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シスターを想う餅街道

先日、三重県亀山市にある関宿までドライブに出かけた。
関宿は東海道の宿場だ。

関宿に行くことがあったら、ぜひ買いたいお菓子があった。
深川屋の「関の戸」だ。

関の戸には忘れられない思い出があった。

ある研究大会の事務局の仕事をしていたときのことだ。
ホテルを3日間貸し切って行われた大会は、案内業務に加え、ありとあらゆる対応でてんてこ舞いだった。

事務局のある会議室にくるメンバーは、誰もがヘトヘトになって戻ってきた。
それを察するように、栄養ドリンクや地方のお土産など、楽屋見舞いもたくさんいただいていた。

その協会にはカトリック系の幼稚園も多く参加しており、大会には何人かシスターの姿もあった。

そんな中、ひとりのシスターが持って来てくださったお土産が「関の戸」だった。

シスターは「大変でしょう。でもちゃんとできるから大丈夫よ!」と、ぎゅーっと抱きしめてくださった。

頭も身体も疲れ切っていた私に、一生の宝と言ってもいいほど有難く嬉しい出来事だった。

「甘いもので元気出してね」と言われて口にした関の戸。
優しい甘さはシスターの愛のように感じた。

あんこを薄い求肥で包み、和三盆をまぶした関の戸。
まず先にお口に広がる上品な甘さ、続いてあんこ本体の甘さがくる。
十円玉くらいの大きさで、一口に食べてしまえる。

もしこれが夫の出張土産だとしたら、美味しいお菓子のひとつというだけだったかもしれない。

私にとって関の戸は、シスターの抱擁と合わせた思い出の味なのだ。

最近は、デパートやサービスエリアでも売られているようだが、本店で買いたいという希望が叶った。
宿場にあるお店では、日々のお菓子作りの話やお店の歴史を伺うことができた。

「関の戸」の深川屋
店先にあるガチャポンを確認しなかったの残念
関の戸は和三盆の他に抹茶、黒糖、たちばな

餅街道とも呼ばれる伊勢への道。
実は行きの鈴鹿SAで「安永餅」を食べ、関宿では他に「志ら玉」もひとついただいた。

三重は伊勢の国、美し国。
宗教の境も超えた美味しいお餅。

シスターの思い出から餅の話になってしまった脱線ついでに、餅街道のマイベスト餅ランキングで終わりたい。

1赤福
2関ノ戸
3なが餅
4安永餅
5太白長餅
6二軒茶屋餅
7志ら玉
8へんば餅
9赤福氷
10赤福(白)
※3、4、5は入れ替わったりわからなくなったり😅
 10の白い赤福は未体験。

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