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New Lanarkのmuseumからグラスゴーのストリートについて考える

イギリス旅日記です。
旅の間は毎日更新できるかな、、と思っていたのですが、前回の投稿から数日時間が空いてしまいました。まあまあ、旅というのは色々あるものです。

先週は、ロンドンからスコットランドに移動し、周辺をフィールドワークしていたのですが、今週はブリストルに滞在しています。スコットランドとブリストルは、地図をイメージしていただければ明らかなのですが、、気候も、街の雰囲気も、だいぶ違います。

というわけで、今日は滞在中のブリストルのことを書くのであろう、、と思いきや!!
スコットランドの最終日(移動日の一日前)に訪れた、New Lanarkという町のmusiumのことを書きたいと思います。

Lanarkという町(今ググったら「スコットランドの村」と出てきました。確かに、「町」というよりは「村」というサイズ感ですが、こちらでvillageという言葉はあまり使わないような気がします。this villageと言ったら通じませんでした。。)は、グラスゴーまで電車で約40分くらいのところにある、人口約9050人の小さな、とても美しい町です。
ちなみに、エディンバラとグラスゴーは、エディンバラは石造りの教会やお城がたくさんある、歴史と観光と文化の街、つまり日本で言うと京都的な感じで、グラスゴーは古い建物はたくさんあるのですが、エディンバラよりも現実的というか、ポップというか、商業的というか、、大阪、、よりももう少しコンパクトな、、神戸とか横浜に雰囲気は近いような気がします。

私はグラスゴーが気に入りました。なんとなく。
街と人の雰囲気がなんとなく、、音楽とお酒が好きそうな、、匂いがしました笑。

、、と言っても、街としては色々と、、深刻な問題を抱えているのだろうな、、とも思いました。せっかくなので、New Lanarkの話とも関連する内容だとは思うので、少し街の様子を書こうと思います。

グラスゴーの街は、(私はガッツリ道に迷って半日近く彷徨いましたが、、)地下鉄、鉄道、バスといった公共交通機関が鉄道の駅を中心に整備されているので、とても移動しやすい印象でした。以前にも書いたかもしれませんが、イギリスではコロナ以降、公共交通機関のチケットの購入が、特にロンドンでは現金を使える券売機がなかなか無いので、スマホやクレジットカード等のキャッシュレス決済を使える人にとっては便利な一方で、そういったものを持てない人々を、ある意味、街から締め出す機能にもなっているような気がします。

その点、現在滞在中のブリストルもそうなのですが、現金も使えて、公共交通手段が充実していて、尚且つ徒歩移動が可能な範囲に必要なものがコンパクトに集まっている街というのは、様々な状況の人々にとって居やすい場所であるのだろうと思います。

グラスゴーはなんというか、、そういう意味で、緩い感じがして、街のサイズも大き過ぎず小さ過ぎず、現代的すぎることも田舎すぎることもなく。緩い感じが、社会的に弱い状態にある人々が集まりやすい特徴なのかも知れないな、、と。
、、いうのは、、個人的で素人的な感想です。

そんな話をこちらの先生方に少しお話ししたのですが、貧困問題は現在、イギリスでは大きな問題になっているようです。そしてこれもまた私のとてもinnocentな、、素人感覚ですが、その状況は日本よりもだいぶ根深いものであるように感じられます。(私が日本の状況をあまり知らないせいかも知れませんが。。)
何にせよ、そのおそらく氷山の表面に出ている一角が、ストリート生活者の方々の姿であり、それを締め出したり隠そうとする、、政策であるのだろうと思います。

、、といって、あまり「私の感覚」的な感想ばかり書いていてもそれはそれで問題なので、せっかくなので、少し「比較的パブリック寄りな媒体の」情報をググってみました。

というわけで、こちら、イギリス版のBig Issue、2023年11月2日の記事です。
記事によれば、イギリス政府(Englandという意味だと思います)の6月の調査によれば、イングランドの路上生活者は2893人で、多くが男性。2022年の調査の3069人からは減っているように見えます。

一方、スコットランドではイングランドとは異なる集計方法をとってのだけれど、2022年から2023年に協会に路上生活申請をした人のうち、路上で寝ていた(寝て居たことのある人)は2438人である、といった内容です。

