見出し画像

音楽は譜面にあらず!・・・音にありき!

オリジナル作品を楽譜出版する事となり、改めて採譜する事となった。
 
MasahiRo作曲「BALLADE」——ソロヴァイオリンのために書かれた、オリジナル作品である。
 
作曲する人って どんな風に曲ができるのか わからないが、
MasahiRoさんを見ている限りでは、すでに頭の中に ぽわーんと浮かんでいるように 曲を書いている。
それは、もちろん楽譜として浮かんでくるのではなく、すでに完成された音楽として、頭の中に流れている様だ!
「譜面に書く時間が、浮かんでくる音楽に追いつかない!」と、よくMasahiRoさんはつぶやいている!
それこそ 瞬時にほぼ完成された音楽が出来上がっているのだろう・・・
実際、この「BALLADE」も 書き上げるまで1日どころか、数時間で書き上げている。
(音数が多いので、譜面に書き込むのに時間をとられているだけらしい・・・)
最近では、3日で21曲のBOHEMIAN DANCES “HUNGARY” (Private Note Live PREMIUM“HUNGARIAN SONGS”公演で演奏する新曲)を作曲・・・
ただただ 驚くばかり・・・!
(すみません!私基準に 驚いてますが・・・)
更に驚くのには、実際譜面がなくても すでに完全に曲として演奏しているのだから——
「譜面は ただのメモ・・・⁈」
 
さあて、このメモ書きのような譜面——
楽譜を出版!となると・・・他の人が見て演奏できるように 楽譜を完成させなければ!
 
ということで、客観的な目で見てわかるように・・・と、私が採譜する事に。
作曲されたこの作品を自身で演奏した音源と、メモ書きのような譜面とを比べながら、私の慣れない採譜作業がはじまるのです・・・
 
「BALLADE」——この作品はというと・・・
最初に 自由で即興的な部分がしばらく続き、やがて舞曲風のメロディが顔を出てくるが、合間にカデンツァ的な部分で曲を繋ぎながら 更に音楽は展開していく・・・が、音楽は一遍。静寂を得るかに見えて・・・怒涛のクライマックスへと 一気に流れ込んでいく。
非常にストーリー性のある作品——まさに 「BALLADE」なのです!
 
自由な即興部分、カデンツァ部分が多いこの作品。
自由自在に行き来する音の数。
記譜する事の大変さを早くも知るが、こんな次元の事ではすまされない事態に!!!
 
民族色濃い装飾音——この表記は・・・装飾音符として処理するには、伝えきれないニュアンスの違い!
実音でも、ハーモニクスでもない微妙な音色・・・どう表記しよう・・・
これまた音程の話になるが・・・通常の12音(ドレミファソラシと黒鍵5音)には当てはまらない そのまた中間の音。 
ドでもないし ド#でもない その間の音・・・どう記譜しよう・・・
音価についても ご多分に漏れず・・・なのです! 
微妙な長さの違い・・・何音符になるのか・・・正確言って 割り切れない音価!・・どうしよう・・・
標語においては 更に難しい!
ぴったり、しっくりくる標語が みつからない・・・
哀しみを込めて・・・いや、待てよ・・・悲劇的な悲しさ、ではないし・・・むせび泣くような悲しさでもなく・・・そこはかとなく・・・かなぁ・・・
言葉に表せない表情、表現・・・だから、音にして表現しているのでは・・・と、矛盾すら生まれる!
こんなに 色んなものが詰まった作品!
是非とも 楽譜に込めたいのに・・・これが限界か・・・
 
最終的には、作曲者に確認。
このあたりかなあ・・・というところに、落ち着きました!
 
つまるところ、表現したい音楽を楽譜にするのには、あまりにも限界があって、伝えきれないって事!
やるせないなあ・・・
 
作曲家の気持ちになれた瞬間である!
 
でも 嬉しい発見!!!
楽譜って、便宜上のメモであって、最後は 情感!! 感性!!
音の世界は 音でしかわからない! 音でしか伝えられない!
それが 音楽だって事!!!


次回に つづく・・・