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晴旅雨筆(エッセイ)

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これまでの人生で書き散らしてきたノートの切れ端をちぎれ絵のように張り付けたエッセイ。本を読み、山に登り、酒を呑み、街を歩く。
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2023年9月の記事一覧

【笛吹けど踊らず】(新釈ことわざ辞典)記事版

今回は、お相手の男性がさすがにシニア過ぎたのでは……? 高校時代の同級生が内科のクリニックを開業したため、40代半ば頃によく診てもらっていました。その頃の話です。 「Pochi、お前、あっちの方は大丈夫か?」 「え? あっちって?」 「ウチでバイアグラの処方もできるぜ」 今は特許が切れてこの薬以外の製品もあるようですが、その頃はほぼ独占状態でした。 「ああ、……今のところ必要ないけど……まあしかし、そこまでしてカミさんと……」 「ハハハ! カミさん相手に使う人なんているわ

けっこう信用がある?(街で★深読み)

顔面激突→救急搬送→治療→抜糸、と一連のプロセスを経て、脳外科医に、 「もう顔、洗っていいよ」 と言われた2日後、高校のクラス会が予定されていました。 医者のコメント次第で欠席しようかとも考えていましたが、コロナ禍をはさみ4年ぶりの開催でもあり、既に飲酒を解禁していたこともあり、出席しました。 会場に行くと、 「お、Pochi、頭、どうしたんだ?」 と当然の問い。 「いやあ……実は……カミさんとひと悶着あってね」 「ええっ!」 「……いろいろ、バレちゃって……」 「えええ

『猫の額』をトイレと勘違いしている輩に『剣山作戦』!(家で★深読み)

植木鉢が数個置ける程度の、まさに『猫の額』ほどの庭に人工芝を敷いて、うん、いい感じ、と自賛していたら、毎日のようにどこかから猫が来て、糞を落としていく。 ここはキミたちのトイレではないぞ! 「……うーむ。『猫の額』に『猫が糞』とはこれいかに?」 と顔顰めつつ、それが乾くのを待って片付ける、というサイクルに疲れた同居人と作戦を練った。 ホームセンターのガーデニング・コーナーに行くと、プラスチック製の《剣山?》がありました。 大きさは庭用のタイル1枚ぐらい、高さ2センチぐらい