スズメが届けてくれたメッセージ

駅へ向かおうと自転車を走らせていたら、目の前を猛スピードでスズメが横切った。「急に飛び出したらあぶないって。ひいちゃうところだったよ」
道を渡り切ったスズメは自分に言われたのか確認するかのように後ろを振り向いた。

神社の境内を歩いていると、突然何か茶色いものが足すれすれのところを横切った。スズメだ。「急に飛び出したらあぶないって。蹴っちゃうところだったよ」　スズメは耳を傾けているかのようにその場から動かなかった。

参道を歩いていると前方にスズメがこちらを向いて止まっている。近寄っているのに逃げないなんて勇気があるなあと思いながら見ていると、私を見ながら糞をして飛んで行った。

夕方帰宅し、部屋でつくろいでいると外でスズメがずっと鳴いている。一定のリズムでずっとチュンチュンチュンチュン。やけに声が大きい。どこにいるのかと思い窓の外を見ると、ベランダの手すりの上にちょこんとすわっている。窓越しとはいえ人間に見つめられているのにまだ鳴いている。そのうちチュンチュンが”ねえねえ”と誘っているかのように聞こえてきた。私が誘いに応じないのであきらめたのか、スズメは飛んで行った。手すりに糞を残して。

１日のうちでやけにスズメと出会ったことが気になって調べてみた。鳥はメッセンジャーで、スズメは幸福を運んでくる縁起のよい鳥。ベランダに来るのは近いうちに幸運が舞い込むというメッセージ。スズメの糞はラッキーアイテムで、問題が解決し幸運が近づいているというメッセージ。

鳥の糞には「予想外の進展」という意味があるらしい。神社でひいたおみくじにも、”驚くことあれどあわてねば願い事叶う”と書いてあった。

近いうちに私を驚かせるような幸運がきっと舞いこむと疑わず、毎日胸をときめかせながら待つことにしよう。