あとまわしにしているものはなんですか?
以前、ジャーナリストをしている人と話す機会があった。旅をしながら、大好きな写真を撮って文章をしたためる。ついに自分のやりたい仕事の形が手に入ったと、とても自分の仕事を楽しんでいるようだった。
よくよく話を聞いていると、どうやら実は自分の"会社"を一応持っているらしい。すこし昔に、友だちとほんの遊びで作ったゲームアプリが気づいたらそのジャンルではダウンロード1位になったそうで、そこそこのお金も入ってきて、一度は本格的にやってみることも考えたとか。
でもその後、友だちも彼も本業が忙しくなり、アプリの方は放置気味になってしまったということだった。
でも、彼は密かにそのアプリ(と会社)を育てたい。こころのどこかでそんな気持ちをもっているとぼそっと言った。
私「だったらそれ絶対やった方がいいよ!」
彼「やりたいんだよ、でも…」
出た!「でも…」。この2文字が出てきたら要注意だ。たいていの場合、このあとにはいくつもの言い訳が並ぶ。彼の言い訳はこうだ。
「今は本業が忙しいから…」
本当かな。
確かに今の彼の働き方を聞いているとなかなかに忙しい。でもやらない本当の理由は、超超超本命だから。たぶん。
彼は、アプリを作り始めるきっかけとなった若いころの話をし始めた。もともとゲームが大好きで、好きなあまり衝動にかられて「ダンレボ」のような大きなゲームマシンを買ったことすらあったという。目を輝かせながらイキイキと語る彼の目には、希望があふれていた。
人がいちばん好きなことを話しているその瞬間をわたしは逃さない。
「どうしてやらないの? 一番好きなことなのに」
ちょっとここで、少しわたしの話を挟ませてもらう。
今わたしの人生はそこそこ調子がいい。まだまだ手探りではあるものの、仕事もいい感じだし、プライベートも充実していてとにかく日々しあわせなのだ。
ただ、あと1つ欠けているものがある。それは、大好きなダンスをすること。そんな話を人としていたときに、こう言われた。
「なんでやらないの?一番好きなことなのに」
そのときは、「ん〜やっぱりレッスン探すのも大変だし、行き帰りだけでも時間取られるし、時間がないから…(もにょもにょもにょ)」とやり過ごしたのだが、その質問はわたしのこころにしこりを残した。
普段あまり自分から色んなことを話すタイプではないわたしにとって、小さいころからダンスは"自分を100%表現できる"唯一の瞬間だった。とにかく一番大好きなこと。
(明日死ぬってなったときに唯一後悔するとしたら、ダンスしてなかったことだな)とまで思っている、そのダンスをしない理由はなんだろうと思った。
一番好きなことは「完璧にやりたい」
ここで、さっきの彼の話に戻る。人が、本当にやりたいことを無意識のうちに避けてしまう理由。
それは、一番好きなものに対しては、期待値や完成度を突然エベレストのように上げてしまうからではないかな。
好きだからこそ、やるからにはすごくいい気持ちでやりたいし、それなりの評価を求める。だから、きちんと時間が取れて余裕があるときにやりたい。
完璧に。
あとまわしにしていることはなんですか?
自分の胸に聞いてみてほしい。
「でも…」その言葉が出てきたとき、それこそがあなたがこころから本当にやりたいことかもしれない。
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