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『フィスト・オブ・ザ・ノーススター~北斗の拳~』が素晴らしいという話④~リン編~

こんにちは、織葉です。

今回はリンちゃんの見所と感想を軸にお届けします!
もうここまできたら書ききる!さあnote仕上げるよー!(マミヤ的な)

役でもカンパニーでも、最年少。でも、誰よりもエネルギーに溢れ、まっすぐな強さを持つリンというキャラクター。リンを演じる山崎玲奈ちゃん、 桑原愛佳ちゃんの輝きが本当に眩しい。

さあ行きましょう!

リン(山崎玲奈 / 桑原愛佳)

演じるのは山崎玲奈ちゃん、桑原愛佳ちゃんのダブルキャスト。山崎玲奈ちゃんは初演に引き続きリンちゃんを演じてくれています。
親を目の前で殺されたことで心を閉ざし、喋ることができなくなってしまった少女、リン。ケンシロウと出会い、その優しい心に触れたことによって心を開き、言葉を発することができるようになりました。
ケンシロウ、バットと共に旅をする中で、少女でありながらまっすぐな心の強さを持って暴力に立ち向かう姿に、どれだけ勇気をもらったことでしょう。山崎玲奈ちゃん、桑原愛佳ちゃんが演じ、その歌声の力強さ、純粋な眼差しによって、より一層リンというキャラクターの輝きに引き込まれ、心掴まれてしまいました。

希望

1幕、ケンシロウ・バットとの旅の序盤で、種もみを自分の村まで運んでいたミスミ爺と出会います。その会話の中での、「これ(種もみ)は、明日への希望なんだ。」というミスミ爺の言葉を聞いたリンは、弱い人も子供も、米を分け合って生きていける未来に目を輝かせます。

ここで歌われるM3『心の翼』。
子供たちの光ある未来を掴むために闘うケンシロウ。そして明日への希望の種を手に、仲間の待つ村を目指すミスミ爺。リンとバットは「自分を信じること」の大切さを二人から学びます。
そしてケンシロウの、「悪魔たちに決して従うな」と歌う場面で、笑顔で、そして力強く頷くリン。

暴力であらゆるものが奪われる終末の世界で、「希望」という言葉を聞いて、純粋に目を輝かせられる。これはリンちゃんの強さですね。
擦れてしまったり、未来を信じられなくなってしまっても、こんな世界では普通だと思います。それでもリンちゃんは、決して諦めないし、まっすぐに未来を信じて生き抜いている。
そして、未来さえも自分自身で掴もうとするリンちゃん。

この強さは、リンちゃんがもともと持っていた強さだとわたしは感じています。ケンシロウと出会い、共に過ごす中で、本当の自分を取り戻したリンちゃんの、本来持っていた強さだと。

この真実を選ぶ

1幕中盤。リンやバットが過ごしている村にケンシロウがいない状況で、拳王軍が攻めてきます。食料もすべて奪われ、「拳王に忠誠を誓う(奴隷になる)」か「死ぬか」の2択を迫られます。
武器を持ち武装した兵士に村を襲われ、怯える村人たち。「ケン達がいれば…!」と震えるバット。
「忠誠を誓うしかないよ。自由がなくたって、殺されるよりはましだよ!」
村人が言ったその言葉と、それに頷く周りの様子を見ていたリンは、
「私は、嫌。」とまっすぐに伝えます。

「殺されるんだよ!!」そう言われてひとり走りだすリン。
「悪魔に従えば人間じゃなくなるって、ケンが教えてくれたから!」
そうして始まるM10『最後の真実』。

親を殺され、穏やかな暮らしを奪われ、そんな世界でたったひとつ、「いつかは平和がくる」という希望だけが、リンちゃんの信じる真実。
そしてその真実を守るために、「自分を信じること」、どんな時も「人間として生きること」をリンはケンシロウから学んでいます。
闘うことを決めたリンの、迷いのないまっすぐな瞳。
少し潤んだその瞳が恐れているのは、目の前の暴力ではなく、自分自身や大切な人たちを奪われること。

リンの決意を知った、バットと村人たち。あるものは震えながら、あるものはただじっと、その姿を見つめます。
だれよりも幼い少女が、果敢に暴力と、そして運命と闘おうとしている。逆らえば殺される、そんな相手に。
…じゃあ自分は?死にたくない、殺されたくない。でも、守りたい。もう何も失いたくない。
ひとりひとりが葛藤し、弱さや傷と向き合い、そして同時に、失いたくない大切なものが何なのか、それを再確認しているようでした。

