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【浪人・留年経験者必見】大学2年生からの国家公務員就活

注:公務員試験制度の改革により、情報が最新のものと異なっている場合があります。

<要約>
 国家公務員の就活は、筆記試験と官庁訪問という2つのプロセスからなる。筆記試験については、受験資格が生年月日のみ・試験の合格資格は3年間有効、という2つの要因から、浪人や留年などで1年以上のビハインドがあれば、通常ならば受けることができない大学2年生秋の教養区分や大学3年生春の各種専門区分を受験することができ、さらにそれに合格すれば、大学4年生になるのを待って官庁訪問をすることができる。そのため、浪人や留年を経験していれば、国家公務員就活を有利に進められる。

自己紹介と記事の概要

 はじめまして。ぽちにゃん(Twitter:@pochinyan315)です。私は大学3年生の春に独学で2021年度国家公務員採用総合職試験に最終合格しました。
 本記事では、私自身がそうであったように、国家公務員試験は、おそらく就職活動において唯一、浪人や留年などのビハインドが有利にはたらく、ということを紹介したいと思います。「大学2年生からの国家公務員就活」というタイトルですが、くだらない就活サイトにありがちな、「大学1,2年生のうちからインターンシップに参加しよう!」みたいな記事ではありません。浪人や留年などで1年以上のビハインドがあれば、早くて大学2年生のうちから実際に国家公務員試験を受験できる、というメカニズムを紹介する記事です。現在大学1,2年生の浪人や留年経験者であれば、国家公務員を志望しているか否かにかかわらず読んでいただきたいです。

国家公務員のなり方

 この節では、国家公務員の採用プロセスを説明します。ご存知の方は読み飛ばしていただいて構いません。大卒向けの国家公務員試験には、総合職・一般職・専門職の3つの区分がありますが、ここでは総合職試験に絞って説明したいと思います。より詳細な情報が知りたければ、人事院の国家公務員採用情報navi(https://www.jinji.go.jp/saiyo/saiyo.html)を確認しましょう。

 国家総合職として採用されるには、
①国家公務員採用総合職試験に最終合格し、採用候補者名簿に名前が載る
②採用候補者名簿に載った後3年以内に、官庁訪問をして内々定を得る
といった2つの条件が必要です。

 まず①の筆記試験についてですが、これは大きく分けて秋試験と春試験の2つがあります。試験区分や試験科目について、それぞれの特徴は概ね以下の表の通りです。見てわかる通り、大卒程度試験は受験資格が生年月日のみであり、大卒資格は必要ありません。採用試験なので、受験料もかかりません。このどちらかの試験に最終合格(=二次試験合格)すれば、次のステップに進むことができます。つまり、民間企業の選考におけるウェブテストと一次面接が、この筆記試験にあたるというわけです。

試験概要
<表:試験区分>


 次に②の官庁訪問についてですが、これは基本的に春試験の合格発表直後の6月下旬に行われます。翌年の4月の採用を希望する場合に限り、決められたルールに従って志望する省庁を訪問することができて、そこで何回もの面接を複数日集中して受けることによって、内々定を得られるかどうかが決まります。つまり官庁訪問は、民間企業の選考で言えば、二次面接~最終面接に該当します。ここで注意しなければならないのは、試験の最終合格者数>>採用数、であるので、筆記試験に最終合格したとしても内々定を得られないという事態が発生しうるということです。例年は、筆記試験に最終合格するのに約5~20倍(受験区分で異なる)、そして内々定を得るのに3倍、といった倍率になることが多いようです。採用漏れとなっても、筆記試験の最終合格資格は3年間有効なので、次年度以降に再度官庁訪問をすることでリベンジが可能です。官庁訪問については体験記が充実しているので、検索して読んでみることをお勧めします。
 以上のことをまとめると、国家総合職試験を受験して内々定を得るまでのプロセスは、以下のようになります。(厳密には4年生10月の教養区分を受け、12月に官庁訪問をする、ということも可能ですが、一般的なケースを提示したいので省略しています。)

