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受け取りベタな僕はようやく受け取った。


自分には受け取れないよ。
貰えないよ。

そんな資格がないのだから。
貰っても返すことなんてできっこないのだから。


そうやって受け取りそびれたモノがどれだけあっただろう。
受け取って欲しかった人がどれだけいてくれただろう。


受け取れないの心理の裏側には
「自分は苦しまなければいけない」
「辛い思いをしなければいけない」
「一人で頑張らなければいけない」

があって
それらを揃えてやっと一息

「これだけ大変ならここにいていいでしょ」


目を伏せて
あえて手をボロボロにして
自分から受け取らない理由を作っていた。


でも、それは限界がきて

自分だけじゃ、もう無理だ。


そう思えた時

そっと手が前に出て
今までが嘘みたいに受け取れる。

恥とか情けないって感情が押し寄せながらも
「気付いてくれて、ありがとう」
感謝の気持ちが込み上げる。



その瞬間、少しだけ自分が大きくなれた気がした。

そうか、受け取れるってことは器があることなんだ。
器が大きいって、きっと受け取れる人の事を言うんだ。



受け取るって事が苦手だった。
きっと返せないから。
期待に応える事なんてできないから。

返せなかった時、がっかりされるのが
こわかったから。


でも、返せなくていいじゃないか。
それくらいで、いいのかもしれない。


無理して受け取らないよりも
貰いすぎて、もう持てないよと。


そう言える方が、なんだかいいなって。
それで笑って貰えたらいいなって。

気がしています。

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