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ついに来た、Google CloudのiPaaS!Application Integration

お疲れ様です!Shinです。なんか一気に寒くなりましたね。自室では暖房を付けて半袖で過ごしていますが、うっかりそのまま外に出て凍え死ぬかと思いました。

数か月前の話ではありますが、ついにGoogle CloudからiPaaS (Integration Platform as a Service)が発表されました。今日はざっくりとこの新作iPaaSである「Application Integration」について触れてみようと思います。

企業におけるアプリケーション環境

近年、企業の業務環境はデジタルの進化により大きな変革を遂げています。出社して手作業で行っていたアナログな業務がデジタルの力によって自動化・効率化され、ワークスタイルは一変しました。同時に、企業はデータを重要な資産として位置づけ、積極的に収集・活用に向けて動いています。

この変革の中で、VUCA時代の変動の激しい社会環境において、企業が競争優位を確立し、持続的な価値を創造し続けるための重要な戦略として、デジタルトランスフォーメーションが多くの企業で位置付けられています。結果として、企業内でのソフトウェアやSaaSなどのアプリケーションの利用数は年々拡大しています。

アプリケーションは他のアプリケーションとデータを連携させることによってより効率的に利用することが可能です。また、各アプリケーションは取得したデータを活用するためにデータ分析のためのアプリケーションとも連携します。その結果、アプリケーションが増加するに伴いデータの連携も増加しており、企業におけるデータ連携の限界が近づいています。

さらに、生成AIの台頭によりアプリケーションの増加は今後一層加速すると予測されています。この中でデータの連携を円滑かつ容易に実現する手段が求められ、その解決策としてGoogle Cloudから発表されたのが「Application Integration」です。

Application Integrationの特徴

企業がデジタルトランスフォーメーションに向けて進む中、Google Cloudが提供する「Application Integration」は、iPaaSとして注目されています。以下に、このツールの特徴を紹介してみたいと思います。

  1. 直感的なデザイナー

    • Integration Desinerと呼ばれる画面を使用し、コードを書かずに直感的なドラッグアンドドロップで処理フローを作成できます。これにより、開発者でなくても効率的に処理フローを構築できます。

  2. 豊富なコネクター

    • Google Cloudのサービスや他のビジネスアプリケーションとの連携が容易で、豊富なコネクターが用意されています。これにより、異なるシステム間でのデータのやり取りがスムーズに行えます。

    • コネクターは従量課金制であり、課金は使用する接続ノードの数と接続で処理されたデータの量に基づいて行われます。

  3. データマッピングエディター

    • Data Transformer Scriptタスク(Jsonnet言語によるマッピング)またはデータマッピングタスク(ビジュアルエディタによるマッピング)により、インプットとアウトプットのデータのマッピングや変換を簡単に定義できます。

  4. トリガー機能

    • フローを実行するトリガー機能が充実しており、さまざまなトリガーによってフローを制御できます。

    • 処理を実行するための標準のトリガーとして、API、Cloud Pub/Sub、スケジュール、エラー検知が提供されます。また、コネクターによるイベントトリガーとして、IBM MQ、Jira Cloud、ServiceNow、Zendeskなどが提供されます。

  5. タスクの提供

    • 既に定義された作業(=タスク)が提供されます。

    • Google CloudのタスクではAI Platform予測、Cloud Function実行、Cloud KMS暗号化などが、標準のタスクではデータマッピング、件数ループ、承認、メール送信などが提供される。

  6. モニタリング機能

    • Cloud Monitoring(別サービス)を使用して、リソース使用状況、パフォーマンス、アラート等の状態をカスタムグラフとダッシュボードで可視化することが可能です。処理データ量が指定の閾値を超えたかを確認するアラートも設定可能です。

Google Cloudの「Application Integration」は、これらの特徴によって、企業のデジタル統合を効率的かつ柔軟に進めるための頼もしいツールとなっています。

所感

機能を見る限り、接続機能や変換機能、トリガー機能など、一般的にETLツールに求められる機能は充足しているように感じられました(なんというか、Asteria WarpやDataSpiderを彷彿とさせる印象です)。

Google Cloudのサービスということもあり、Vertex AIやBigQueryとの連携などの親和性が高い所は一つ特徴的であるように見えます。これはGoogle Cloudサービスで情報環境を固めている企業には持ってこいのツールかもしれません。

MulesoftやBoomiが得意と言われるようなAPI管理の機能は Application Integrationに持つのではなく、その上位機能であるApigeeが担うようです。

InfomaticaやDatabricksが提供するデータカタログの機能は、機能としてないまたは充足していないように見受けられます。これについては、別のサービスで補完するのか、今後のリリースでアップデートされるのか気になるところです。

パブリッククラウドの一角の新作iPaaSによって、ETLは根絶されるのか、引き続き動向に注目したいと思います。以上、お付き合いいただきありがとうございました。




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