立脚中期のバックニーをとめたい!
こんにちは、義肢装具士のみうらです。
脳卒中片麻痺の歩行において、たびたび問題になるのが「バックニー」の問題。膝のロッキングとも呼ばれる現象です。
短下肢装具でバックニーを防ごうとしたものの…ということありませんか?
一般的には、短下肢装具の初期背屈角度(底屈制限の角度とも言えますが今回は背屈角度で統一します)を0度→5度などに変えると、立脚中期に下腿が後傾しにくくなりバックニーが出にくくなると考えられます。
でもそれって実は、足底が床にしっかり着いていることが前提なんですよね。
4コマ目にあるように足先が浮いてしまえば、いくら背屈させてもバックニーはおさまりません💦
バックニーのことで頭がいっぱいでどんどん背屈角度をつけてしまうと、今度は立位がうまくとれなくなってしまいます。
個人的には背屈角度は5度ぐらいまでが限度と考えています。
では、この場合どうやってバックニーにアプローチすればよいのでしょうか。
私は二通りのやり方があると考えています。
まず一つ目は、膝装具であるCBブレース(反張膝用)を併用、もしくはCBブレースと短下肢装具を繋いで長下肢装具にし、立脚中期のバックニーを抑える方法。
CBブレース(反張膝用)は「反張膝用」と名前が付くだけあって、反張膝に対する抑制効果がとても高いです。
デメリットは高額になることと、装具が大きくなり装着の手間が増えることです。
二つ目は、短下肢装具の背屈角度を、足先が浮かない程度に調整しリハビリを続ける方法です。
この方法では完全にバックニーを防ぐことはできませんが、反張膝の進行予防にはなります。
どちらが正解というわけではありません。装具を使う方のライフスタイルや希望に沿って決めていくのが一番だと思います。
そして大事なのは装具を作った後の経過をしっかりと観察し、反張膝の増悪や、ほかの問題がおこったときに適切にフォローできる体制を整えておくことです。
生活期のリハビリは長期戦です!焦らず、慌てず、諦めずアフターフォローを続けましょう(^^)
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