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【降れば土砂降り】→【口を開けば最上級】(新釈ことわざ辞典)記事版

ポピュリスト政治家の演説内容。
政敵はやることなすこと何でも「最悪!」「最低!」、もちろん自分は「全てが最高!」
使う形容詞が全て『最上級』の政治家には要注意。
ドナルド・トランプ氏の演説には、さらに「never」「ever」が加わります。

この格言は、英語の、

It never rains but it pours.

を和訳したものです。
不運なことが同時に同じ人 物に起こる時、このことわざを使います。日本のことわざ「泣きっ面に蜂」にあたりますが、さらに「いつもそうだ」感があることわざのようです。

このことわざ本来の意味とは少々ずれていますが、ここから連想するフレーズが(私の造語ですが…)、

《口を開けば最上級》

です。

ドナルド・トランプさんの演説内容は常にこれです。
敵は『最悪』、自分は『最高!』、バイデン大統領が就任以来、常に『史上最悪の大統領』と言い続けていますが、討論会ではバイデン側も同じで、
『あんたこそ史上最悪!』
合戦を繰り広げました:

これに対して視聴者は、『史上最悪の討論会』と評価したようです:

なお、自分を『最高!』と位置付けるトランプさん本人は、歴史家を対象とする歴代大統領の評価に(退任したので)初めて取り上げられ、歴代大統領44人中41番目と最下位グループになりました。記事はこれを、『歴代大統領で最悪の1人』と表現しています:

もっとも、バイデン大統領も退任後、彼自身がどう評価されるかはまだわかりませんが……あまりよくないことは確かでしょうね。

欧州の政界でも『ポピュリスト政治家』と言われたり、『極右』と呼ばれたりする人たちが台頭していますが、やはり、政敵攻撃には、この『最上級話法』が(トランプさんほどでなくても)多用されるようです。

思うに、これは『極端な言葉を使用しないと響かない』というネット時代に合わせた会話術かもしれません。
通常のネットニュースの見出しにも、やたらと、
『震撼』
『驚愕』
なんて出てきます。
『震撼』
というので読んでみると、女優が少々きわどいドレス姿をインスタに上げていただけだったりします。
極端な言葉を使わないと記事を読んでもらえないし、聴衆に響かない時代になってしまったのです。

もうひとつ、おそらく本を読まなくなったことと連動している『ボキャ貧の時代』もあるのでしょうね。

プロ野球選手など、アスリートの勝利インタビューなどでは、
「最高です!」
が定番になっています。
『とりあえずそれ言っときゃ細かい説明なしでOK』
なのでしょう。なんせ、『最上級』ですから。

あ、それから、女性たちに下ネタがらみの親父ギャグを言ってみると、
「サイテー!」
と言われますよ:


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