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APIエコノミーを実現するGoogle Cloudの戦略:Apigee

お疲れ様です。Shinです。末端冷え性の私は指先が凍り付く季節となりました。

先日、Google CloudのiPaaSであるApplication Integrationに関する記事を投稿しました。記事を書くためにGoogle Cloudのドキュメントなどを色々と読み漁っていたのですが、ふと「iPaaSと言うわりには、API管理の機能が全く出てこないな」という印象を感じました。

とはいえGoogle CloudがAPI管理機能を提供していないわけがないだろうということで、改めて調べてみると、ちゃんとApigeeというサービスがありました。(そういえば前にGoogleの方と話したときに、Application IntegrationはApigeeの一機能である位置付けだという話を聞いたような…)

ということで、本日はApigeeについて触れていきます。

APIエコノミーを実現するために

Google画像検索で「Apigee logo」と調べると、Google Cloudサービスとは思えないポップで可愛らしい文字のロゴが出てきます。Google Cloudの各サービスのロゴは基本的に青を基調としたシンプルなシンボルマークが殆どですので、よもやこれは他社の製品だな?と思い調べてみたところ、やはり元々は他社の製品でした。

とはいえ2016年の話なので、恐らく長くデータエンジニアリング領域に携わっている方からすれば今更みたいな話なのかもしれません。

ここでのキーとなるポイントは「APIエコノミー」です。昨今iPaaSの台頭にもあるように、あらゆるものがデータ化され、あらゆる業務はアプリケーション上で行われるようになり、アプリケーション間のデータ連携・データ統合の重要性はますます高まっています。その背景から、各アプリケーションはAPIによってデータ連携製品に依存しないデータ連携を実現しようとしています。APIによるデータ連携によりあらゆる経済活動が相互に繋がる社会がAPIエコノミーです。

ApigeeによるAPI Managementの特徴

そんなAPIエコノミーを実現するためのApigeeにはどのような機能があるのでしょうか。

プロダクトとしてのAPIを実現

Apigeeは、バックエンドサービスと、サービスを使用する内部または外部のクライアントとの間に配置される「APIプロキシレイヤ」を提供します。API開発者はApigeeで「APIプロダクト(APIリソースを集めたもの)」と「APIドキュメント(デベロッパポータルで共有可能な情報共有チャネル)」を作成しAPIを外部公開することが可能です。

また、Apigeeの収益化機能では、料金プランをAPIプロダクトに追加することで、開発者にAPIの使用料金を請求することが可能です。APIの収益を開発者と共有するように料金プランを構成することもできます。

API利用者によるセルフサービスでの利用を支援

API利用者(APIクライアント)がAPIをセルフサービスで利用開始できるためのデベロッパポータルと呼ばれるポータル機能を提供します。具体的には、アプリ開発を行うAPIの利用者にとって以下の内容が容易になります。

  • データとサービスの詳細を理解する

  • APIドキュメント(ユースケースの例、チュートリアル、参考資料など)を読み、APIの使用方法を学ぶ

セキュリティと制御でAPIの信頼性を確保

API監視機能では、APIトラフィックとパフォーマンスを追跡し、ほぼリアルタイムでの分析情報を提供して、APIが正常に稼働していることを確認することができます。また、アラートや障害コードの設定により、発生する問題を迅速に診断して解決することができるようになります。

レート制限(流量制限)では、複数アプリで利用されるAPIのパフォーマンスと可用性を維持するため、Apigeeではトラフィック管理を最適化しバックエンドサービスを正常に保ちつつアプリのレイテンシを最小限に抑える機能があります。

セキュリティの観点では、APIへのアクセス制御や不正アクセスからの保護といった安全保護に関する機能が提供されます。具体的には、OAuth認可、SAML認証、データのマスキング、APIキーによる認証制御、コンテンツベースの脅威に対する保護ポリシーなどが提供されます。

感想

以上、Google Cloudが提供するAPI管理機能「Apigee」についてご紹介しました。とはいえ他のiPaaS(InfomaticaやMulesoftなど)のAPI管理機能を詳しく知らないところもありますので、どこかで調べて比較が出来たらと思っています。

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