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牡蠣ぴー
2020年11月3日 12:46
-作文-将来の夢 石田 咲(いしだ さく)僕の将来の夢はお花屋さんになることです。お父さんとお母さんがやっているお花屋さんを一緒にやることです。毎日キレイなお花をお客さんに渡してます。お父さんとお母さんはお客さんにお花を渡す時とてもニコニコしてます。そんなお父さんとお母さんみたいなお花屋さんになりたいです
2020年11月3日 12:50
真っ暗な闇の中。目を開けた先に淡く小さい光が浮いている。その光は僕から徐々に遠のいていく。その光に近付けば近づくほど光どんどん早く僕から離れていく。「置いてかないで!!!!!!!」声にした途端、淡く小さい光は何も無かったかのように消えてなくなってしまう。また真っ暗な闇の中でひとりぼっちだ。何かを忘れてしまったかのようにぽっかりと空いた心の穴は目を覚ましても埋
2020年11月3日 12:52
「この花綺麗ですね。」開店直後の店内で僕に声掛けてきたのはOLらしき女性だった。「この花ですか?」「はい。とても綺麗な色。」「この花はアルストロメリアっていう花でして、 花言葉は”持続”と”未来への憧れ”などですね。」「へー。」「花の色はピンクなので”気配り”もそうですね。」「詳しいんですね。」「伊達に花屋じゃないので。」女性はクスッと笑い、「じゃ
2020年11月3日 12:55
「おにいさん。」声をかけてきたのは先日のOLらしき女性であった。「どうされました?」先日来店された際は通勤服であったが今日は私服のようだ。「今日もお花を買いに来ました。」前回同様ニッコリとした笑顔で「あの花を買ってから、 お花を眺めるのが日課になってしまって。」放つ言葉一つ一つは前回と変わっていた。「あ、あの紫色の花。とても綺麗ね。」「これはラベンダー
2020年11月3日 12:56
女性が去った数時間後、花屋の前を汗だくの若い男性が通った。ただ通るだけであれば印象にも残らなかっただろう。しかしその男性は花屋を前にしてこちらをキツく睨み走り去って行ったのだ。僕は訳も分からず、女性の事と男性の事でモヤモヤさせながらその日の店じまいを始めた。目を見れないほどの顔をしていた女性。こちらをキツく睨む男性。「たまにある不運な日だったのだろう。」そう
2020年11月3日 12:57
夜もまだ明けない頃。外からする物音で目を覚ました。誰かが店のフェンスを叩いている。何か言ってるようだ。酒の入った寝ぼけた頭では処理が追いついていなかった。時計を見ると1時過ぎだった。重い身体を起こして店へ向かう。ドンドンと叩く音と男の声が聞こえる。「おい!いるんだろ!!出てこい!」フェンス越しに男へ話しかける。「裏口から行くので少々お待ちください。」自室
2020年11月3日 12:58
男は優花の彼氏で浩平と名乗った。浩平の言う話によると元々花を見たり、育てたりするのが好きだった優花は休みの度、ホームセンターなどへ行き花を購入したり、種から育てたりしていた。しかし、ある時に勤め先の会社から急に解雇通知を渡された。上司に掛け合った所、理由は有耶無耶にされたとの事だ。それでは納得のいかなかった優花は会社の知り合いなどに話を聞いて回った。すると
2020年11月3日 13:00
絞り出した優花の言葉は思いもよらぬ出会いになった。アルストロメリアとの出会いだった。先の考える余裕さえない優花にとって僕の放った言葉、アルストロメリアの持つ花言葉は救いの手であった。「持続」長く楽しんでいた趣味からの出会い「未来への憧れ」今後の未来への憧れそして「気配り」親に名付けられた名前の由来『優しい花ような女性になりなさい。』アルストロメリアを購入す
2020年11月3日 13:01
「睨んでたつもりはなかったんです。 ただここかと思い見てました。」「いいんですよ。仕方の無いことです。 ちなみにラベンダーの花言葉はどこで?」「走った先に公園があって そこで休憩をしながら調べました。」「そうだったんですね。」「はい。こんな夜遅くなのにすいません。 俺も気が気じゃなくて。」「気にしないでください。」そして僕はおもむろに席を立ち
2020年11月3日 13:03
その後2人がどうなったのかは僕は知らない。ただ一つ変化があった。花屋を続けていて、ずっと空いていた心の穴は静かに埋まっていた。浩平が帰ったあと、僕はもう一眠りをした。その夢の中で真っ暗な闇の中にいる淡く小さい光が僕に話しかけてきた。「よくやった。」これがどう言う意味なのかはイマイチわかっていないがおそらくあの二人のことであろう。最近はとても楽しく花屋をやっ