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【補助金】早期経営改善計画

こんにちは。
元銀行員の岩瀬 好史|財務コンサルタントです。

現在は主に、元銀行員による資金調達支援を中心とした「社外財務担当者サービス」という名前で、財務面から中小企業の経営を支援しています。

経営改善計画と聞くと、

・業績がかなり悪化して、融資の返済などが難しくなった企業が作る
・計画書全体で10~20ページくらいあって、作るのがすごく大変
・専門家に依頼しないと作れないので、それなりに費用がかかる

といったイメージが一般的で、何回か赤字を出したくらいなら「自社はまだ(経営改善計画を作らなくても)大丈夫。」と思っている方も多いかも知れません。

ただ、「そろそろ(経営改善計画を)作らないといけないかも?」と思ったときには思っていた以上に業績が悪化していて、経営状況を立て直すための選択肢が限られてしまっていることも多いです。

そういったことが起こらないように活用したいのが早期経営改善計画です。

この記事では、「早期経営改善計画とは?」「期待される効果(メリット)」「注意点(デメリット)」といった内容についてお話ししたいと思います。


早期経営改善計画とは?


概要

中小企業庁のHPより

本事業は、資金繰りの管理や自社の経営状況の把握などの基本的な経営改善に取り組む中小企業者等が、国が認定した税理士などの専門家である認定経営革新等支援機関の支援を受けて資金繰り計画やビジネスモデル俯瞰図、アクションプランといった内容の経営改善計画を策定する際、その費用の2/3を補助することで、中小企業者等の早期の経営改善を促すものです。

中小企業庁のHPより
中小企業庁のHPより

詳細は以下のURLより中小企業庁のHPをご覧ください。

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/04.html

対象者

今のところ返済条件の変更等は必要ないが、

・ここのところ資金繰りが不安定になっている
・原因がわからないが売上げが減少している
・自社の経営状況を客観的に把握したい
・自社のガバナンス体制の整備状況を確認・整備したい
・専門家から経営に関するアドバイスが欲しい
・経営改善の取り組みをフォローアップしてほしい

中小企業庁の資料より

期待される効果(メリット)


対象者の範囲が広い

中小企業庁の説明を見ると「資金繰りの管理や自社の経営状況の把握などの基本的な経営改善に取り組む中小企業者等」とありますが、中小企業(特に売上が数億円以下の企業)で「資金繰りの管理や自社の経営状況の把握など」をしっかりと行っている企業は多くありません(どんなに多くても半分以下だと思います)。

また、赤字ではなくても、銀行から融資を受けていなくても対象となるため、個人事業主を含むほとんどの企業が対象となります。

計画書全体で5ページほど、専門家と一緒に作成

計画書全体のボリュームが少ないだけでなく、中小企業庁から計画書のひな形や作成マニュアルなども公表されています。

また、経営の専門家として国に登録している認定経営革新等支援機関の支援を受けて計画を作るため、これまで一度も計画を作ったことがないという方でも安心して取り組めます。

補助金を受けられるため自己負担が少ない

計画の作成とその後の伴走支援を含めて最大で25万円(補助率2/3)の補助金が出ます。

ほとんどの専門家が補助金から逆算して支援費用を決めているため、費用総額(税込)は37.5万円以内(自己負担12.5万円以内)に収まることが多いです(補助金は国から専門家に直接支払われるため、通常の補助金のように立て替える必要はありません)。

注意点(デメリット)


しっかりとした計画を作るのは簡単ではない

そもそもの話になりますが、しっかりとした計画を作るのはすごく大変です(中小企業だけでなく、大企業も苦労しているはずです)。
また、中小企業の場合は計画を作るために必要な社内データなどが整備されていないことが多いため、初めは自社のことをよく分からないまま計画を作らないといけないことがほとんどです。

現実的な話として、初めて計画を作る場合は「計画を作るというのはこういうことなんだな」という雰囲気を感じて、「自社のことをあまりよく分かっていなかったんだな」と気づくだけでも意味があると思います。

専門家が手伝うのは計画を作るまで、実行は自社で行う

中小企業庁の説明を見ると「計画策定後も専門家が伴走支援します。」となっていますが、伴走支援を行う頻度は1年に1回程度で、伴走支援の内容も計画と実績を比較して分析することが中心です。

どれだけしっかりとした計画を作っても、最初の1ヵ月目から想定外のことが起きるのが普通で、随時対応して計画を修正していく必要がありますが、その部分は自社で行わないといけません(しっかりとした伴走支援が必要な場合は、本件とは別に顧問契約を締結することが多いです)。

専門家にとって期待できる報酬が少ないため、しっかりと取り組んでいる専門家が少ない

しっかりとした支援を行おうとすると割に合わないため(コストを回収できないため)、中堅以上の規模の専門家は早期経営改善計画の作成を支援していないところが多いです。

逆に力を入れている専門家は、ヒアリングシートなどのテンプレートを活用してコストを下げているところが多いです(しっかりとした計画の作成はあまり期待できません)。

まとめ


対象者の範囲が広く、自己負担も少ないため、これまで一度も計画を作ったことがないという方にとっては、自社の経営状況を専門家の支援を受けながら確認できる良い機会になるかと思います。

しっかりと支援してくれる専門家を探すのは大変ですが、ほとんどの銀行や税理士などが認定経営革新等支援機関として登録しているため、まずはメインバンクの担当者や顧問税理士などに聞いてみてください(私たちも認定経営革新等支援機関として登録しています)。

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