見出し画像

【10秒で読める小説】齟齬があった

うちの美しい猫は、僕のことが大好きだ。膝で丸まる姿はさながら独占欲の強い恋人だ。

でも今日用意した餌には、どういうわけか口をつけない。僕を見上げて鳴くばかり。
そうだ、猫語翻訳アプリを入れたんだった。
スマホをかざすと、

「下僕よ。いつもよくやってる褒美だ。コレ食っていいぞ」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?