グルーヴと、遊びごころ
わたしの青春、ポルノグラフィティ岡野昭仁さんと、King Gnu 井口くんのコラボを見るために、ひさしぶりにテレビに張り付いて音楽番組を見ていた。
その日は、番組にたくさんジャニーズが出演していて、いろいろいるもんだ、と流して見ていた。
が、キンプリ『ichiban』のパフォーマンスがはじまった瞬間、目ん玉が飛び出た。
ジャニーズが、踊れるって、だれが言った?!
いちばん驚いたのは、平野紫耀。顔がバツグンにいい天然ボケの子、くらいの認識だったのに、踊らせたら、ふつうにダンサーだった。いや、それ以上だった。そこにあったのは、踊らされてるアイドルの姿ではなかった。
100%自分の感覚で、自分のからだをはみ出るほどに全身を大きく使って、音のなかで遊んでいた。最高に自由。グルーヴがきもちいい。
そして、岸くん。うそがつけなさそうなおもしろい子、かと思ったら、ダンスめちゃくちゃ踊るじゃん! 振りつけに自分の味を乗せる自由さ。それをナチュラルにさらりとこなせるのは、彼の天性の素直さからくるのだろう。
わたしも、かつて学生時代ヒップホップに情熱を注いでいたので、ダンスのことは、ちょっぴりわかる。
カウントをなぞるのは、ただの体操。カウントとカウントの間を埋め、音の波に乗るのがグルーヴだとわたしは、思う。
グルーヴも、当然個性が出るし、グルーヴがあるひとのダンスは見ていてきもちいい。
だけど、ふたりのダンスには、グルーヴだけじゃなくて、決められた枠をさくっとはみ出ちゃう軽やかな大胆さと自由さがあった。
制限なんてない、素直な性格がきっとすごく出ているんだと感じた。
そうだ、これだ。ここに、ひとの目を惹きつけるおもしろさが出るのだ。
振り付けをきれいにこなし、かつグルーヴがあっても、あと一歩突き抜けない。
わたしのダンスがずっとそうだった。
「振り付けは、きれいな動線できちんと踊れるけど、わたしの表現力には限界がある」。
コンプレックスだった。中学生のとき10年続けたバレエを辞めた理由もそれだった。振り付けを自分色にする遊びごころと勇気は、わたしには、なかった。(バレエはそこまで表現で遊ばせる余地はないけれど。笑)
生きることは、ダンスと同じだ。
正しく生きるより、グルーヴと遊びごころがあるほうがいい。それが、自分らしく生きること。
グルーヴは、あなたにしかない持って生まれたもの。遊びごころは、枠からはみ出る自分色。地球で、自分なりの乗りかたを見つけて、ダンスを楽しめばいいんじゃない。
やっぱり地球には、ダンスをしにきたんだよ。
踊れないとばかり思っていたジャニーズのダンスから、まさか気づきをもらうとは。あまりにのびのび踊る姿にこころ揺さぶられて、うっかり涙が出そうになったんだから。
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