待合室と絵本と不思議な気持ち。

長男と行った病院の待合室。
(これ、読んで。)
そんな感じで、2歳くらいの女の子が絵本を持ってきた。

わたしが長男に読み聞かせている様子を見ていたのだと思う。
「これ?読むの?いいよー」
そう言って絵本を開きつつ、ちらっとその子の母親をみると、スマホに夢中だった。

でも、不思議と嫌な気がしなかった。

むしろ「はいはい、喜んでー」という感じ。
ほんと不思議。
「おい!!そこのママ!」って思わなかった。

もし自分の子供が他のママに絵本持っていったら、「スミマセン」っていうだろうに。

我ながら、なんでだろう?って思いました。

たぶん「自分もスマホみてることあるしなー」っていう気持ちと、
「あのママ、日本語ネイティブじゃなさそうだから、絵本あまり得意じゃないんかな。それで私のとこに持ってきたのかな」っていう仮説のせいかな、

「今はわたしがこの子に絵本を読んであげれるから、読んであげる。それ以上でもそれ以下でもない。」っていうかんじで怒りも悲しさもなかった、穏やかな気持ち。

一方、その女の子の兄の男の子も人懐っこく、うちの長男に話しかけて遊んだり、わたしに話しかけたりしてたけど、母親はとくに口出ししなかった。それでも、やっぱり私は悪い気はしなかった。

後からきた他の子連れママは、明らかに自由すぎるその兄弟と見ていない母親にドン引きした顔をしていて、そのドン引きママの子供たちもおんなじ顔していて「なんで病院なのに、こんなに自由に遊んでるの?」と顔にかいてあった。

うん、そうだよね、と思った。そうそう、静かに待つ場所だよね。
静かに座って待ってる君たちは、正しいし、偉いよ、と。

だからこそ、逆に「なんで私はイライラしなかったのだろう?」という疑問が強くなる。

それは、たぶん、その兄弟達が人懐っこくて、ニコニコして楽しそうに遊んでいたからだと思う。

じっとしてなくて自由に遊んではいたけど、危ないことや意地悪なことはしてなかった。
たしかに今ここにいる母親はスマホに夢中なのだけど、普段ちゃんと育ててるんだろうなって、なーんとなく思えたのかもしれない。

むしろ、普段わたしは自分の子供が悪いことしてなくても、先回りして「スミマセン」って言っちゃってるのかもしれないとも思えてきた。極端な話、「スミマセン」と言わないこの母親のほうがよっぽどよいのかもしれないと。

いやいや、もちろん、迷惑かけてないか見守っておこうよってのは大前提としてはあると思いますよ。

でも、なんか私は他の子に絵本読んであげたり、一緒にあそべて嬉しかったんですよね。

と不思議な気持ちになった待ち合い室の話でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?