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ショートショート

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あなたのすきま時間に。
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#ショートショート

ショートストーリー「魔」の世界にようこそ

午後2~3時は「魔」の時間帯だ。 「魔」というのは睡魔のこと。 ランチ食べてお茶飲んで同僚…

ショートストーリー 子供の頃にできたのに大人になるとできないのはなぜか

子供の頃、できたこと。だけど大人になったらできなくなってしまったことってたくさんある。た…

ショートストーリー:いつまでたっても子供

海岸はひっそりしていた。連休明けの平日、肌寒い、どんよりとした空、雨が降りそう、そんな条…

(ショートストーリー)お化け屋敷から逃げ出した女

お化け屋敷に初めて行ったのは子供の頃だっただろう。いつだったかは覚えていないが、二度と行…

ショートショート お金持ちの悩み

私の悩みを聞いてもらえますか。ちっぽけな悩みだと思われるかもしれませんが、私にとってはど…

ショートショート 楽園の入り口と仙人のお役目

とあるいなか、というかひょっとすると地図にも地名がのっていないのではないかというくらいど…

ショートショート なにがあってもこれからもずっと一緒だよ

私の彼はデザイナー。飾り棚に置いてみたくなる小物や、バッグにつけたくなるキーホルダーとか、彼のデザインするものはかわいくてメルヘンチック。女子ウけすること請け合いだと思う。自分の手でひとつひとつ心を込めて作ったものでいつか自分の店を持つのが彼の夢。 彼は作品が完成すると真っ先に私に見せ作品第一号を私にプレゼントしてくれた。その時の彼はそれはもううれしそうに目を輝かせて、なにからヒントをうけてどんなイメージでデザインしたかを熱く語ってくれる。私はいつだってうれしくなって彼の話

ショートショート 不愉快の連鎖を止めたひと言

スーパーでも病院でも、空いているであろう時間めがけて行くのに、着いたとたん続々と人が集ま…

ショートショート 10年後に知った真実

おばあちゃんのおうちに行くのは子供の時の楽しみだった。お正月やお盆、おばあちゃんの誕生日…

ショートショート 人の役に立つ仕事がしたい

そもそも今の仕事は望んでやりはじめたことではなかった。前に勤めていた会社が倒産して、明日…

3年ごとにやってくる「良かれと思って」

高校2年の時、制服がなくなったことがある。 私の学校は、校舎と運動場が徒歩5分くらいの離…

ショートショート 正解はどこにあるの?

仕事を辞めるか続けるか。 この数週間ずっと考えない日はなかった。たいして学びもないし、人…

ショートショート 神に誓ったことだから

「神に誓う。僕は一生、君よりも先に逝ったりしない。そして、一生、君を悲しませることはしな…

傷あとからにじみ出る色

私の心臓の近くには手術の時の傷あとがある。それは切開して皮膚を縫合したあとに残った赤い傷。昔だったらもっと大きな傷になっていたのだろうけど、医術の進歩のおかげで数センチの傷ですんだ。とはいえ傷あとであることには変わりない。 「日がたつにつれて徐々に傷あとは薄れていきますよ」そんなドクターの言葉とは裏腹に、私の傷あとは「忘れないで」といわんばかりに存在を主張する。見ると気になるけど、なるべく気にしないでいよう、時間がかかってもそのうち薄れていくだろうと思っていた。 ところが