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簡単そうに見えたのに上手くできなかった

子供の頃から絵を描くのが苦手だった。美術の授業で、上手に描けるクラスメートの絵と私が描いた絵を比べて、同じ対象物なのにどうしてこんなに違うのだろう?とよく思った。先生が「陰影をつけるんだ」というけど、影を描いてみたところで私の絵は立体的にはならなかった。

絵を描くことに興味もなかったし、うまくなろうとも思わなかったので、美術の成績はいつもひどいものだった。学校の美術の授業は義務としてやっていたので、卒業してからは絵を描くことは一切なかった。

絵は描かなくても鑑賞するのは好きで、よく美術館には行く。庭園で絵を描いている人を見てみると、いとも簡単そうに筆を滑らせて、絵が仕上がっていく。
「絵は描けないって思いこんでいたけど、やってみないとわからないな。上手く描こうなどと考えず、気負わず楽しくすらすらっと描けばいいんじゃないかな」そんな風に思った。

最近、変化を習慣化するために日頃やらないことやってみるというのがマイブーム。絵を描くなんて久しくやったことがないけど、筆ペンでお地蔵様を描くという本を見ながら描いてみた。
お地蔵様、観音様、閻魔大王、だるま、大仏、狛犬・・・さらさらっと滑るのような筆さばきで描いていった。おかしい、なにかが違う、というか全然違う。
筆で字を書くのは得意なのに、絵はうまくいかないってことがわかった。お手本と出来上がった絵を見比べて、笑いがでた。
描いている最中より出来上がりを見て楽しんだ。

人のやったことをとやかくいうのはたやすい。自分が実際にやってみるといかにたいへんかわかることもある。

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