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ミヒャエル・エンデの『モモ』- 「時間」を取り戻しに行く

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ミヒャエル・エンデの児童文学とも言われる代表作『モモ』を紹介する連載です。あらすじと印象的な台詞、文章。「時間とは、生きるということ、そのものなのです。そして人のいのちは心を住み…
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#時間の花

ミヒャエル・エンデ『モモ』(9)時間のみなもとへ

ミヒャエル・エンデ『モモ』(9)時間のみなもとへ

マイスター・ホラの腕に抱かれて、モモは「時間のみなもと」に着きました。

金色のうすあかりが、モモをつつんでいました。

純金の丸天井から、光の柱がまっすぐに下りていました。そこにはくろぐろとした丸い池がありました。

大きな振り子が、ぶらさがってもいないようでしたが、池のおもてをゆっくりと揺れています。

この星の振子(ふりこ)はいまゆっくりと池のへりに近づいてきました。するとそこのくらい水面か

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