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シーチキンがわからない

夕方のスーパーマーケットで、自分の前にいた70代くらいのおばさまが、新聞の折込チラシを手に、レジ係の女性に何か尋ねている。

最近、チラシを手に買い物する人を見かけなくなった。
おばさまはそうやって買い物をしてきた昭和妻なのだろうと、ぼんやり見ていた。

ぼんやりというか、内心はイラっとしていた。
早くしてほしいから。

でも、自分もそう急いでるわけでもないので、その様子を眺めて待つことにした。

どうやらチラシには、シーチキンの特価が載っているらしい。
その女性客は、該当の品と思ってカゴに入れたのだが、今レジに表示された金額が違っていたような気がする。
というのが主訴だった。

レジの途中でもう一人の女性店員が加わり、商品とチラシを見比べている。

3人で、あーでもない、こーでもないと、終わりそうにない。

はぁ〜あ。
お店もチラシの商品なんだから、周知しといてん。

でも、待てよ。
シーチキンって、あれ本当にわかりにくいから。

シーチキンL
シーチキンLフレーク
シーチキンファンシー
シーチキンマイルド
素材そのままシーチキン


もうどれがどんなのだったか、わからない。

「今日帰りにシーチキンL買ってきて」と頼んだら、夫がシーチキンファンシーを買ってきちゃって、これじゃないー!って夫婦喧嘩にならないかしら。

大きさも大小、3個パックのもあるしねぇ。

すっかり頭が明後日のところへ行ってたら、「お客様!お待たせして申し訳ありません」と若い店員さんが来て、隣のレジに私のカゴを奪って持っていった。

その後、シーチキン問題がどうなったのか、最後まで見届けることはできなかった。

客のおばさまは、特価じゃないなら要らないみたいなことを言っていた。
もうカゴに入れたんだし買えばええやん!と思いつつ、人それぞれだからなぁと思って店を出た。

再び、シーチキンがわかりにくい話に戻すと、シーチキンLは塊になってるもので、それ以外はフレークになってるんだったか。
でも、シーチキンマイルドとシーチキンファンシーの違いが今ひとつわからない。

オイルも多いのと少ないの、ノンオイルもあるし。

最近うちでは、シーチキンよりサバ缶を使うことが増えた。

サバの水煮缶はいろんなメーカーがあって、缶で区別するから「これ美味しいやつ」と覚えられる。

今度シーチキン買う時、きっとまた迷うんだろうなぁ。

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