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最初で最後の講義

年度末の各種支払いや決算で、研究室も私の頭もごちゃごちゃになっている。

家計なら、使いすぎても、内緒で高いワンピース買ったのがバレても、テヘペロ(これもう古い?)で済むんだけれど、公費だとそうはいかない。
着地するまで本当に緊張する。

そんななか今日は、かつて上司だった教授の退官講義があった。
仕事をやれるところまで片付け、10分前にホールに駆け込んだ。

一緒に仕事をしていながら、研究テーマや功績はなんとなくしか知らない。
サンダル履きで日々パソコンに向かい、カップ麺食べてるようなとこしか知らない人が、ハレの場に立つ姿を見る機会がないのだ。

だから退官講義は、初めて見るボスの仕事、晴れの姿。
誇らしく楽しくもあり、寂しくもある。

隣の秘書が「いつもパーティのケータリング届くし飲物の用意してるから、退官講義聞くことってないよね〜」と言う。
確かに以前はそうだった。
講義が終われば場所を移動してパーティだ、幹事も秘書も裏で走り回る。

今年もパーティはないので、お見送りのロビーでお喋りしたり写真を撮ったり。
ちゃんと挨拶しようかと思ったけれど、寂しくなりそうなので、また他のタイミングに。

ほんとに4月からもう先生がいないなんて。
仕事仲間との別れもあるし。
だから3月は、ちょっぴり苦手なのよ。

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