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『素手でけんかする』 てくてく通信+🎈 #15

こんにちは、英会話Oneのただともこです。読む瞑想マガジンへようこそ。
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あなたの毎日の底に静かで気持ちのいい音楽が流れますように。


素手でけんかする

仙台は新緑がとても速いスピードでぐんぐん伸びています。夏が近づいてきていますね。皆さんいかがお過ごしですか?

さて、私は子供の時、集合団地で育ちました。そこは宿舎だったので、親が同じような職場の子供たちでいっぱいでした。学校が終わると、家には戻らず、倉庫にランドセルを投げ込んで、広場に行きます。誰かが来るから、それを待ちます。集団は3人の時もあるし、20人の時もあります。男の子グループと女の子グループがありました。冬以外、別々に遊びました。ブランコと鉄棒と砂場があるだけの広場は、いつもワンダーランドでした。私たちは遊びを開発し、ルールを作り、チームを作って、遊びました。みそっかすがいて、ガキ大将がいる世界でした。ボール1個があったら、世界は40倍に広がりました。

その中で、時々けんかが起きます。ひとつは、そもそもこの集団の仲間に入れない人がいます。ルールが理解できなかったり、自分だけ勝とうとしたり、楽しく遊ぶことのできない人というのがいます。そういう人は、一回は入れてあげるけど、楽しく遊べないから、一緒に遊ばないよという決まりになります。その人にしてみたら「どうして僕だけ入れてくれないの!」になるのですが、そもそもの根本的な目的が理解できてないから、しょうがないのです。

もうひとつは、一緒に遊んでいるうちにはみ出してしまった怒りや憤りが形になるとき。よく起きるのは兄弟の間です。でもそれだけでなく、グループの中でも特に親しくしている間では、時々、境界がわからなくなって、相手にとって不利益になることをしてしまうことがあります。そうすると、相手は怒ります。そういう時は、取っ組み合いのけんかになります。みんながじっと見守る中で、行われるのは、素手でするけんかです。最初から力の強いものと弱いものが分かれている中でするけんかには、ルールがあります。武器を使わないこと。対等ではなくなるからです。そして、相手も自分もそのグループに戻れるようにけんかをすることです。

素手でけんかするとき、人は、相手の体のつくりをよく理解します。ここまでやったら、骨が折れるとか、ここを叩くと致命的とか、この瞬間にこの部分に打撃を与えるとちょうどいいとか。けんかに勝つことはもちろん大事なのですが、より大事なことは、けんかをして、元通りに戻れることなのです。だから、骨を折ったり、脅したり、武器を使ったりはしません。ただ、「おめー、それ卑怯だろ!」とか、「それはやめれよ」とかいうメッセージを強く発したいときにするのがけんかです。それは、日常的な小さな怒りで、人が人であるとき、誰もが親しくしたら持つ、距離の中で起きる小競り合いです。

Oneにいらっしゃる方は、努力家の方が多いです。そして、ここに来るまでに一山超えてこられる方が多いです。だから、理不尽に怒る人はいないし、傾向としては、怒らないでいられるなら、怒らないほうがいいかなと思われる方が多いです。私もそうでした。でも、「あ、それは嫌だ。」ということは、むしろ、近い関係になったときによくあらわれる出来事なのです。それを無視しないで、「それは嫌だからこうしてほしい」と伝えることは自分にとっても、その関係にとっても、相手にとっても大事なことなのです。その「嫌だ!」「あ、嫌だったんだね!」が、小さな噴火の中で行われることはたまにあることです。素手で喧嘩するほどではなくても、相手が大事だからこそ、「ふん!」と思って怒ることがあるだろうと思うのです。その小さな噴火は、「嫌だけど我慢する」よりも、ずっと健康的なことで、ずっと建設的なことなのだということを、私は最近深く実感するようになりました。怒りはそういう風に大事だし、上手にけんかをするということは、とっても高度なテクニックだけど、必要なことなのだと思います。

私たちは、我慢するのが美徳と無意識に思っています。でも、我慢しても誰もいい思いしないんだよ!ということを特にこの教室をやるようになってから、とても思うようになりました。世の中の大半の怒りは美しくなく、建設的ではない、不毛なものですが、こういう素手でけんかするという意味合いでの怒りは、大きな噴火を起こさないために、とっても大事です。皆さんも、ちょっとこのことを頭において過ごしてみてください。

(初出:2018.5.5)



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