採用プロセス
<図:一般的な国家公務員総合職採用プロセス>

大学2年生からの公務員就活

 さて、ようやくこの記事の本題です。先ほど国家公務員の採用プロセスにおいて、国家公務員試験は

 ・受験資格は生年月日のみ
 ・最終合格の資格は3年間有効 

だということを紹介しました。これが意味するところはすなわち、秋試験の時点で大学2年生、春試験の時点で大学3年生であっても、浪人や留年・休学によって1年以上のビハインドがあれば、受験資格である生年月日の要件を満たすので試験を受けることができ、そしてその最終合格資格を用いて大学4年生になってから官庁訪問ができる、ということです。
これを踏まえると、前の節で示した国家公務員採用プロセスの図が以下のように変化します。

ビハインド採用プロセス
<図:ビハインド勢向けの国家公務員総合職採用プロセス>

 これが、浪人・留年経験者ならば早くて大学2年生のうちから国家公務員試験を受験できるメカニズムです。高倍率の試験の受験回数が一般的なケースと比べて2回も増えるわけなので、浪人や留年がアドバンテージになるといえるはずです。(ビハインド期間が2年以上であれば、大学2年生春試験時点で22歳の年となるので、そこから受験することが可能です。)

(余談)
 国家総合職試験は受験資格に大卒資格を必要としていないので、大学2、3年生で試験に受かった後すぐの6月に官庁訪問をすることも可能です。内々定を得たのち、人事と相談したうえで働きながら大学4年生を過ごすか、大学を中退するかのいずれかを選択すれば、同い年の人と同じタイミングで社会に出ることができます。浪人や留年のビハインドを無かったことにできるわけですが、私はモラトリアムを享受したかったので、大学3年生時の官庁訪問はしませんでした。

(余談2)
 今回は国家総合職試験に限って紹介しましたが、国家一般職試験も受験資格は生年月日のみ、合格資格は3年間有効であるので、同様の方法で早くから受験が可能です。しかし、一般職の場合秋試験は無く、春試験のみとなります。この場合も、(余談)と同様に官庁訪問をして内々定を得れば、同い年の人と同じタイミングで社会に出ることができます。

実例

 ここでは、大学受験で1年浪人した私のケースを紹介します。これまで説明してきた通り、浪人したことで早期の受験が可能であったため、まずは、大学2年生の時に秋試験・2020年度教養区分を受験しました。しかし、一次試験で正答があと1問足りず、不合格となってしまいました。その後、大学3年生の時に春試験・2021年度経済区分を受験し、最終合格を得ることができました。この合格資格を用いて、2021年の教養区分や2022年の各種専門区分を受験することなく、2023年4月の採用を目標に官庁訪問を行う予定です。よって、このプロセスを先の図と同じように表すと、以下のようになります。皆さんもこれを参考にして受験プランを立て、早期合格を目指しましょう。

ぽちにゃんのプロセス
<図:ぽちにゃんの国家公務員総合職就活プロセス>

まとめ

 早くて大学2年生のうちから国家公務員試験を受けられるということは、民間就活よりも先に公務員試験を経験するということになります。そのため、公務員試験の筆記対策を頑張れば民間就活におけるSPIなどのウェブテスト対策につながりますし、仮に一次試験を突破すれば、人事院面接などでは対面型の面接を早い段階で経験することができます。さらに、最終合格をすることができれば、同学年の国家公務員志望者に対して大きなアドバンテージを得ることができます。特に、秋試験・教養区分は他の公務員試験と比べて非常に短期間で合格を狙えるので、受験資格がある方はぜひ受験してみてください。対策方法などは、質問いただければ回答します。この記事を通して、国家公務員総合職に少しでも興味を持っていただけたなら、さらに浪人や留年などのビハインドをアドバンテージに変えたいと思って行動に移していただけるならば、とても嬉しく思います。

国家公務員試験申し込みはこちらのリンクから➡国家公務員試験インターネット申込み:http://www.jinji-shiken.go.jp/juken.html

 何か質問があれば、筆者のTwitter(@pochinyan315)までよろしくお願いします。それではまた!!

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