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2023年の振り返り と 2024年の活動

みなさん、 新年あけましておめでとうございます。
ソーシャル・プロジェクトマネジメント研究会 代表の大久保です。
皆様はどんな年末年始を過ごされていらっしゃいますか?
私は、忘年会が復活し「懐はさみしかれども心豊かな年末」と、年明けに持ち越してしまった賀状をしたためるのに多忙な年始を迎えています。

さて、年明け第一弾のブログは 恒例の昨年の活動の振り返りと今年の活動についてお話しします。

■2023年の振り返り

2023年は「ソーシャルPM手法の見直し」「部会の活性化」という二大テーマに悩みながらも、部会メンバのひたむきな努力のお陰でなんとか乗り切った年でした。

図1:2023年の活動計画と実績
(凡例)予定…青三角、実績…橙三角

活動を振り返ってみると、大きなトピックは以下2点です。
1)「部活」というワーキンググループ(以下WG)を超えた有志での活動
2)ソーシャルPM手法の「おさらい」と「見直し」

1)「部活」というワーキンググループ(以下WG)を超えた有志での活動

2023年は部会の活性化施策の1つとして、活動を実施したい人が有志メンバを募る「部活」というシステムを始めました。これにより当初計画にはなかった成果物・価値を生み出すことができました。
具体的には主に以下3つの活動を行いました。

・入会ガイダンスの作成
従前より「新規入会メンバに対するフォローが不足している」という課題認識がありました。これに応えるために「入会ガイダンス」を作成する有志が部活を立ち上げました。お陰様で8月に一旦完成を迎え新規入会者にも好評を博しています。

・短編動画の作成
昨年はPMI日本支部設立25周年の年でした。それを機にプロジェクトマネジメントに関する短時間映像教材を作成する企画が支部全体として始動。当部会でも、まずは動画作成の部活を立ち上げ、昨年はまず第一弾として4本の動画発信を行いました。
 a) 少々高齢化社会を活性化する多世代交流ネットワークの構築(その1)
 b) デジタルデバイド問題を解決するプロジェクトマネジメント
 c) 日常の「プロジェクト」にプロジェクトマネジメントのエッセンスを!
 d) 苦手を克服する冴えたやり方

当部会は「PMI日本支部映像教材チャンネル」で今後も発信を続けていく予定ですので、チャンネル登録をよろしくお願いします。

・シニアPMコミュニティの立ち上げ
日本の最大の社会課題として「少子高齢化」が挙げられます。部会内には、以前から一貫してこの課題解決にチャレンジしようとしているメンバが存在しており、昨年は日本フォーラムや(前述の)短時間映像教材でそのテーマに関して発信を行いました。この課題の解決には「シニア」「ミドル」「若者」といった多世代が交流し、相互理解・相互扶助する社会に変革していくことが肝要であると考え、「PMI日本支部」からムーブメントを起こすための部活を、まずは部会内で立ち上げました。現在、PMI日本支部内にシニアPMのコミュニティを発足させるべく準備を行なっています。

2)ソーシャルPM手法の「おさらい」と「見直し」

当研究会では東日本大震災の復興支援活動をきっかけとし、約10年前から「ソーシャルPM手法」の研究・開発・普及活動を行ってきました。当時はまだPMBOKも第4版。ステークホルダーマネジメントが知識体系に含まれていませんでした。時代の流れと共に、PPPM(ポートフォリオ、プログラム、プロジェクト マネジメント)がPMI標準として取り入れられ、アジャイルや価値実現の重要性がPMBOKに組み込まれることになり、近年はソーシャルPMの基本概念はプロジェクトマネジメントとして一般化してきたように感じていました。当部会の内部でも「ソーシャルと非ソーシャルの違いはなんだ?」「手法と言っているが、これまで普及活動としてワークショップで扱ってきたのはツール。手法とはなんなのか?」という議論がありました。
そこで、昨年は部会内で勉強会を月2回、全15回開催し、これまで外部発信してきたソーシャルPM手法についておさらいをしました。それにより少しずつ「曖昧だった箇所」「実際には活用頻度が少ないツール」などが見えてきました。
 その一方で、WG2がリードをして「ソーシャルPM手法の見直し」を開始。ソーシャル活動を行っている企業やNPOなどに「どんな課題や問題があるのか?」ヒアリングを行いました。これにより「マネタイズ」「人事育成」「組織のエンゲージメント」などが共通の課題として炙り出されてきました。

■2024年の活動

今年は、昨年からの活動のいくつかを継続しつつ、少しずつ外部への発信を増やしていきたく考えています。

図2:2024年の活動計画

毎年恒例の「日本フォーラムでの発信」「ブログによる情報発信」は継続します。加えて、PMI日本支部内の他の研究会・委員会とのコラボレーションを増やしたり、部会メンバ個人のソーシャル活動の支援などを行うことで、部会メンバの新たな活躍の「場」の提供をしたく考えています。

以下2点については継続して重点的に実施する予定です。
1)ソーシャルPM手法の見直し
2)コミュニティキャピタルに関する研究

1)ソーシャルPM手法の見直し

今年は抽出課題についてまとめ、解決案を検討した上で、実際にトライアルにご協力いただける団体と共に有効性の検証まで実施したく考えています。

2)コミュニティキャピタルに関する研究

コミュニティキャピタルは、「社会関係資本」と訳される「ソーシャル・キャピタル」の一部で、特に「コミュニティ活動」を活性化するための原動力のことを指します。(研究活動における定義としては「特定のメンバーシップによって明確に境界が定まる成員間でのみ共有され利用される関係資本」
となっています。) 研究会内においても「自組織の活性化」が課題でもあり、プロボノ支援などで相談される内容として「組織の活性化」「エンゲージメント」はよく話題に挙がります。このテーマに関してリサーチクエスチョンを立て、研究を深めていきたく考えています。昨年末に「名刺等の組織名称やシンボルを含むものを所有することで、組織へのエンゲージメントが向上するか?」について研究しようという案が挙がってきました。
皆さんはどう思われますか?

昨年の活動成果を受け、今年も「部活」を継続実施し、部会メンバの意向を汲み取りながら柔軟な運用を行いたく思っています。

ソーシャルPM活動、ソーシャルPM手法の開発、部会の運営、いずれも試行錯誤をしながらの活動ではありますが、そこに面白味や醍醐味があると感じています。
 「ソーシャル活動に使えるPM手法を研究・開発したい」
 「ソーシャル活動にPMスキルを活用してみたい」
 「ソーシャル活動をしているのだけど、うまくいっていない」
という個人・団体の方がいらっしゃれば、是非ご連絡ください。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。そして、今年も引き続きブログをお楽しみください。

2024年 元旦
PMI日本支部 ソーシャル・プロジェクトマネジメント研究会
代表 大久保 剛

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