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【10秒で読める小説】タイムラグ

私は某寺の地蔵だ。
毎夜、参拝者のもとを訪ねて願いを叶えている。
時間も手間もかかるが、人々の願いの為には致し方ない。

今夜もある男を訪れた。
「待たせたな。同級生のミカちゃんと両想いにしてやろう」

「それ、二十年前の修学旅行で行った時の願いだろ?
やめろ、俺の家庭を壊さないでくれー」

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