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高橋さんから100万円!?

帰宅した夫が「今日、手帳買ってきた」と言いながら、カバンからゴソゴソと取り出した。

今年と全く同じで、別に驚かないけど?と思っていると、小さな紙切れをくれた。

【 100万円の名言 大募集 】

手帳の高橋が毎年行う「手帳大賞」だ。

「育さん大量にストックあるだろうから、応募したら?」と。

まるで人の頭の中でも見たように言うけど、そんなもんあるわけないやん。

「でも手帳にいつも書いてるでしょ?」

確かに書いてるけど、その内容といったら、

お昼の蕎麦屋さんで、天ぷらが隣のオジサンのトレイに載って慌てた。
とか、
蕎麦屋さんで角煮丼に天ぷらを間違って頼んでしまって、お腹が苦しかった。
とか、
蕎麦屋さんの割引券の期限が昨日までと言われて、もう11月だと気づいた。
とか。

そんなどうでもいいことしか書いてない。

もしかして何かあるかも…と、薄ピンクの手帳を広げてみたが、面白いことはひとつもなく、ただお蕎麦屋さんによく行くことがわかっただけだった。

応募要項を改めて見てみる。

やはり何も思いつかない。
それもそのはず、「名言」というのは私が考えたことじゃなく、誰かに言われてハッとしたり、うまいこと言うなあと思った言葉だ。

「私以外の人が言った言葉だよ?」と言うと、夫は「ウ〜ン、わしは名言とか言えんからなぁ」と黙り込んだ。

つれあいじゃなくても、どこかの素敵な方が私に名言を授けてくだされば、それを高橋に送って100万円だ。

誰か何か言ってくれないかな。
そんなことをぼんやり考えている。

もう今回で29回目というのには驚いた。

随分前に、エッセイ仲間が佳作か何かに選ばれたと言ってたっけ。
100万円ではなかったけれど。

何か思い出したら、応募したいな。

過去の大賞は、驚くようなすごい言葉ではなくて、サラッと日常の中にあるような一言ばかりだ。

磨いたアンテナを立てて、ピピッとキャッチ!
…できたらいいなぁ。

皆様もよろしければどうぞ。


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御手洗 育/暮らしのエッセイスト
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