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日記 2023/4/2


中村嶺亜さんが26歳のお誕生日を迎えたそうだ。めでたい。記念して短歌を作りました。

難産だった……慌てて当日捻り出すほかなかった。こちらのコンディションの問題でもあるけど、彼は特に短歌にさせていただけるような隙がなさすぎる。こんなもの読んでもらうよりもパフォーマンス映像で彼が抜かれる2秒の方がよほど情報量が多く、よほど彼がこれまで一身に受け、そして我々に与えてくれた愛と信頼の功績を理解することができる。

昨日の「らじらー!サタデー」面白かった。

矢花くんはトムとジェリーのジェリーになりたいらしい。オタクに向かってなんだそのかわいい願望は。
たまたま矢花くんみたいなジェリーのTシャツを持っていたので勝手に最高にならせていただいている。お気に入りがさらにお気に入りになったよ。

そんなことはどうでもよくて、番組終盤の対決企画に勝利し、リクエスト曲の放送権を手に入れた矢花くんが選んだのは、なんと昨年発表した自作曲『Swan Lake』だった。
これは7 MEN 侍が昨年5月にシークレットゲストとして出演したRakuten GirlsAward 2022 Spring/Summerのパフォーマンス内で、ダンスセクションからバンドセクションへの転換のために制作されたインスト楽曲である。タイトルの通り、主旋律にバレエ組曲『白鳥の湖』のかの有名なフレーズがサンプリングされている。ポップでパーカッシブなイントロから電子音に重なる幻想的で怪しげな『白鳥の湖』のメロディ、そして重厚で疾走感のあるバンドサウンドへの展開が目まぐるしい、ただの曲間の「つなぎ」に留まらない聴きごたえ満点の大好きな楽曲だ。グループでの披露時は後半のバンドパートは各メンバーのソロパートになっていたが、今回は"矢花バンド"によるセルフカバーなので若干リアレンジされ、より彼らしいハードロックテイストが全開になっている。
わたしがこの曲を聴いたのはこれまで2回、先述のガルアワを配信で見ていた時と、その翌月の単独公演『Johnnys' Experience』に行った時である。どちらもとても良いパフォーマンスだった。ガルアワは幕張メッセという大規模な未踏の会場、彼らのことを知らないアウェーな観客層ということもあり、どうにかして爪痕を残してやるぞという気迫を感じられた。聴くからにこだわりの詰まった濃密なサウンドとその後のブログに記された果てしなく長い制作レポートからも、矢花くんがこの曲で一世一代の大勝負を賭けていたことがよくわかる。
続くジャニエクでも同曲がインターバルとして使用されていた。ジャニエクは7 MEN 侍の単独公演としては珍しく、比較的"キラキラ"路線が強めのセットリストでとても楽しかったのだが、1曲目のHey!Say!JUMP『Last forever』に象徴される御伽話のような世界観に、『白鳥の湖』のクラシカルなメロディがよく似合っていた。
音楽の知識がマジでないため楽曲そのものについてはもう上記のリンクから聞いてくれ(一番下の再生ボタン→44:26あたりから聴けます)としか言えないが、この大サブスク時代にCDデビューもままならない立場でありながらあの手この手で自分の曲を聴かせてくれようとする矢花くんのひたむきさが本当に大好きだなぁと思う。


昼まで寝て『明るい夜に出かけて』大阪千秋楽を観に行った。

16:30開演は早い。
千秋楽だからか思わぬアドリブが増えて、客もそれに応えて笑いがよく起きていていい空気感だった。

昨日できなかった好きなシーンの話。
昨日のシーンの続きで、公演終わりの佐古田に富山一行が挨拶に行く。佐古田は喜んで富山に抱きつくが、他人からの意志を伴う身体接触に強い拒否反応が出てしまう富山は、佐古田を突き飛ばしてしまう。富山は「また女の子にひどいことを」と自責の念に駆られながら、その体質ゆえに交際相手とトラブルになった過去を打ち明ける。
それを聞いた佐古田の第一声は「おかしいよ」。相手が嫌がることをさせておきながら、自分が傷つくなんておかしい。恋人同士だからって手を繋いだりキスをしたりセックスをしたりするのが当たり前だと考えるのはおかしい。キスを迫る男を女がひっぱたいても何も言われないのに、男女が逆なら拒否した男性側が責められるのはおかしい。
佐古田の主張はどこまでも正しい。言うまでもないくらい正しいのにこのくそったれた世の中では言っても伝わらないことがあまりにも多い。そんな中なんの躊躇いもなく「おかしい」と声に出してくれる佐古田は、富山にとって、そして恋愛や性的関係に全然興味が持てないわたしにとってどれだけ救いだろう。
と同時に、佐古田はそうして我々を掬い上げるためだけに装置として造形されている人物ではないことに思いを馳せる。才能あふれる変わり者ながら、学校では「クラスのみんなに合わせてる」らしい佐古田。富山らと意気投合している様子から想像するに、佐古田自身も自分が"女性である"ことで社会に築かれた見えない壁を感じたり、定型を押し付けられて苦しんだりした経験があったんじゃないだろうか。たとえば友達として楽しく接していた異性の相手から、あるいはその周囲の人間から勝手に恋愛関係と誤解された、とか。
想像でしかないがもしそうだとしたら、まだ10代なのに世間に流されることなく、固い意志で「おかしい」と言える佐古田は、やはり富山も言う通り「俺なんかよりずっと大人だ」。
思い返せば別のシーンでも、佐古田は破天荒でありながら相手が本当に嫌がることは絶対にしない。富山の今のラジオネームを教えられても誰にも言わなかったし、「(ラジオのイベントに)乱入すればいいじゃん」と話す富山に対しても「好きなもの、好きな人、ブチ壊したくないでしょうや」と答えている。ファーストネームの通り「愛」の人だ。
あとは富山が副店長に復学を伝えるシーンもすごく好きだったな。何も大丈夫ではないし、だからといって具体的に助けてほしいわけでもないけど、誰からでもいいから「大丈夫か?」って聞いてもらって、「わかんない」って答えるだけでなんか安心する気持ち、すごくわかる。
ほかにも語り出すとキリがないけど、この作品はこれからも日常の端々に思い出しては、張り詰めた気持ちを少し緩めてくれる、そういう作品になっていくような気がするからこのあたりにしておく。本当にいい舞台だったな。高崎公演も頑張ってください。


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