「忠誠を誓う」か「死ぬか」の回答を聞くため、戻ってきた拳王軍の兵士。当たり前のように「忠誠を誓うよな?」と聞く兵士に、リンは「誓いません!」とはっきり答えます。兵士を強く睨み、殴られても、また歌い始めるリン…

そこに、震えていたバットがリンと共に歌い始めます。それを皮切りに、ひとり、またひとり、自分を捨てず、最後まで闘う決意を固め、暴力に立ち向かい、歌います。誰一人、兵士から目を逸らすことなく。
たとえ死んだとしても、この想いは風になってきっと誰かの想いの背中を押す。そうして、いつか「最後の真実」である平和な世界がくることを、『私自身』が選ぶ。

まっすぐに、兵士にその決意を歌い上げ、その強い眼差しと想いで兵士を圧倒。だれひとり屈することなく、ケンシロウたちが帰ってくるまで戦い抜きました。

わたしはこのシーンが好きすぎて、まずは一気に見所をまとめましたが、個人的にミュージカル『北斗の拳』で1番好きなシーンで、何度見ても鳥肌がたちます。

リンちゃんは、最初からずっと強いんです。バットが弱さを乗り越える物語だったのなら、リンちゃんはその強さで誰かを勇気づける物語ではないでしょうか。

誰だって死にたくないし、殺されるのが怖いのだって当たり前。奪われるのが当たり前になってしまった世界で、その当たり前に屈しない心を持ち続けることが、自分だったらできるだろうか。と、そんなことを考えます。

純粋な少女だからこそ、というのもあるのかもしれません。でも、あのまっすぐな瞳と、力強く響く歌声。それに圧倒されたのは、きっと劇中の兵士だけではなく、それを目の当たりにした会場にいるすべての人々だったと思います。

このシーンは、定期的に見返すことで、自分の心がこのシーンで動く限りはまだ人として大丈夫だと、ひとつの線引きにしたいと思うほど。
ちなみに、サンライズプロモーション東京公式様が大千穐楽のダイジェスト動画をアップロードしてくれており、このシーンの一部もみることができます。

ですが『フィスト・オブ・ザ・ノーススター~北斗の拳~』公式様、お願いします。何卒、円盤化を。円盤化をお願いします。この場を借りてお願いします。

ダイジェストでは…足りないのです!!!!

共に、未来へ

2幕、ラスト。ケンシロウがラオウとの闘いに勝利し、再会したユリアと共に去っていきます。バットは一度ケンシロウを呼び止めようと駆け寄りますが、そのバットに駆け寄り、止めるリン。目を合わせ、頷き、二人は新しい未来に向かって生きていくことを決意し、仲間と共に、力強く空を見上げるシーンで幕を下ろします。

ケンシロウとの別れは、リンちゃんもつらそうなんです。でも、ここでもケンシロウとユリアを見送ることをすぐに決意できるリンちゃん…心の強さは、登場人物の中で1番じゃないでしょうか。

山崎玲奈 ちゃんと、 桑原愛佳ちゃん。ふたりの演じるリンちゃんの、純真さと強さ。大人になってしまった私にとって、そのまっすぐなパワーをダイレクトに受け取ることができる機会があったことは、本当に貴重なことで、一生忘れられない瞬間になったと思っています。

もしも再演があっても、少女であるリンちゃんの役は、別の方がするのかもしれない。それでもきっと、2人が演じたリンの想いは風に姿を変えて、また新たな『リン』の背中を押すと、わたしは思っています。

桑原愛佳ちゃん。愛佳ちゃんの演じるリンちゃん、
少し前のめりなところがかっこよかった。
拳王軍の兵士を指さして詰め寄るところとか。
リンちゃんの心の強さが、仕草や行動、
歌声にも力強さとして出てるところが素敵でした!

山崎玲奈 ちゃん。初演から、素晴らしい歌を本当にありがとう。
玲奈 ちゃんの歌声に込められた心の強さで心が震える瞬間、
そして初演・再演と、その機会をたくさん貰えたこと、
本当に幸せな時間でした。
リンちゃんを玲奈ちゃんが演じてくれて、本当によかった!

お二人とも本当にありがとうございました!!

少し時間が経ってしまいましたが、リンちゃんも無事書き終えられました。
次回は、シン編を書こうと思います。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!!!


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