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「舞いあがれ』に見るキャリア形成⑥

先日の『舞いあがれ』で、IWAKURAの事務員山田さんが、工場で働いていると言うと驚かれるんだと社長に話していた。
「なんで、ですかねぇ」と不思議そうに。

工場の仕事は3K(きつい、汚い、危険)と言われて、敬遠されてきた。
少し前に「現場男子」という言葉が流行ったこともあったが、やはり町工場は大変で、ただ労働のみの世界をイメージしてしまう。

金属加工などに代表される下請けの町工場。
私の身内にも鉄工所を営む者がいる。

子どものころ叔父の家に遊びに行くと、機械油の匂いがした。
夕ご飯を食べると、叔父はまた自宅に隣接する工場へ戻っていった。

母が「マサはほんと仕事ばっかして」と呆れていた。

子ども心に、夜も働かないとやっていけないのだろうと気の毒に思ったが、本当は仕事が好きだからと理解できたのは、大人になってからだった。

今は息子にあたる従弟が後を継いでおり、IWAKURAが重なって見える。

そう言いながらもまだどこかで、ネジを作るのがカッコいい仕事とは思えず、単純作業で大変な仕事のように思っていた。

『舞いあがれ』の中では、ネジひとつ作るためにどれだけの苦労があり、奥の深い仕事かということが描かれていて、そこに胸が熱くなった。
工場にもワクワクするやりがいがあることを教えてくれたことに、感謝したい。

金属加工の工場を継いだ従弟は、オリジナルの金属製品も作り、デパートやハンズなどで扱ってもらっている。
メディアにも出る姿を、今さらながら誇らしく思って見ている。

一方私の職場は、ほとんどの人がデスクワークだ。
ある日、上司の「ぼくは何のために働いているんだろう」というつぶやきに、愕然としたことがあった。

自分で選んだ職で、人も羨む収入があるはずなのに、なぜ?と疑問に思った。
今なら、研究の世界も大変だと理解できるが、そのときは上司の下で働く自分の存在価値がないような気がして、すっかりやる気を失くした。

自分の道で、目の前のことに一所懸命になる人は輝いて見える。
人がどう思おうと、自分はこれだと言えるものがあるのは、素晴らしいことだと思う。

女性従業員の土屋さん?
爪が黒くなることなんて気にせず働いていて、カッコいいと思う。

舞ちゃんのキャリアも、壁につき当たったり悩んだり。
さらに恋愛感情もこれからどうなっていくのか。
見守っていきたい。


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