また、「路上生活者」の数をカウントすると、女性は男性に比べて6分の1であり圧倒的に少なく見えるのですが、女性はカフェや駅などに隠れていることが多いので、カウントされずらい、といった内容も書かれています。
これは日本の最近の研究でも、似たような状況が報告されていますね。

また、temporaryな住居、つまり、仮住まい的な場所を転々としながら生活している人々の数が、イングランドで104,510世帯、そのうち子供のいる家庭が65,000世帯もあるそうです。(詳しくは記事をご覧ください、、)

うむ。。

私は基本的に「数字」が苦手なので、「ちゃんと考えているふう」に見られたがために、今回は上記の記事を引用したりしてみましたが、数字の言うことはあまり信用しません。(この辺りがオートエスノグラフィーの重要なところ、出番なのですね!!)

まず、それぞれの地域で異なる基準でカウントされる路上生活者の「数が減った」からと言って、数が減った地域の政策がうまくいっている、、なんてことを簡単に信じる人が、、たくさんいるとは、、普通に考えて、、思えないですよね。。
特に、地続きで移動できる都市間で比較してもあまり意味がないでしょう。。
おそらく、この記事を書いた方も、そう思いつつも、こういう数字が出されてますよ、という意図なのだろうとは思います。

だいぶ話が後回しになってしまいましたが、そんなわけで、路上生活のことをこちらの先生方と少しお話をしたところ、イングランドでは路上生活を「できないようにする」(詳細は理解できなかったのですが)政策が進められているそうです。
、、なんだかどこかでも聞いたことのあるお話のような気がしますが、、

この件については、その後、ブリストルに来てからも、他の先生やこちらの方々とお話しする機会がある時に、時々話題にして伺っているのですが、おそらく私がお話しする機会のある先生方はみなさんどちらかというと「労働者」の側に寄り添った考えをお持ちの方々が多いためだとは思いますが、みなさん、イギリスのネオリベラリズムがどれだけ根深くこの国の社会に影響し続けているか、そしてそれに輪をかけて、ブレグジットの影響がどれだけ大きいか、、といったことを、、みなさん暗澹たる様子でお話ししてくださいます。。

日本もほぼ同様の問題はあるわけですが、なんとなく、イギリスの方が問題が深そうだな、、という印象を受けました。なんというか、日本の場合は、不景気と物価上昇の痛手を、大多数が全体的に受けている印象がありますが、イギリスの場合は、収入の少ない層、税金を納められない、生存ギリギリのレベルの人々に、最も深刻に重く影響しているような印象があります。

一方で、私が個人的に知り合ったり、街で関わるイギリスの人々は、みなさん、人種を問わず、とても親切で礼儀正しく、困っているとすぐに声をかけてくれるし、いわゆる「西洋的」なイメージの、個人主義で冷たい人々、というよりは、人間らしい、倫理的で温かい人々が多い、印象を受けます。

うむ。。この、「国」としての政策の、「ネオリベラリズム」や「ブレグジット」と言った、能力主義的、競争主義的、個人主義、利己主義、排他主義的なイメージと、実際に出会う人々の、ヒューマニスティックなイメージとの乖離は、一体なんなのだろう??と、、不思議に思います。

おそらく、前者の傾向にある人々と、私は接する機会がない、ということなのではないかとは思います。そう言った人々は、日中は都会のオフィスにいて、移動は基本的に車を利用し、ショッピングや外食する場所も、おそらく私が足を踏み入れることがない場所にある、ということなのでしょう。。

いづれにせよ、イギリスは歴史ある、世界にも大きな影響を与えた国です。
、、たった2週間滞在しただけの日本人に、この複雑にこんがらがった国の状況を簡単に分かられてたまるか!!と、、私がイギリス人だったら思うでしょう。。
分かるわけがないです。

「分かるわけがない」、ということを前提に。
「私が」見たこと、経験したこと、感じたことを、書いていていくのは、それでも、意味のあること、、というか、面白いんじゃないかな、と思います。

、、と、、ところで、、そういえば、、
New Lanarkについて、、書くはずだったのでした。

一体どうやってここから軌道修正すれば良いのか分からなくなってしまったので、、とりあえず今回は、一旦このまま投稿して仕切り直しましょう。。笑

というわけで、つづく。。



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