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#13 「高速でゴミプロダクトを生み出していないか?」

今回は、毎日山のように生まれているGPTのAPIを使ったプロダクトについて感じたプロダクトマネージャーとして心がけたいことをお話しました。


ChatGPT関連サービスが大量に開発されている

はち :ジョンさんはジピってますか?

ジョン:あんまり使ってないですね。たまに暇つぶし程度に使ってます

はち :ジピるって言うらしいですよ。

ジョン:その単語は初めて聞きました。

はち :言うというかChatGPTのOpenAIの日本担当のシェインさんが「チャトる」か「ジピる」か「チャピる」か、どれがいいですか、みたいにやってて、昨日あたり「ジピる」に落ち着いたらしい。最近、完全にニュースがChatGPT一色じゃないですか。

ジョン:Twitterとかで回ってきますよね、チャットGPTを活用した仕事術みたいな。

はち :Qiitaとか7割ぐらいChatGPT関連じゃねえかみたいな気がしてて、天邪鬼な自分からするとあえて違うものを探しに行きたいっていう気持ちになっちゃうんですけど。これだけ情報が溢れたのは、改めてAPIの公開があったからと思ったんですよね。今までブラウザとかでスクリプトというかプロンプト投げて遊んでたのが、自分たちのサービスと連携できるぜみたいなところになったんで、個人開発もスタートアップ企業とかでもそこをめちゃくちゃ今がチャンスだってスピード感出して開発してる会社が多く出てきたなと思うんですよね。それがめちゃくちゃ毎日あってなんなら見切れないし、もういいやってなってる自分がいるっていう状態。一方で今日はうがった目でその現状を見たいなという性格悪い話です。良い面から言うとみんなが誰よりも早く作って評価や話題得てやるぜみたいな状態って久々というか、あんまり味わってきてないなと思ってて、ゴールドラッシュっぽいなと思うんですよね。一攫千金を目指して、アメリカの奥地の炭鉱になけなしのお金をはたいて入っていって俺が先に金脈を見つけるぜみたいな、そんなにおいを感じているんですよね。でも金脈を手にするのってゴールドラッシュも含めてひと握りじゃないですか。その過程で命を落としていく人や引き返す人が出てくるのと同じで、今この過程で、言い方を選ばず言うと、いくつものゴミプロダクトが高速で生み出されている気がするっていう気がするんですよね。そこでプロダクトマネージャーとして結構思うのは、一発屋がいっぱい生まれるんだろうなっていう。みんながオッパッピーって言ってるみたいな。

ジョン:オッパッピー好きなんですけど、そういう一発屋さんたちが出てくると。

提供する価値を考えられているか

はち :確かにオッパッピーは一発屋とは言えないかもしれない。3発屋ぐらいかもしれない。それはいいんですけど、一過性の話題作りのために労力めっちゃかけすぎじゃねって思ってて、一発当たればそのプロダクト10年続くんですか?とか、中長期的に価値提供し続けられるんですか?って思ったんですよね。とにかく目に映るのは新しく起業していろいろやってたんだけどこっちに舵を切ります、そしてこっちで一発当ててまずは話題をねこそぎいただくみたいな、一発屋と分かっているのか、中長期的にこれが価値があると思う思わないの前にスピード感を重視しているような気がしていて、スピードも大事だけど質が置いてかれてる気がするんですよね。

ジョン:スピードと質の話とはちょっと違うけど、某フランチャイズみたいな結構、タピオカとかがめっちゃ流行ってる時に、もう恐ろしいほど出店していったけど、やっぱり一過性で終わるので、それと同時にかなり失敗した人もめちゃめちゃいたと思います。流れに乗るのは大事かもしれないですけど、その流れの先に何が待っているのか、そのためにどういう価値を提供し続けることができるのかっていうのは、ちゃんと考えながら走る必要がありますよね。

