であるクリスタを巨人にしてエレンを食わせる事で、無敵の巨人の力をレイス家に取り戻そうとしているらしいのです。
このように「~らしいです」という謎解きが少しづつ進みます。

「早く巨人になってエレンを食え」と
「この世界をつくり、この世の断りを司る全知全能にして唯一の存在。神になれ」と
ヒストリアに父ロッドレイスは注射器を渡します。
ヒストリアもその運命に答えようと、それが人類の為だと、注射をし巨人となり、エレンを食う覚悟を持ちます。
エレンも、ヒストリアに加える覚悟を決めます。

しかし、ヒストリアはユミルの言葉を思いだします。
そして、注射器を叩き割り、父ロッドレイスを投げつけます。
ヒストリアは自分の運命を完全拒絶しました。

ヒストリアに巨人になる事を拒否された今。父ロッドレイスは自ら注射液を舐め、巨人化しました。


あれこれ考えてみよう。

ヒストリアはユミルの言葉を思い出します。

ユミル
「お前、いい事しようとしてるだろ」
「おまえの生き方に口出しをする権利は私にはない。だからこれはタダの私の願望なんだがな。お前。胸張って生きろよ。」

ヒストリア
何が神だ!! 都合のいい逃げ道作って都合よく人を扇動して!! もう!これ以上・・・ 私を殺してたまるか!!

これがヒストリアの答えです。

「親ガチャ」という言葉をあちらこちらで耳にするようになってどれくらいたつでしょう。
大嫌いな言葉です。

確かに犯罪じみた親の支配の為に人生を犠牲にしている人はいるのでしょう。
しかし、自分の人生のダメさか加減を「親ガチャ」という言葉で言い訳して誤魔化している奴が大嫌いです。
おそらく、本当に犯罪じみた親の支配によって人生を犠牲にしている人は「親ガチャ」などという言葉すら口にできない程の恐怖の中で生きている事でしょう。
一方、軽々しく「親ガチャ」などと口にできている時点でその程度だという証明でしょう。それは単なる言い訳です。

こんな事を言えるのは私が優しい両親の元に生まれたからかもしれません。
確かにそうかもしれません。
しかし、私はとても家族に対してドライで。私の人生は私のものと割り切っています。
だから、親の人生も親のもの。子供の人生も子供のもの。
仲良くはいたいけど、べたべたはしません。
だから「親ガチャ」などと甘ったれた言い訳で自己責任から逃れる奴が大嫌いです。

心理学では男には「父殺し」という言葉あります。
母を求めるが故に、母の愛する父を殺すと言う事です。
つまりは父を乗越える事が成長だ。という事です。
そこには親と子の「ライバル心」があって、それを乗り越えて男は大人になる気がします。

では母と娘はどうでしょう。
母と娘には「共依存」という言葉が浮かびます。
嘘っぱちの思いやりで依存しあう関係です。母も娘も独立できない関係です。
「共依存」から脱して初めて大人になる気がします。

「ライバル心」でも「共依存」でも、それらを乗り越えない限りは大人になれない気がしています。
「親ガチャ」などと言う人は「ライバル心」から逃げているか、「共依存」に甘えているのです。
自分の人生くらい、誰かのせいにして言い訳してるんじゃなくて、自分で決めろよ!って思うのです。

ヒストリアは自分の道を自分で決めると決めました。
つまり、ユミルが言ったとおりに「胸張って生きる」と決めたのです。
自分で決めて初めて胸を張れるんです。
例え、その選択が正解でも間違えでもいい。自分で決めたなら堂々と胸を張って良いんです。

ここまでは私目線で、一般的小市民の親子関係を語ってきました。
しかしヒストリアは特殊な運命を持っています。
例えば、歴史ある家の子供だった場合。
分かりやすく言えば、皇室や歌舞伎や神社やお寺や大会社の家系に生れたとしたら。
どんなに葛藤があるのか、一般的小市民の私には想像もつきません。
それは、これからのヒストリアの今後の人生を観るにあたって、この「進撃の巨人という哲学書」が何かを教えてくれる気がしてます。

♪70年なら一瞬の夢さ やりたくねえ事やってる暇はねえ♪
♪冗談みたいな世の中だからさ やりたいようにやらせてもらうぜ♪
♪運命なんて自分で決めたやらあ ブルースを蹴飛ばせ♪
BY THE BLUE HEARTS

運命くらい自分で決めましょう。
でなければ、自分の運命にあまりにも失礼です。


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