ずっと着たいと思っている服

大学生くらいからずっと着たいと思っている服のブランドがある。
いつもお店の前を通って、「かわいいなあ、素敵だなあ」と思うけれど、当時のアルバイト代だけでは到底手の届かないお値段。
「大人になって、お金が貯まったら買おう」と、決心する。

社会人になって、お給料もいただけるようになって、お店の前を通るたび、また、わたしのなかの「かわいいなあ、素敵だなあ」の気持ちが膨らむけれど、「今月はあれを買ってしまったし、お金が溜まってから。」「もっと痩せてから。」と、自分で自分に制限をつけて、買わないでいた。

そのお洋服のショップバッグを持っている人を見かけると「あんなにかわいいから、お洋服も似合うよなあ。もっとかわいくなりたい。おうちついたら、筋トレしよう。」と思うけれど、お家についても運動できず、お店を通るたびに積もる罪悪感。

アラサーになったわたし。憧れのお店のお洋服は、手に届く値段になった。でも「いまは太っているし。サイズ合わなかったらどうしよう。もう、さすがに若すぎかなあ。」とまた、もやもやぐるぐる。

本当は着てみたいはずなのに、自分にはもったいないと思ったり、いつも手の届かないところに、自分で追いやってる。

これは他のことでも起こっていて、行きたいライブやイベントがあっても、仕事のシフトとかぶっていることがわかると、残念な反面、行けないことに少し安心したり。
すべての欲しいものを手放しで「ほしい」と伝えたり、実行に移せたり、してほしいことを、相手に「してほしい」と勇気を持って話したり。
そんなことが少しずつできるように、なってきたつもりだけど、まだまだ練習が必要で。
前はそんな不器用な自分がいやで、「なんでこうなんだろう。あの子はいいな、素直で。」と思っていた。けれど、心の中でチーズケーキ食べたいといくら願っても、お店の人にモンブランを頼んだら、モンブランが出てくるのと同じで、伝わるように伝えなきゃかなわないし、伝えれば案外簡単に叶うこともある。

いつのころからか、いろんなことを我慢するのが当たり前で、素敵なものやことがあっても、自分にはもったいないと思ってしまうのが当たり前で。

でも、これからもこの先も、ずーっと自分の一番の味方でいてあげたいから、これからはもっと、自分に甘くやさしく、過ごせたらいいなと思うよ。


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