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子育てとおばあちゃん

週に2日ほど、出勤時にNHKのラジオ番組「ふんわり」を聞いている。

先日、金曜パーソナリティの黒川伊保子さんが、子育てに関する投稿に対してコメントしておられた。

ご自身の子育て中に、お母様が話してくださったことだという。

あなたを育てている時、幼いあなたが砂利道で転んでも、弟を抱いているから抱き起こせなくて、
「さっさと立ちなさい!」って声をかけるしかなかった。
そしたらあなたが怒った顔をして踏ん張って立ち上がって。
それが、今思っても切ない。

と母が言ったんですと、黒川さん。

「手を添えられなかった」と、お母様が話しておられたという。

そう言いながら「母もそうやって育てたんだなと、今思っても涙が出てしまう」と黒川さん。

聞いている私も、自分の子育てに重なって、運転しながら泣けてしまった。

下の息子が6、7か月、娘はまだ3歳になっていない頃だったと思う。

買い物から帰って、袋を玄関に置き、息子を座らせた。

そこへ何だったかもう忘れたが、娘が息子にしようとしたことが、危なかったのか気に入らなかったのか、私が「ダメ!」と娘を止めると、尻もちをついたように仰向けに倒れてしまった。

そのシーンしか思い出せないのだけれど、今思い出しても可哀相なことをしたと、あの頃に戻って抱きしめてやりたくなる。

その時はもう大きいと思っていたけれど、まだたった3歳だった。

私もきっと余裕がなかったんだ。と言うのは言い訳か。
父は闘病中で、義父は陰険な感じだった。
別居の義父母への対応をしながらワンオペ育児の毎日は、今思えばあまりいい状況ではなかったのかもしれない。

黒川さんは、「でもそれが今、(私の)心の傷になっていること全然ないからー!」と。

少しホッとした。

子どもがまだ小学生だったと思う。
家族4人で週末にご飯を食べていたとき、何の話からだったか「一番上の子の気持ちなんて、誰にもわからない」と娘が言ったことがあった。

夫も私も息子も(第二子の私たち)、ポカーンだった。

いつも家で、あれだけ自分中心なのに?

私「今日のお昼はお蕎麦にしようかな」
夫「そば、いいね」
息子「やったー!そば食べるー」
娘「お姉ちゃん、うどん!」
私「じゃあ、うどんにしようか」

なぜかこういうパターンで、娘が我慢しているとは誰も想像しなかった。

子育て真っ最中の今も、「金曜日に来てくれると助かる〜」などと調子の良いことを言ってくる。

毎日大変だろうから少しでも助けになればと、夫の運転で高速を2時間走るか、私が新幹線に乗ることになる。

夫は仕事ばかりで構ってやれなかったことの、私はワンオペでいつもイライラしていたことへの、罪滅ぼしのような思いもどこかにある。

こちらも孫の顔見たさに喜んで出かけていくから、持ちつ持たれつなんだけれど。

ラジオの黒川さんは、こんな話もしていた。

「昔はこうだった」という価値観の押し付けについてだ。

子ども世代が、自分の時とは違うスタイルでやっているのを見て、昔はこうこうだったと言うのは、避けたい。
それは私もいつも思っていることだし、娘から「今は違うからね」とズバッと言われる。

「昔はこうだった」が生かされるとしたら、それはこんな時だと黒川さんは言う。

子ども世代が、何かこうあらねばとか、今の子育てにつまずいて困っているようなとき、

「昔はそんなこと気にしなかったから大丈夫よ」と言うのはリラックスになると。

そうかもしれないな。

ただ私の場合は、義母の「そんなもん、どうってことない」は救いにならなかったけれど。

批判としてではなく、リラックスするための昔話ならいいのではというのに、納得した。

おばあちゃん子は三文安いと言われる。
それもおばあちゃん次第で、良くも悪くもなるのではないだろうか。

困ったときや悲しいときは、おばあちゃんのところに来ればいいよ。

自分のちゃんとできなかったことは知っているから、うちの子もよその子も、受け止められるおばあちゃんでいたいと思っている。

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