はち :そうそう。ちゃんと考えてる人はちゃんと考えてるんだろうけど、結構気になるのがマネタイズで、OpenAIのAPIがみんなに公開されてるってことは、それぶっちゃけ誰でも叩けるわけですよね。ある意味、叩く回数によって課金とかはあるけど、それを使ったところでどうマネタイズするんだろうみたいなサービスが世の中いっぱい出てきたなって思ってて、言い方選ばず言うと、高速にゴミを生み出している状態っていう気がするんだよな。しかも、そこに自社のサービスとのシナジーとか、いわゆる自社のサービスの付加価値になるんだったらいいんですけど、スピードをいかに出してもその後に本質的なものを出してきた競合に負けて、勝ちきれなくなっちゃうと思うんですよね。裏を返すと、二番煎じでも本当に本質を得たものであれば、今高速で生み出されている大量の有象無象たちに勝てると思ってて、そこの本質を見極めた上でスピード感を出すか、とにかくスピード感を出すかってまるで意味が違うなっていうのをプロダクトマネジャーとして考えなきゃいけないなって日々思っています。

ジョン:確かにね、私はこのChatGPT周りのサービスって、LINEと連携しているようなものを使ってもらってたりはちょくちょくしてるんですけど、やっぱ便利だなとは思うものの、そこにLINEのところに課金するかって言われると課金はしないなって。それなら自分で普通に課金するかなっていう、ChatGPTみたいな。

本質を射抜く

はち :そうですね。そこもそうだし、なんかめちゃくちゃ薄利多売だと思っていて、じゃあその課金してくれるTAMはどうなんだろうみたいな世界を考えると、別に特定のサービスを指定してるわけじゃないけど、なんか冷静になった方がいいんじゃないかなって結構思うんですよね。多分その背景って、ハフポストのメディアが、私たちは記事作成にChatGPT使えますって言って株価が上がったりとかしたんですよね。なのでそれが1月か2月ぐらいだったんですけど、それが結構でかいなと思ってて。そこでみんながこれはゴールドラッシュだって言って、金脈に集まり始めたと思っています。なんかそこでこう、世の中を変えるっていうことは理解するのは超大事で、逆にChatGPTとか興味ねえしっていうのは論外だと思うんですけど、興味を持った上でその本質を射抜いてどう自分たちのプロダクトとシナジーを持った上で設計して市場に投入するかといったところを、ChatGPTだけじゃなくて今後も生まれてくるであろうトレンドというか、世の中を変えるもの、例えば量子コンピューティングとか、Web3とかっていうおいしそうに見える果実が目の前にぶら下がったときに、ちゃんとそれを本質を射抜く目をプロダクトマネージャーとしては持っておきたいなって思ったっていうお話でした。

ジョン:確かにですね。結構量子コンピューターとかChatGPTもそうですけど、ある種提供してるのは手段ですよね。こういうことができますと。それで何を解決したいのかみたいなところがわからないまま、とりあえずできるものを作っていこうみたいになっているのが今のところなんですかね。本当に最近いろんなものが出てきてると思うけど、これからいろんな手段を使って何をしようといろんなものを出していく中で、取捨選択というか、淘汰されていく者たちが出てきて、その過程の中で、こういうAI系の手段ってこういうところにすごい価値を見出せるんじゃなかろうかっていったところが見えてくるのかもしれないですね。

はち :そうですね。逆に言うと、AIって別に一過性のトレンドじゃないと思ってるから、逆に言うとそこまで焦らなくてよくねって思うっていう。

ジョン:それはそうかもしれない。AIで解決できる課題っていろいろあると思うんですけど、まだまだ一般的にはしっくりくるものは出てきていないような気もするので。そう考えてやっぱ最初にたどり着いたものはやっぱりすごいなと思いますけどね。

はち :うん、最初に本質にたどり着いたらすごいなっていうことなんじゃないですか、そういうことですよ。はい。なので僕らは本質を射抜き続けたいなっていうのを改めて思いましたっていう。

ジョン:まあいろんなプロダクトが生まれてるけどこのプロダクトって何なんだろうって思いながら見るのはプロダクトマネージャーとしてはそういう目を養う上ではいいタイミングかもしれないですね。

はち :そうですね、確かに目利きになるっていう。

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キャスト

  • MC

    • はち (PIVOT株式会社 プロダクトマネージャー)
      https://twitter.com/PassionateHachi

    • ジョン (とある上場スタートアップ プロダクトマネージャー)
      https://twitter.com/john_tk120

  • スタッフ

    • 「PMのネタ帳」コミュニティーメンバー

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