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晴旅雨筆(エッセイ)

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これまでの人生で書き散らしてきたノートの切れ端をちぎれ絵のように張り付けたエッセイ。本を読み、山に登り、酒を呑み、街を歩く。
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《洗脳》された? 知らず口ずさむ「ごめんね素直じゃなくて~♪♪」(エッセイ*再勉生活)

会社勤めをしていた30代後半の頃、オフィスから実験室への廊下を歩いていて、ふと気付き、愕然としたことがありました。 ごめんね 素直じゃなくて~♪♪ 夢の中なら 言える~♪♪ 思考回路は ショート寸前~♪♪ 今すぐ 会いたいよ~♪♪ なんと! 歩きながら、知らないうちにTVアニメ「美少女戦士セーラームーン」のテーマ「ムーンライト伝説」を口ずさんでいたのです! 「……おっとっと」 幸い辺りに怪しい人影はなく、私を追い落とそうとする社内敵対勢力に《傍受》されてはいないようでし

銃の問題 ── 日常と非日常、そして(エッセイ)

とんでもない事件が起きた。 「日本では考えられない」 昼のワイドショーで、私があまり好きではないコメンテイターが連呼していた。 事件についての悲嘆・悲憤は、もう既に多くの報道でなされているので書きません。 改めての《銃》という、危険な道具についての思いです。 **** 私は、アメリカの田舎に住む知人の家の庭で《銃》を撃ったことがあります。 庭といっても、林を含む広大な空き地のようなところです。 木箱の上に空き缶を立て、離れたところから小さなピストルで撃った。 手に反

「その間の逸失利益です」と人事係長は小銭をジャラジャラ出してきた (エッセイ)

社員の慶弔に際して少額の祝い金や弔慰金を出す会社は多い。 私は既婚者として新卒入社したので、当然、結婚祝金はもらっていない。 最初の子供が生まれたのは入社後2年ほど経った後だったが、そもそもそういう《ルール》があることを知らなかった ── 出産日に特別休暇を取ってもいい、ということは勤務規則に書いてあったので、仕事を休んでビールをたらふく飲んでいたけれど。 それから2年後に2人目が生まれ、さらに1年ほど経ったある日、ヒラ社員だった私は、人事の係長から会議室に呼び出された。

《好きなこと》と《得意なこと》 ── 日本語学科留学生のキャリアプラン面談 (エッセイ)

日本語を専攻する韓国人留学生(4年生)のキャリアプランについて相談に乗って欲しいと依頼され、リモート会議(ZOOM利用)でインタビューを受けました。 下記のリモート講義で知り合った学生です。 彼女が日本語を専攻しようと思った動機は、日本のマンガやアニメが好きだったから、とのことでした。マンガやアニメの日本語を韓国語に翻訳する仕事に就きたい、という希望を持っています。韓国の大学の日本語学科に在籍し、日本には1学期間、短期留学した(といってもリモートになってしまった)という状況

「本社・工場」ってどこ?──大きく見せる (エッセイ)

学生結婚前後の話を、断片的に書いたことがあります。 ➀ 独身時代に愛用していた《キリンベッド》を、結婚で手放さねばならなかったこと、それに、 ➁ 大学院研究室の教授に頼まれて、息子さんに《将棋とキャッチボールの家庭教師》をしていたこと。 その時代に、もうひとり、書き留めるべき人物がいます。 妻は結婚前の1年間、北九州で教師をしていました。学年末の3月31日に入籍し、4月1日に結婚することになったため、退職し、東京で仕事を探すことになりました。 なお、入籍が結婚の前日なのは